2015年1月26日(月)

“孤独なバカ”をリーダーに変えるフォロワーの力とは

達人に学ぶ「伝わる技術」 第47回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

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上野陽子=文
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孤独な男が、リーダーに仕立てられるとき

ときに、今まで存在しなかったことに挑戦したり、思い切った行動を起こそうとしたりすると、人は冷ややかな目で眺めてバカにすらするかもしれない。ところが、その人物を追随する人が現れて思想が広がることで、今までマイナーだった存在が一気に先頭に立つ人間に変わっていくことがある。

デレク・シヴァース氏は、TEDのプレゼンでいかにしてリーダーが生まれ、社会が動いていくかをつぶさに解説してくれている。使われた映像は、心地よさげな広場で裸でおどけて踊るひとりの男性に、だんだんと人が追随していくふざけたもの。しかし実は、これこそが端的にムーブメントの巻き起こり方を表しているという。

映像はこんな具合だ。広い公園か原っぱで、大勢の人たちが気ままにくつろいでいる。

1.<ひとりの男性が裸でデタラメに踊り出し、周りは笑って見ている>
2.<ひとりのフォロワー(追随者)が同調して、一緒に踊り始める>
3.<そのフォロワーが、最初の裸の男性と同じように踊り周りに見せる>
4.<さらに2人目のフォロワーが加わることで、次々とほかの人も踊り出す。>
5.<このとき、最初に踊り出した裸の男は一緒に踊る人を対等に扱う。そして、フォロワーが次々と友達に声をかけていくことで、みなが一緒に踊り出す>
6.<たったひとりで踊っていた裸の男性を中心に、大勢の人間が加わり取り巻いていく。加わらない方がむしろバカにされる状態になりそうな勢いになる>

裸になって気持ちよさそうにふざけるひとりの男性に、ひとりふたりと追随者が出て、最後は一大ムーブメントかのように、多くの人を巻き込む動きが起こっていく……。こんな日常の一コマを、シヴァース氏は社会運動の起こりやリーダーシップが効力を発揮する基本的な流れと同じだとしている。では、ここに見られるおどけた風景を、社会的ムーブメントとしてとらえると、どうなるかを見ていこう。

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