とある用語集。MORRIEインタビューを読み解くキーワード35
posted by Book News 編集:ナガタ / Category: ちょっとした更新 / Tags:
リアルサウンドさんというWebメディアに「20年ぶりのソロアルバム発表! MORRIEが語る、自身の音楽的遍歴とNY前衛シーン」と題されたインタビュー記事がアップされたのですが、このインタビューには様々な固有名が登場する割にほぼ何の解説もなく非常に不親切なので、こちらでその他のキーワードいくつかとともに、個別に紹介していこうと思います。


ノーウェーブ:1970年代後半から1980年代初頭にかけて存在した、パンクのいち潮流。商業的な側面もあったニューウェーブに対し、より実験的・前衛的・破滅的な傾向が特徴。ブライアン・イーノがプロデュースした『No New York
すいません、ふざけました(いや、でもなんでこの曲の名前がノー・ニューヨークなのかはけっこうずっと考えてます)。
ちなみにこんなのもあります。
ロリ・モシマン:伝説的なバンド・SWANSの元ドラマー。プロデューサーとして多彩なアルバムに関与。プロデュースしたミュージシャンは、ヤング・ゴッズ、ザ・ザ、セルティック・フロスト、ニュー・オーダーなど。
ジム・フィータス:多数の名義を用いて、ポスト・パンク、アヴァンギャルドポップ、インダストリアルなどのジャンルで活躍するミュージシャン。独特のキッチュさ、攻撃性、シニカルさが特徴。ロリ・モシマンとWisebloodというユニットを結成していたことがある。
ジョン・ゾーン:現代音楽の作曲家であり、フリージャズのサキソフォン奏者。民族音楽、現代音楽、ハードコアパンク、ジャズを横断・融合させる様々な試みで知られる。
アート・リンゼイ:ギタリスト。ノーウェーブの代表的なミュージシャンのひとり。まったくチューニングしないギターを直感的に演奏するという特徴的なスタイルが有名。ノーウェーブ以降は、ブラジル音楽に傾倒。
unkie:元RIZE、AJICO、LOSALIOS、ACE OF SPADESのTOKIEらによるインディー・ロックバンド。
即興:フリージャズや現代音楽の文脈においては、即興(=インプロ、インプロビゼーション)に特別な意味が与えられている。MORRIEがここで使っている「インプロ」という言葉には、単なる即興という以上の意味が込められていると考えたほうが良い。詳しくはデレク・ベイリー著『インプロヴィゼーション―即興演奏の彼方へ
ニック・ケイヴ:オーストラリア出身のシンガーソングライター。ザ・バースデイパーティー、ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズで活動。
メタルパーカッション:主にインダストリアルバンドが、従来のドラムやパーカッションにはない響きを求めて廃材などとともに使用した、金属製の打楽器。
E・Z・O(元フラットバッカー):北海道出身のへヴィメタルバンド。スラッシュメタルとハードコアパンクの要素を取り入れ、独自の音楽性を展開した。1980年代に渡米して所属事務所をアミューズに移籍し、フラットバッカーからE・Z・Oに改名。
Sulfar:「ダーク・キャバレー」と呼ばれるジャンルの音楽を演奏する大所帯のバンド。中心人物のミッシェル・エイマーのソロワークとして開始され、1990年代に活動した。1998年にアルバム『Delirium Tremens
イクエ・モリ:アート・リンゼイらとノーウェーブの代表的なバンドDNAを結成したドラマー。
アンビシャス・ラバーズ:アート・リンゼイとピーター・シェレールを中心とするユニット。ノーウェーブ以降、ブラジル音楽とりわけボサノバとシンセポップを融合。
ラウンジ・リザーズ:サキソフォン奏者のジョン・ルーリーを中心に結成されたジャズバンド。アート・リンゼイやマーク・リボーが参加。ノーウェーブシーンの周辺で活動した。
ジョジョ・メイヤー:スイス生まれでNYを拠点に活動するドラマー。ジャズ、フュージョン、ドラムンベースといったジャンルを横断するスタイルが特徴。人力ドラムンベースの草分けNerveとしても活動していた。
デイヴィッド・フュージンスキー:ジャズ、ロックなどジャンルを問わず活動するギタリスト。
YBO2:雑誌『FOOL’S MATE』の創刊編集長にして、インディーズレーベル「トランス・レコード」を主宰していた北村昌士を中心に結成されたロックバンド。サイケデリックかつプログレッシブな音楽性と、北村の文学的で思弁的な歌詞が特徴。
四人囃子;プロデューサー・佐久間正英が在籍していたことでも知られる日本のプログレッシブロックバンド。
ウォーカー・ブラザーズ:白人によるブルース、いわゆる「ブルーアイドソウル」に分類されるバンド。1960年代には全英チャートで1位になるなど絶大な人気を誇った。
スコット・ウォーカー:ウォーカー・ブラザーズ出身のシンガーソングライター。1960年代にはソロアルバムでも全英チャート1位になるなど大成功をおさめ、のちにデヴィッド・ボウイやトム・ヨークらから深いリスペクトを受ける。レオス・カラックス監督『ポーラX』の音楽を手掛けた。
SUNN O))):ドゥームメタルバンド。壮絶な轟音で知られる。
TR909:ローランドが1980年代に発表したドラムマシン。発売当初は高価すぎるのと、技術的限界のために敬遠された。人気が振るわず叩き売りされた結果、中古品を安く手に入れた人々によってデトロイトテクノなどで多用されることになり、現在は独特の音色を持つ名機として高く評価されている。
アタリ:アメリカのゲーム会社。1980年代にMIDIを標準装備したパソコンを発売するなど、ミュージシャンから高く評価されていた。
ウェイン・ショーター:ジャズのサキソフォン奏者。アート・ブレイキー、マイルス・デイヴィスらと活動後、ウェザー・リポートを結成。世界的にもっとも高く評価されているジャズミュージシャンの1人。
ダンス・ソサエティ:ポジティヴ・パンクの代表的なバンドのひとつ。セックス・ギャング・チルドレンやサザン・デス・カルトらと並び称される。デイヴィッド・リンチ監督『イレイザーヘッド』で楽曲が使用されたことでも知られる。
ザ・カルト:ポジティブ・パンクの代表的バンドのひとつ。ダンス・ソサエティやセックス・ギャング・チルドレンと並び称されるサザン・デス・カルトが変更した名義(ザ・デス・カルト時代もあり)。
G-Schmitt:日本のバンド。「ゲーシュミット」と読む。ヴォーカルのSYOKOの幻想的で美しいルックスと歌詞世界が特徴。
コップ・シュート・コップ:アメリカのインダストリアルバンド。楽曲『Room 429』がインダストリアルメタルバンドStrapping Young Ladのセカンドアルバム『City』でカバーされたり、「Migration」が2005年にNikeのテレビCMで使用された。
Firewater:1990年代にNYで結成されたロックバンド。ジプシー音楽やクレズマー、キャバレー音楽、スカ、フォークその他に影響を受けた独特のロックサウンドが特徴。
Flux Information Sciences:ポルトガル生まれブラジル育ちのトリスタン・ベシェットと、マダガスカル生まれフランス育ちのセバスチャン・ブラウルトを中心とするノイズ・ロック、インダストリアルバンド。フィータスやスーサイドや、ノーウェイブの影響を受けた、よりソリッドな音楽性が特徴。
Services:エレクトロ・クラッシュに分類されるダンサブルで攻撃的なサウンドが特徴のユニット。
書上奈朋子:シンガーソングライター。相良奈美とのジ・エキセントリック・オベラとしても活動中。その他、アンサンブル・プラネタ、Wabby%Sabbian、turanなどのプロジェクトもある。
ハイエイタス・カイヨーテ:オーストラリア出身のソウルバンド。フューチャーソウルにも分類される。
クリスタ・ベル:アメリカの歌手・女優・モデル。ちなみに女優としてはサモハンキンポー監督でジェット・リーが主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲』に出演しインディアン役を演じている。
Tricot:日本の女性3人組バンド。浮遊感のある世界観と変拍子を多用するタイトな演奏が特徴。
……ここまでの音源をいろいろ聞いたうえでもう一度このインタビューを読むと、印象がいろいろと変わってくるかも知れません。どうでしょうか?
20年ぶりのソロアルバム発表! MORRIEが語る、自身の音楽的遍歴とNY前衛シーン - Real Sound|リアルサウンド
http://realsound.jp/2015/01/post-2296.html
div>