資格スクエアマガジンでは、「女性×士業」というテーマで、新しい働き方をする女性に注目しインタビューを行っております。
今日は日本テレビ系「行列のできる法律相談所」などにもご出演され、グラビア出演などにも話題になった弁護士の三輪 記子(みわ ふさこ)先生をお迎えしました。
長い司法浪人を経てたどり着いた境地は、この時代にふさわしい働き方のようにも思えます。勉強中の学生さんや、司法試験に苦労している方も勇気づけられる言葉の数々。
その美しい素顔の裏に潜む情熱を見てみましょう。
■今やっていることは“両立”とは違う
―現在、弁護士と芸能活動の両輪で活躍されてなかなか大変そうですね
全てが“私の仕事”と思っています。(弁護士でも)事件1つしかやってない人っていないですよね。大変って言うのは勝手に思ってはるだけで、業務の中でいろいろ案件を並行してやっていますよね。それと同じやと思います。バラエティ番組やニュース番組にしても通常業務と変わりはありません。
とはいっても餅は餅屋なので、テレビの方に関しては事務所に入っていて、弁護士業優先で期日とかぶらないように調整してもらっています。
―そうやって両立を図っているんですね
両立って感覚ではないです。私という人間は1人で、調停や訴訟の業務も、テレビに出るのも「全て仕事」という感じです。
たとえば家事と仕事と両立って発想としておかしいと思うんですよ。家事全くしない人っていないじゃないですか。
■“思考をやめない”人間になろう
―餅屋ではない部分、つまりメディアへの出演で気をつけている点はありますか?
弁護士ってお堅いイメージがあると思うんですけど、そんなことないよっていうのを伝えたいと思います。(弁護士になるには)勉強をたくさんします。勉強を通して、「こんなことを考えることができる」とか、「こんなことを知ることができる」ということが伝わればいいなぁと思ってます。
―グラビアも活動もその一貫なんですね。
たぶんみんな、弁護士はグラビアしないって思っているんです。
でもそういう垣根って絶対に必要なことでしょうか?
私自身は、グラビアをさせて頂いたことで気づいたこともたくさんあるんです。(世の多くの男性が)グラビアを楽しんでいる一方で、そういう女性を見下しているんだなと思うことがありました。
―実際になにかあったんですか?
たとえば「弁護士“なのに”グラビアに出るなんて!」っておっしゃっている方もいました。「“なのに”ってなんやねん?」と思いましたよ。「この先生は弁護士とかグラビアとかをご自身の中でどんなふうに位置づけているのかな…」と色々考えました。
“この人はこうだ”という決めつけ、あるいは決めつけをしていいのかどうかも考えずに、世の中のありきたりの考えのもとでみんな生きてしまっているんだなと思ったんです。思考をしていないから、固定的な観念にとらわれていると思うんです。
勉強もそうで、“自分は勉強ができない”“自分はバカだから”っていう決めつけにとらわれる人がいるんです。思う存分やったのか?本当に考えたんですか?と言いたいです。
だから考えることを止めてはいけないと思うし、メディアに出ることで“どこかで見てる誰か”の考えるキッカケになったらいいなと思っています。
―弁護士という枠以外の仕事もすることで、弁護士を目指す人や弁護士以外の人へ“考えろ”という注意喚起をしていると。
注意喚起とか大それたことではないんですけど、やっぱり「考えない人間」になるのって怖いですよね。そんなふうに「閉じた」人間になるのが怖いんです。
弁護士をやっていると、色々な人から様々な相談をされるのでなんとなく“(世の中を)知った気になる”んですね。テレビやグラビアに出ることで、世の中には知らないコトがたくさんあるというを知り、自分が謙虚になる契機にもなっていると感じます。
■「受からなかったらどうなるか」を想像する
―過去を振り返ります。司法試験合格までには時間がかかっていますが、何が問題だったんでしょう?(※注:三輪先生は旧司法試験を七回受験している)
これくらいでうかるやろ、っていう舐めた感覚でいたんですよ。他の道がなくなるという現実とか、受からなかった時にどうなるんやろということを考えていなかったんです。
“想像力の欠如”ですね。
(勉強に徹底し始めたキッカケ)これは自分の話ですけど、誰かと結婚して奥さんになることも想定してみたけど、そんな人生イヤだなと思って。“誰かの何か”っていうのがイヤだなと。
―ブログなど見ると、昔は恋愛体質っぽいところがあったように思えますが
そうですね、主婦になろうと思ったこともありました。
でも思ったんです。「相手が人間だったら関係が崩れてしまうかもしれないけれど、司法試験に受かって資格をとれば、仕事をするかしないかも含めて主体的な選択ができる」って。相手が人間だったらフラれたら終わってしまうじゃないですか。旦那さんが病気をするかもしれないし、交通事故に遭ったりとか…何が起こるか自分で選択できない部分が大きいですよね。
― 人に寄り添うというよりも“仕事と寄り添う”ようなイメージですか?
その方が自分の人生として“かたい”ですよね。
裏切らないですから!男は裏切るけど仕事とか資格は裏切らないでしょ?
―徹底的に勉強に向き合い始めた時、心折れることもあったかと思うんです。なにか工夫された点などありましたか。特に若い子に向けてアドバイスなどあれば。
受かったら、ということではないと思うんです。受からなかったらどうなるか、受からなかった時の人生を自分が受け入れられるかどうかだと思うんです。
良いことかどうかは分からないんですけど、もっと具体的に「あの人と会えなくなる」「受かってあの人にお礼言いたい」「アイツにバカにされるのは勘弁したい」とか想像するんです。
と言いつつも、結局は心折れそうになったときは家族の応援や当時付き合っていた彼氏の支えは本当に大きかったです。今もとても感謝しています。
■これからはリアリティを身につけたい
―これから“三輪記子”はどうなっていくのでしょうか。
両立って話しもあるけど、年齢的なものもあって体がもたなくなってきているので、配分を考えなきゃいけないと思っています。
あと子どもは欲しいです。
―子どもの前にもう一つステップがあると思うんですが(笑)
結婚はイメージできないんですよね…。結婚するときが来ればいいなぁという気持ちはあるんですけど、少し怖いのかもしれません。
でも、子どもは欲しいと思ってます。子どもを産み育てるためには結婚って必要なんでしょうね。そこはもっと考えないといけないと思ってます。
やっぱり社会の問題として女性の社会進出やマタハラの問題とか、独身でフラフラしているとリアリティがないじゃないですか。ニュース番組などに出させていただいていても、自分の喋ってることにリアリティがないんじゃないかなって悩んでます。
リアリティのために子どもが欲しいって言ってるわけではないんですが、(出産や育児を)経験して発信したいかもっていう気持ちがありますね。
とか言いつつ、こっそり出産しちゃうかもしれませんけどね。
子どもを産むことができる性としてこの世に生を受けたのに、このまま子どもを産まなくてもいいのかな、と悩んでいるんです。今後産むか産まないか、産んだとして仕事との配分をどうするかは今後の課題ですね。
―今のご年齢にさしかかったからこそ、そう考えるんでしょうか?
多分そうだと思います。5年後10年後ってなるとまた違うかもしれないですけど、今これから先はどうするかって聞かれると、子どもを産んで仕事をする人生を歩もうとするのかどうかということが課題です。
―子ども連れながら京都と東京行き来するのかとか考えちゃいますよね。
みんなが安心して子どもを産んで育てていける社会なんだよっていうのを実践していけたらいいですね。
■新しい弁護士の姿とは
―学生さんや司法試験を取ろうとしている人に向けて、これからの弁護士はこんな風になるといいんじゃないのというアドバイスはありますか?
弁護士だから弁護士業のみっていう発想は古いと思います。
だからテレビに…とかではなくて、弁護士をしながらも他のビジネスを立ち上げていらっしゃる先生方も最近は増えていますよね。
自分の場合出産・子育てという話はさっきもした通りなんですけど、私はもっと勉強したいと思っています。40歳、50歳になっても経済的に余裕があるなら、大学通いたいなと思います。
これからの時代、弁護士になっただけではバラ色じゃないから……弁護士を目指す学生さんにはいろいろな考え方ができるような弁護士を目指して欲しいです。
迷いながらも、徹底的に進むことを選んだ三輪先生。
今回のインタビューでは普段テレビに映る彼女とは違う、情熱的な一面が垣間見えたのではないでしょうか。当分、その活躍は見逃せなさそうです。
弁護士 三輪 記子
所属事務所:東洞院法律事務所
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