(百合城銀子・ナレーション)
私たちは最初からあなたたちが大嫌いで最初からあなたたちが大好きだった
だから本当の「友達」になりたかった
あの壁を越えて…
(ユリーカ)ついにクマが越えてはならぬ「断絶の壁」を越えてしまいました。
泉乃純花さんはその尊い犠牲となり更に現在も赤江カチューシャさん百合川このみさんをはじめ数名の生徒さんと連絡がつかない状況です。
(生徒)えっ!
(生徒)うそ。
(ユリーカ)これはあの「断絶の日」以来の危機です。
非常事態です。
幸い学内に侵入したと見られるクマは昨夜射殺されましたが断じて油断はなりません。
いいですか?今隣にいる「友達」こそがあなたの命を守る鍵なのです。
学内でも決して「1人」にならないようお互いがお互いを守るのです。
キィーン!
(ハウリングの音)
(蜜子)あなたのことは私が守るわ。
(椿輝紅羽)あっ。
(蜜子)ふふっ。
あっ…。
紅羽?ごめんなさい。
どうして?だって昨日は…。
私そんなつもりじゃ…。
分かったわ椿輝さん。
(心の声)≪ちっ拒絶?≫≪まあいいわ。
私はあなたのそんなところが好きなのだから≫≪お楽しみはこれからよ椿輝紅羽たっぷりかわいがっておいしく食べてあげる≫
(蜜子)ジュルリ。
(ユリーカ)どう?少しは落ち着いた?はい。
(ユリーカ)うそ。
えっ?
(ユリーカ)ふふっうそが下手。
そういう生真面目なところ澪愛とそっくりね。
澪愛…お母さんと?
(ユリーカ)ええあなたはあの子とよく似てる。
やっぱり親子なのね。
ふふっ。
ふふっ。
(ユリーカ)無理をしてはダメよ紅羽ちゃん。
大切なものを失った心の痛みは隠そうとすればするほどつらくなる。
私にはそれがよく分かるの。
あの日私は澪愛を…あなたのお母さんを失った。
私の大切な生涯でただ一人の「友達」。
だからとてもうれしかったあなたがこの学園に来てあの花壇をよみがえらせてくれたこと。
あそこは澪愛と私の思い出の場所だったから。
クマが憎い…。
(ユリーカ)ええ憎いわね。
クマは私たちの大切な人を奪った。
もう一匹。
えっ?クマはもう一匹いる。
でも泉乃さんを襲ったクマは百合園さんが駆除したはず…。
ガタッ
(立ち上がる音)あっ…。
違うんです!私見たんです。
クマはもう一匹います!きっとまだこの学園のどこかにいるはず!≪学校っていうのは本当によく出来たシステム。
私の役目はここにいてただ「そのときを待つ」こと≫
(蜜子)ふふふっ。
・
(江梨子)百合園さん今日のあれ百合川このみさんの代わりに私が議長になるから。
偉いわ鬼山さん。
クラスの友情は1人1人の自覚から。
あなたのそのリーダーシップすてきよ。
あっ!
(蜜子)強い人は美しいわ。
(江梨子)ゆ…百合園さん…。
「蜜子」でいいわ。
あっ…。
(蜜子)≪さあいい子ね。
早く…早く私に椿輝紅羽を食べさせて≫あっ。
あっ。
(百合ヶ咲るる)ガウ?クマはもう一匹いる…。
バーン!
(銃声)くっ!≪私はクマを許さない≫≪私はクマを破壊する!≫バーン!バーン!バーン!ガウぶる〜!なんかクマ撃つ気満々って感じ?せっかくあの嫌〜な百合園蜜子を出し抜いてやろうと思って来たのにこれじゃあとても近づけないよ〜!けどまさか学園に私たちの正体を知る…シュッシュ!ライバルグマがいたとはね。
シュッシュ!デキシャスメルガウガウ。
もう銀子ったら話聞いてない〜!椿輝紅羽きっとすごくおいしい女の子なんだよね。
(教師)ええ〜こうして時のローマ教皇ウルバヌス世の呼びかけに応えて西ヨーロッパ諸国から参集した王や貴族の軍勢により1096年第1回十字軍が結成され今後長きにわたる戦いの火蓋が切って落とされたというわけです。
(純花・回想)はい忘れん坊さんあっ…ふふっふふっ。
あっふふっ
(教師)は〜いここの所テストに…。
(生徒たち)出ませ〜ん。
(教師)いいえ出ますよ。
出しますよ。
(生徒たち)あははっ!≪純花…純花のいない教室は時のたつのが遅いよ≫
(教師)つまり十字軍の遠征により西ヨーロッパの人々は…。
≪こうしてみんな忘れてゆくのかなあの日のこともあのときのことも≫≪そしていつか私も「スキ」を忘れて透明に…≫
(純花)お母さんの花壇?うん。
お母さんがこの学園の生徒だった頃大切な「友達」と作ったんだって
(純花)ふ〜んそれで「スキ」なんだうん。
もう一度ここを花でいっぱいにしたくてそっか紅羽ちゃん諦めなかったもんねうん
(純花)大切なお母さんの花壇紅羽ちゃんの「スキ」かあっ私の「スキ」?そう「スキ」だから私も諦めないよ紅羽ちゃん私の大切な「スキ」≪忘れない…忘れたりしない≫≪純花私も「スキ」を諦めないよ≫私たちは「透明な存在」であらねばなりません。
それでは「排除の儀」を始めましょう。
「友達」は何より大切ですよね。
今この教室にいる「友達」それが「私たち」です。
その「私たち」の気持ちを否定する人って最低ですよね。
「私たち」から浮いている人ってダメですよね。
「私たち」の色に染まらない人は迷惑ですよね。
そういう空気を読めない人は「悪」です。
泉乃純花さんはそのせいでクマにやられてしまいました。
しかたありませんよね彼女は「悪」だったのですから。
私たちは次に「排除」する悪を決めねばなりません。
レッツサーチイーヴル!≪セレクト!ついにこのときが来た≫≪私はあの子を…椿輝紅羽を食べる≫ジュルリ。
(2人)ゴリゴリゴリ…。
(澪愛の声)紅羽今日も「お友達」と仲よくできた?そうよかったわね。
紅羽はあの子のことが大好きなのね。
ねえ紅羽「スキ」を忘れなければ紅羽はいつだって独りじゃないのよ。
覚えておいてね。
そう「スキ」を忘れなければ私は独りじゃない。
ザァーー
(雨音)
(アナウンサー)ただいま首都圏全域に暴風大雨洪水警報が発令されました。
猛烈な雨と風です。
一部地域では避難勧告も出されたもようです。
当該地域にお住まいの皆さんは各自治体の指示に…大変!花壇が…ビューー!
(風の音)うっ!くっ!はぁはぁはぁ…はぁはぁはぁ…あっ!
(純花)くっ…ビューー!
(純花)あっ!あっ紅羽ちゃんふふっザァーー!寒くない?
(純花)大丈夫だよ紅羽ちゃんありがとう純花私と「友達」でいてくれてあっ…うん私もありがとう私は「スキ」を諦めない。
(蜜子)≪生きるということは絶えず何かを忘れ諦め捨て去るということ≫
(蜜子)≪新陳代謝を行えないものはいずれ滅びる。
私たちけだものは過去に生きることはない。
あるのはただ今このときの感情だけ。
今この瞬間の空気ノリがすべて≫
(蜜子)閉じられた世界の秩序は「透明なものたち」が決める。
ゴリゴリゴリ…。
≪銀子るるね銀子に会ったあの日のこと絶対忘れないよ。
銀子が私の「スキ」を見つけてくれた。
届けてくれた≫≪だからるるは何があっても「スキ」を諦めないよ≫裁きのときが来たガウガウ。
ピッ
(携帯操作音)はい。
あなたの「スキ」は本物?本物よ。
これは「断絶の壁」からの挑戦です。
椿輝紅羽あなたの「スキ」が本物なら屋上に行くがいい。
クマがあなたを待っている。
クマにその身を委ねればあなたの「スキ」は承認される。
≪私はクマを許さない≫≪私はクマを破壊する!≫バタン
(ドアの音)
(蜜子)待っていたわ椿輝紅羽。
百合園さん?どうしてここに?
(蜜子)あなたを食べるためよ。
えっ?
(蜜子)いいこと教えてあげる。
あなたの大好きな泉乃純花を食べたのはこの私百合園蜜子。
私はクマよ。
何を言ってるの?
(蜜子)信じられないでしょうけど私はクマなの。
ヒトに化けたクマと言った方が正確かしらね。
ヒトに化けたクマ…。
ええ私が撃ち殺したクマ百合川このみもそう。
百合川さん?だって彼女はあなたの…。
「友達」?だったかもしれないわね私の言うことを聞いているうちは。
ねえ知ってる?「友達」を選ぶとき大事なことはただ一つその子が自分より「少しだけ劣っている」ってことだけ。
そうすれば簡単に支配できる。
信じられないって顔ね。
しかたないわ。
私がクマだって証拠を見せてあげる!あっ!それは純花の…。
ええこれで信じてもらえた?あの子ったらおかしいのよ自分が今食べられてるっていうのにあなたの心配ばかりして。
(泉乃純花のモノマネ)ごめんね紅羽ちゃん。
紅羽ちゃんの「スキ」…お母さんの花壇直してあげられないよ。
諦めないって約束したのに。
紅羽ちゃんごめんねごめんね。
うぅ…。
バーーン!はぁはぁはぁ…。
あなたに私は撃てないわ。
ふふふっだから私はあなたが「スキ」。
ほら怒りに燃えたその目いいわ感じる。
あなたの中で血が煮えたぎってる。
匂うのよ。
もうたまらなく匂うの。
ねえもっと怒ってよ。
私はクマを許さない。
私はクマを破壊する!言ったでしょ?あなたに私は殺せない。
(蜜子)ギャウッギャウッ…ギャウギャウ!ギャ〜ウッ!!うそ…そんなこと…。
バーン!
(蜜子)ギャフフッ…。
バーン!当たらない。
バーン!当たらない!バーン!当たらないわ!バーン!バーンバーンバーン…ギャウギャウ!ギャフフッ!大丈夫。
食べた純花に代わって…。
ああっ!
(蜜子)私があなたを愛してあげる!あっ!ああ〜〜!!
(銀子・るる)食べたい!今すぐあの子が食べた〜い!ダン!
(セクシー)開廷〜!ダン!ダン!
(セクシー)それではユリ裁判を始めます。
裁判長今すぐユリ承認を!
(セクシー)うん…。
椿輝紅羽を助けたい。
ガウガウ!
(クール)椿輝紅羽を助ける?何を言ってるんだ。
君たちはクマだぞ!ガウウ〜私たちヒトを食べます。
食べなきゃ銀子の「スキ」が守れないんです!はっ自ら罪を認めるというわけですか。
ふっなんてクール。
(ビューティー)異議あり!クマにとってヒトを食べることは罪ではありません。
キラキラ〜。
くっ!早く判決を。
今じゃなきゃダメなんだ!
(セクシー)なるほどそれがセクシーシャバダドゥ。
では被告グマ。
(2人)えっ?
(セクシー)「あなたは透明になりますか?それとも人間食べますか?」。
人間…。
食べます。
(2人)ガウガウ!
(セクシー)それでは判決を申し渡します。
ガウ〜〜ガウ!ユリ〜承認〜!ガウガウ〜!ユリ〜承認〜!ガウガウガウ〜ガウッ!
(銀子・るる)諦めない!あっ。
ここは?あっ!紅羽は「スキ」を諦めない。
ガウガウ。
ガウウ〜!「スキ」だけがこの世界を変えられる。
私の「スキ」…。
そう「スキ」。
「スキ」…。
ペロ。
ペロ。
≪何?少しざらついてるけど温かくて優しい≫≪こんな感じ前にどこかで…≫
(るる・銀子)チュッ。
さあ紅羽。
≪いける!≫≪約束のキスを私に!≫バーン!
(蜜子)ギャウッ!ギャギャギャギャ…ギャウ〜〜〜!!≪私殺してしまった百合園さんを…≫≪そんな…そんな…クマがヒトに…≫≪そんな…≫あっ…。
ふふっ。
(江梨子)で何?私に用って。
「排除の儀」のことならあなたたちまだ参加できないわよ。
「透明な嵐」に加わらないと「友達」になれないから。
いらないガウガウ。
ガウ〜!そのかわりるるたちが鬼山さんにいいこと教えてあげるね!
(江梨子)いいこと?ねえ行方不明の「お友達」ってどこにいると思う?
(江梨子)行方不明って赤江さんたちのこと?そこ。
(江梨子)えっ?こ…これ何?食べて余った赤江カチューシャをこの下に埋めた。
キシシ…るるたち優しいでしょ?ど…どういうこと?赤江さんを食べたって…。
どうして私にそんなことを?
(2人)にっ!ゴリゴリゴリ。
ガウウ〜これから君を…。
食べるから。
ジュルリ。
2015/01/21(水) 03:30〜04:00
MBS毎日放送
ユリ熊嵐 #03[字]
「透明な嵐」▽断絶された恋人たちを巡る、現代の神話。その透明な嵐に混じらず、見つけ出すんだ。——ユリ裁判、始まる!
詳細情報
お知らせ
私達は最初からあなたたちが大嫌いで、最初からあなたたちが大好きだった・・だから、本当の友達になりたかった——。
番組内容
クマから身を守るため、友達が大事だと説かれる女生徒たち。学園内では群れを重んじて、空気を読まないヒトを悪と見なす「排除の儀」が開かれた。議長・鬼山江梨子のもと、紅羽は排除されるべき者に選ばれてしまう。この結果にほくそ笑む蜜子。彼女は紅羽を呼び出し、おぞましい本性を露わにする。銃声と叫び声が屋上に響き渡った。
出演者
【声の出演】
(百合城銀子)荒川美穂
(百合ヶ咲るる)生田善子
(椿輝紅羽)山根希美
(ライフ・セクシー)諏訪部順一
(ライフ・クール)斎賀みつき
(ライフ・ビューティー)山本和臣
(泉乃純花)小倉唯(百合園蜜子)悠木碧
(百合川このみ)小清水亜美
(針島薫)日笠陽子
(箱仲ユリーカ)井上喜久子
(椿輝澪愛)遠藤綾
ほか
原作・脚本
【原作】
イクニゴマモナカ
【キャラクター原案】
森島明子
【キャラクターデザイン】
住本悦子
監督・演出
【監督】
幾原邦彦
【副監督】
古川知宏
【シリーズ構成】
幾原邦彦 伊神貴世
音楽
【オープニングテーマ】
「あの森で待ってる」歌:ボンジュール鈴木
【エンディングテーマ】
「TERRITORY」
歌:百合城銀子(CV:荒川美穂)、百合ヶ咲るる(CV:生田善子)、椿輝紅羽(CV:山根希美)
【音楽】
橋本由香利
制作
【アニメーション制作】SILVER LINK.
【番組HP】
http://yurikuma.jp/index.html
【Twitter】@yurikuma_anime
https://twitter.com/yurikuma_anime
ハッシュタグ「#yurikuma」
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
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