工藤会:「事実上トップ」ら3人を恐喝未遂容疑などで逮捕

毎日新聞 2015年01月26日 21時25分(最終更新 01月26日 22時01分)

 ◇福岡県警、暴力団対策法違反容疑でも

 福岡県警は26日、ビルの所有権を脅し取ろうとしたとして、特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)幹部、木村博容疑者(61)ら計3人を恐喝未遂、暴力団対策法(暴力的要求行為の禁止)違反容疑で逮捕した。木村容疑者は工藤会の広報担当者で、昨年9〜10月に最高幹部3人が逮捕・起訴された後、ナンバー3の菊地敬吾被告(42)の代理を務めている。

 他に逮捕されたのは、いずれも工藤会系組幹部の渡辺幸次郎(48)と中本隆(48)の両容疑者。

 記者会見した県警の古賀正彦暴力団犯罪捜査課長は「木村容疑者は現在、工藤会の事実上のトップであり、指揮者が不在になることで組織が弱体化する」としている。

 逮捕容疑は、昨年7月2日と8月22日、福岡県内の男性に対し「ビルは工藤会のもの」「ただでくれ」と脅し、男性の親族が北九州市八幡西区に所有する4階建てビルを取得しようとしたとしている。県警は3人の認否を明らかにしていない。

 県警によると、ビルは2000年以降、木村容疑者が組長を務める工藤会傘下組織が全体を事務所として使用していた。

 県警は昨年9月、1998年に元脇之浦漁協(現北九州市漁協)組合長を殺害したとして、工藤会トップの野村悟被告(68)とナンバー2の田上不美夫被告(58)を殺人などの容疑で逮捕(ともに殺人罪で起訴)した。昨年10月には、2013年1月に女性看護師を殺害しようとしたとして、両被告と菊地被告ら16人を組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)容疑で逮捕。うち14人が起訴された。

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