鮮明となった「米国とそれ以外」の世界経済の構図-ダボス会議
(ブルームバーグ):世界経済は「米国とそれ以外」に色分けされる。これがスイスのダボスで21-24日開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会に出席した投資家や企業経営者、政策当局者らの結論だ。
米経済の成長率は1999年以降で初めて、世界の成長ペースを上回る見通しだ。だが、過去11年で最も力強い米景気拡大に世界経済をけん引できるほどの勢いがあるか、それとも欧州や中国の鈍化の重力にあらがうことはできないのかという疑問がお祭り気分に水を差す。
「米国も多少は世界を支援することはできるだろうが、一国だけではどうしようもない」。アイゼンスタット元米財務副長官はこう語る。その上で、米国の回復の勢いが世界の他地域のマイナスの力に押しやられてしまう確率は依然50%あるとした。
世界各国・地域ごとに経済の巡航速度が大きく異なる中、ドルは対ユーロで11年ぶりの高値を付け、米景気拡大を脅かす。ドルのさらなる上昇見通しにあえて異議を唱える者はダボスでもほぼ皆無だった。
「現在の米国は世界中で最も素晴らしい投資先だと考えられる」とする投資会社カーライル・グループの共同創業者、デービッド・ ルーベンスタイン氏も「米国にとって最大の問題はドルがあまりにも強くなってしまう恐れだ」と話す。
資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)やゴールドマン・サックス・グループのゲーリー・コーン社長も米経済に対するドル高の悪影響を指摘した。
原題:U.S. and Them Dominates Davos Unsure If America Can Power World(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:パリ Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
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更新日時: 2015/01/26 14:52 JST