ギリシャ議会選 最大野党圧勝の見通し1月26日 11時52分
ギリシャの議会選挙で、財政緊縮策の見直しを公約に掲げる最大野党「急進左派連合」は半数近い議席を獲得して圧勝する見通しで、ツィプラス党首は「ギリシャ国民は歴史を書き換えた」と述べて、勝利を宣言をしました。
25日に行われたギリシャの議会選挙は、最新の選挙管理委員会の発表で、開票率は95.86%、得票率は最大野党の「急進左派連合」が36.36%と最も多く、サマラス首相率いる新民主主義党を9ポイント近く引き離しています。
ギリシャの選挙制度では第1党に50議席が上積みされる仕組みになっていて、これに基づき急進左派連合は定数の半数近い149議席を獲得し、圧勝する見通しです。
これを受けて急進左派連合のツィプラス党首は首都アテネ市内で大勢の支持者の前に姿を見せ、「苦しい5年を経てギリシャ国民はきょう歴史を書き換えた。緊縮策のせいで国民が強いられている厳しい暮らしを過去のものにする」と述べて、勝利を宣言しました。
急進左派連合は緊縮策の見直しを公約に掲げ、EU=ヨーロッパ連合などに債務の削減を求めると訴えてきましたが、ツィプラス党首は「あすからは新しい時代が始まり、われわれはEUと債務を減らすために話し合う」と述べ、公約を実行に移す決意を述べました。
ただ金融支援を巡るEUなどとの協議が難航すれば金融市場の混乱を招きかねないだけに、新政権が交渉にどう臨むのか、市場や各国が注目しています。
欧州各国の受け止めは
ギリシャの議会選挙で最大野党の「急進左派連合」が圧勝する見通しになったことを受けて、フランスのオランド大統領は声明を発表し、「両国の経済成長とユーロ圏の安定のために緊密に連携していきたい。それは私たちが共有している価値観の核心だ」として歓迎しました。
一方、イギリスのキャメロン首相は、みずからのツイッターを通じてコメントし、「ヨーロッパ経済に不確実さが広がりかねない。イギリスは自国の経済が安定するよう政策を貫く」として、ギリシャの選挙結果が地域経済全体に与える影響について警戒感を示しました。