佐賀県と福岡県の県境にある佐賀市三瀬村が今回の舞台。築90年の納屋を改築し2006年2月「農家民宿 具座」を始めた藤瀬吉徳さん(57歳)と妻のみどりさん(55歳)が主人公です。宿には昔懐かしい囲炉裏や釜戸、五右衛門風呂があります。中でも具座の人気はみどりさんが作る手料理。自家製野菜をたっぷり使った鍋や煮物などどれも絶品です。また、三瀬村はどぶろく特区に指定されており自家製のどぶろくも人気商品になっています。常連さんも初めて来たお客さんもみんな親戚のような温かな時間が流れます。民宿を始めて7年目を迎えた藤瀬さんご夫婦です。
黒光りする梁や柱、建物の随所から90年の歴史を感じさせます。囲炉裏と薪ストーブがある1階は民宿の食堂でもあり宿泊客との交流の場にもなっています。夕食時にはみんなで囲炉裏を囲んで食べるのが具座のスタイルです。2階は8畳と12畳の趣の異なる客室があります。
宿泊客の留学生が体験したのは薪割り。吉徳さんからコツを教わるもなかなかうまくできません。諦めず続けてようやく2つに割ることができ、嬉しさのあまり思わずガッツポーズ!続いて風呂焚きに挑戦。火種を消さないよう竹筒を使い息を吹きかけていきます。初めて見る五右衛門風呂に興味津々。自分たちで沸かしたお風呂に早く入りたいと待ちきれない様子でした。
夕食は収穫したばかりの野菜がたっぷり入ったお鍋や煮物と地元の猟師さんが獲ったイノシシ肉のくわ焼が食卓に並びました。みんな揃って囲炉裏端で食べると心身ともに温まります。そして具座の夕食に欠かせないのは自家製のどぶろく!おいしい料理を頂きながらついついお酒も進んでしまいます。
吉徳さんの母・チトエさんから地域に代々伝わるこんにゃく作りを教わります。灰汁から作り始め完成するまでになんと3日もかかるそうです。こんにゃく芋や灰汁の量で仕上がりが左右するそうで、今回はちょっと柔らかすぎました。昔ながらのこんにゃく作りは奥が深いようです。そんな農家の食文化も引き継いでいきたいと語る藤瀬さんご夫婦です。