観音と信仰あれこれ
深刻な不人気の大河ドラマ「平清盛」。 視聴率の底上げを図って ?
NHK-BSPで「歴史ミステリー 平清盛の夢〜海上神殿・厳島神社の謎を追う」を再放送していた。
改めて、複雑な日本の神社仏閣のことをスタディした。
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安芸国の厳島 (広島県の宮島)は、平清盛が進めた宋国(中国)との交易拠点として、
その航海の無事を願って「厳島神社」が祀(まつ)られた。
信仰対象の神としては、
① 日本大和民族固有の宗教「神道(しんとう)」の「宗像(むなかた)女神」、
② 唐国(中国)から伝わった「弁財天」に加えて、
③ 新たに宋国から伝わった「観音」があったと番組では解釈していた。
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仏教では、「如来」--「菩薩」--「明王」--「天部」という仏様が悟(さと)る序列があり、
③の「観音」は「観世音菩薩」つまり「菩薩」に属し、
②の「弁財天」は「天部」に属する。
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そして、この「観世音菩薩」は、宋国の東シナ海に浮かぶ「普陀山」(現・浙江省/舟山群島/仏頂山)から伝わったと言う。
「普陀山」(または普陀落山)というのは、中国の観世音菩薩信仰の一大聖地である。
かくして、「厳島」は「普陀山」がモデルとなったという説。
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そもそも「観世音菩薩」は、インドから中国に伝わった仏教経典、「般若(はんにゃ)経」・「涅槃(ねはん)経」と並ぶ
「法華(ほっけ)経」に書かれていて、
信者の状況に応じて三十三種類もの仏の姿に変身する特徴が有る。
===西国三十三所観音霊場、三十三間堂などはここから由来===
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複雑なのは、この変幻自在の「観世音菩薩」に、
中国・漢民族固有の宗教「道教」における航海の女神「媽祖(まそ)」が加わっている。
尚、「観世音菩薩」は、唐の第二代皇帝・太宗李世民の名の一部であることから、"世"の字を使用禁止としたため、以降、「観音菩薩」または「観音」と略されるように成っている。
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あれやこれやで、厳島もまた、「神道」の①「宗像女神」、「仏教」の②「弁財天」と③「観音菩薩」の三神仏が融合し、
「厳島神社」と「大願寺」の神仏習合(しゅうごう)となっていた。
ところが、明治維新と廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動によって、神社を優遇し寺院を冷遇したのである。
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太平洋戦争後の平和憲法下の日本では、神仏習合が復活し様々な "信教の自由" が謳歌(おうか)されている。
だが、"自由"の権利を乱用し、政教一体、税制優遇措置の乱用など問題が顕在化している。
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神社(または神宮)信仰のランキングでは---
一位「八幡神社信仰」・・・清和源氏の武運神。神仏習合により南無八幡大菩薩とも言う。
二位「伊勢神宮信仰」・・・伊勢平氏の武運神。
三位「天神(天満宮)信仰」・・・菅原道真氏の学問神 (アンチ藤原摂関家の怨霊神でもある)。
四位「稲荷神社信仰」・・・中国・秦(しん)国所縁の渡来人・秦(はた)氏の産業神。
神社以外の市中の会社ビル屋上・工場敷地などの祠(ほこら)を加えると、圧倒的な一位に躍(おど)り出る。 |
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