考察:四条貴音は何者なのか?
彼女がミステリアスなのは決してアイドルとしてのキャラ付けなどではなく、実際に謎が多い。
話し言葉は古風であり、横文字には馴染みがないのか発音が妙な感じになることもしばしば。
どこか浮世離れしており、自分の事については多く語ろうとしない。また銀髪の地毛を持つなど「本当に日本人なのか疑わしい」女の子なのである。
加えてアイマスSPの黒井社長は、貴音が「本物の王位継承権を持つプリンセス」であることを彼女のじいや伝いに聞いたと証言している。
そしてこれはトンデモな仮説ではあるのだが、貴音の正体は宇宙人かもしれない事が仄めかされる描写が本編ゲームにはちょくちょくある。
『アイドルマスターSP』や『アイドルマスター2』をプレイすると分かるのだが、貴音宇宙人説を裏付ける様々な伏線が散りばめられているのだ。
そもそも貴音は幼い頃に両親と死に別れ、「古都にある四条のおじとおばの家に居候していた」人間である。そして四条家に住むじいやに厳しく教育されていたのだとか。
ただしアイドル活動を始めてからはまた別の場所で一人暮らしをしているらしい。
「古都」や「四条家」の所在地は明言はされていないが、黒井社長は貴音以外の四条家の人間とも接触しており、そもそも四条家自体が作中では名家として有名な描写がなされているため、外界から遮断されている場所というわけではなく、少なくとも日本のどこかにあることは確かなようである。
※ちなみにアニマスで「京都」説は否定された。
また、SP伊織シナリオや雪歩シナリオを進めていくと、マスコミの間では「貴音は四条家の出ではなく養子である」「四条家当主の火遊びの結果生まれた子」といった噂が流れている事が判明する。
この後貴音は四条の家を汚されたことに怒り、すぐに雪歩が実家の名前を出して悪徳記者を追い払ってしまったため噂の真偽は不明なまま終わるのだが、SP伊織シナリオを進めてアイドルアルティメイト決勝まで到達すると、貴音との決戦時、彼女は自身の苗字でもある四条家ではなく「ヤーネフェルト」という家の名前を持ち出す一幕が拝める。
謎が多い貴音だが、彼女が本当は四条家の人間でない事だけは明確に描写されているのである。
しかし伊織はこの謎発言をスルー Pも疑問は持つが追求しようとはしなかった
とりあえず貴音が四条家の人間ではない点には触れたので、次は「貴音が宇宙人」である可能性の根拠に触れていく。
SP時代の貴音は、「散り散りになった亡国の民に自分の存在を知らせて希望の灯を燈すため」にトップアイドルを目指している。
そして何故か貴音は故郷に思いを馳せる際には月を、そして宇宙を見据えることが多いのだ。
※たまにごっちゃにしている人を見かけるが、前述したゲーム中の描写から貴音の故郷は四条家のある古都では無い……はずなのだが、アニマス19話では「故郷は古い都」という発言がある。公式でもごっちゃになっているのか、単に四条家も自分にとっては故郷であるという意味の発言なのかは不明。
貴音関連のコミュでは、彼女が「別の惑星」に行く方法を模索している描写が要所要所に盛り込まれている。
SPのコミュでは『スペースシップの大冒険』というアトラクションがある遊園地にPと一緒に行き、単なる娯楽施設であった事にガッカリしたり、同作エンディングで故郷に帰ろうとするも「旅立つために必要なロケットの準備に時間がかかる」事を知って765プロでアイドル活動を続けたり、OFAコミュでは隕石のかけらが落下したと知るや否やいてもたってもいられなくなり探しに飛び出す描写がある。
理由は不明だが、このかけらを集めることも貴音の宿命と関係があるらしい。
また、アイマス2コミュ「声のお仕事」では宇宙に住む生命体に強い興味を示している事が明かされている。
この他にも2コミュでは自身の出身について「外国人かもしれないし、そうでないかもしれない」と曖昧に答えたり、OFAコミュでは相手に攻撃できる超能力を持っている(かのような1シーン)があるなど、いよいよもって人外描写が増えてきている。
これらの貴音の奇行や意味不明な発言は決して冗談ではなく本気で行っている事から、ゲームをプレイしたPの間で「貴音の正体は宇宙人である」と言われるに至ったのである。
というかこれで宇宙人じゃなかったら貴音はただのお花畑な女の子だ。超能力持ちの説明も付かない。
が、ゲームで明かされる設定はせいぜいここまで。
他の細々とした設定は下記のリンクに纏めているので気になる方はどうぞ(過去記事宣伝)。
【765プロアイドル+α 設定メモ #四条貴音】
SP、2、アニメアイドルマスター、シャイニーフェスタ、シンデレラガールズ、ミリオンライブ、シャイニーTV、OFAに各CDと貴音が出演する作品は数多いが、肝心要の設定はず~っと謎なままなため、結局貴音がどういう人物なのかは未だに判明していないのである。
謎設定が多いうえに貴音自身も思考が掴みづらいキャラなため、ファンの間でもうまく貴音というキャラを語れないのが現状なのだ。
今や公式ですらミステリアスな設定を積み上げすぎてよく分からないキャラになっている。
仕方ないからとりあえず食い気キャラとして描かれ続けるお姫ちん
ちひゃーの尻を撫でて恍惚とするお姫ちん
兎にも角にもこうなるとアイマス関連の資料を漁るだけでは答えは出ない。
そこで我々は別の方向性から貴音の正体を探ることにした。
ナムコのゲームタイトルは世界観を共有する事が多々ある。
アイドルマスターがかつてナムコがリリースしたアクションゲーム『ワンダーモモ』と実は世界観を共有しているという設定は一部では有名だ。
アケマス攻略本『アイドルマスター プラチナアルバム』より
高木順一朗社長はワンダーモモこと神田桃のプロデューサーだったのだ
しかし本当に世界観を共有している作品は『ワンダーモモ』だけなのだろうか?
貴音のような人間そっくりの宇宙人が登場するナムコのゲームタイトルが存在するのではないだろうか?
様々なナムコのゲームタイトルを調べた結果、我々はこのような衝撃的な結論に達した。
結論:貴音の正体は宇宙種族サディーン
いきなりよく分からない宇宙人の名前が出てきて困惑した方も多いと思われるので解説する。
サディーンとは、ナムコが1999年に発売したSTG『スターイクシオン』に登場する謎の高度知的生命体である。
そしてこのサディーンは、人類と似た高度文明を持つ種族であり、その外見も人間とよく似ている宇宙人なのだ。
ナムコのゲームタイトルは数多いが、人間とよく似た外見を持つという設定が与えられた宇宙人は2015年現在このサディーン族くらいなのである。
また、この作品『スターイクシオン』は、様々なナムコのゲームタイトルを包括するUGSFシリーズの一つである。
少しばかり話が脇道にそれるが、ナムコゲーの重要設定であるUGSFシリーズについても軽く解説する。
UGSFとは『United Galaxy Space Force:銀河連邦宇宙軍)』の略称であり、宇宙を舞台にしたナムコのゲームに共通して登場する軍隊である。
そして、宇宙を舞台とした様々なナムコのゲーム作品を総称してUGSFシリーズと呼んでおり、その世界観は現在も広がり続けている。
ナムコは下記のような公式サイトを開設して詳しい年表も公開されているため、興味のある方は是非一読してもらいたい。
【UGSF HISTORY】
『ギャラガ』、『スターラスター』などといったレトロゲームだけでなく、『エースコンバット』や『ミスタードリラー』、果ては『みずいろブラッド』に『しんぐんデストロ~イ!』といった作品まで公式に組み込まれているあたりに世界観の広さが伺えるだろう。
そしてここからが重要なのだが、UGSFシリーズは宇宙が舞台ではない一見無関係そうなゲーム作品でもシリーズとリンクしている事があるのだ。
本来繋がりようがないファンタジーな世界観のRPG『テイルズ オブ エターニア』にはメルニクス語なる言語が登場するのだが、UGSFシリーズに属するフラッシュノベル『New Space Order -Link of Life-』にてこの言語が再登場を果たした。
UGSF関連作品によく登場する政府連合や銀河連邦を裏で支配し続ける企業「ゼネラルリソース社」は、なんと現実的な世界観のリッジレーサーシリーズやスマッシュコート2にも存在しており、コース上に看板が設置されている。しかもリッジレーサー7のニトロシステムの供給元もこの企業である。
また少々分かりづらいが、『R4』のOPではリッジレーサーシリーズのレースクイーン、永瀬麗子の部屋にUGSFのポスターが貼られている。
『ギャラクシアン3』のドラグーン UGSFの保有する戦闘機
UGSFが設定されたのは2090年であり、R4の1999年頃の時代設定とは大きく矛盾するのだが、前述したテイルズのような世界でも設定を共有していることを考えると、並行世界でも本来とは異なる歴史でUGSFが存在するという事が考えられる。
そして、この永瀬麗子はアイマス世界にも登場する人物である。
リッジレーサーシリーズのレースクイーン、永瀬麗子はUGSFとアイドルマスターを繋ぐ橋渡し役を務めていたのだ。
アイマスがUGSFシリーズと繋がっており、かつ貴音が本当に宇宙人だとするならば、その正体はサディーン族以外にあり得ない。
貴音がアイドルをしている理由は「苦難に耐える故郷の民に希望を与える」ためである。
どのような状態かは分からないが、貴音の故郷であるサディーン族の星は厳しい生活を強いられているようなのだ。
前述した貴音の宇宙に住む生命体に強い興味を示す描写も、サディーン族が生き残りをかけ、きたるべき日に向けて侵略戦争を始めるための下準備だったのではないだろうか。
しかし地球に思い入れができ、この場所で多くの大切な友人も得た貴音。
答えを掴むことが出来ずほっとする描写も、こう考えると色々意味深に思える。
アイマス2では冬馬との初遭遇イベントで、アイドルがうっかりスタジオの廊下で道を塞いでしまっていた事を冬馬に謝る1シーンがあるのだが、その中で唯一貴音だけが冬馬に食ってかかる。
まさか逆ギレされると思わなかった冬馬はこの後ビビリにビビる
アニマスにもあった冬馬が貴音を苦手とする描写の初出はここから
2では貴音が短気で喧嘩っ早い性格として描かれているのだが、これは元来戦闘種族でもあるサディーンの特性が現れているのかもしれない。
つまり、まとめるとこうだ。
何らかの事件が起こり、全ての民が苦しい生活を強いられている宇宙人サディーン族の住む星に生まれたヤーネフェルト家の幼い少女(貴音)は、その事件で両親と死に別れ、「サディーン族の希望の象徴になれ」という重すぎる使命を言い渡されて地球にやってきた。
どのような手段で地球を訪れたのかは不明だが、貴音の帰りたくても帰れない描写を見るに片道切符の移動手段だったらしい。
そしてヤーネフェルトの事情を知っている古都の四条の家に拾われた。
ヤーネフェルト家の少女は『四条貴音』という名前を貰い、四条家のおじとおば、そして親代わりであるじいやから厳しい教育を受けて育てられる。
その後成長した貴音は黒井社長からアイドルのスカウトを受け、「故郷の民に希望を与える」手段として、古都を離れてトップアイドルを志す事に決めたのである。
SPや2での「故郷の民は世界に散り散りになった」という描写から、サディーン族は自分の星以外にも点在しているようだ。
アイマス2以降は最初から765プロ所属であり、貴音の妹が故郷の象徴となっている並行世界ではあるが、アイドルを志した理由自体は同じである。
※ただし2では一年前に妹が故郷の象徴になってしまい、SPの時のようなトップアイドルを目指す理由が途中で無くなってしまったため、「かつての目的を失い何とはなしに(トップアイドルを)目指していた」と2の貴音は語っている。作中でこの大きな悩みから吹っ切れた後はPのためにアイドル活動をするように。
しかしヤーネフェルトがサディーン族の星を救えなかったのか、はたまた救ったとしても別の要因でサディーン族の星が新たな危機に陥ったのかは定かではないが、アイマスの世界から数百年後の2459年、「サディーン」は地球人類への侵攻を開始するのであった……
そう、『アイドルマスター』とは単なるアイドルのプロデュースゲームではなく、UGSF史に組み込まれた壮大なスペースオペラの序章だったのだ。
ちなみに、UGSF史2660年には銀河連邦勢力下の各恒星間が『無機物転送エネルギーチューブ“スターライン”』なるもので結ばれているのだが、アイマスにはこの未来を予期したかのような楽曲が存在する。
【双海亜美/真美 (下田麻美) 黎明スターライン 歌詞】
もちろん、アイマスのストーリーから数百年後に星間戦争に発展する展開はどうにも想像しにくいという声もあるだろう。
だが、アイドルマスターは作品ごとに様々な並行世界が用意されている。
何かがキッカケでスターイクシオンの展開に繋がってしまうアイマス世界が存在していたとしても不思議ではない。
既にアイドルがロボットを操縦したり、不思議生物が数多く存在して更には『鉄拳』や『ゴッドイーター』とリンクしているアイマス世界が公式に用意されているくらいなのだからなんらおかしくはないのだ。
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