米国では国を挙げて、食品に葉酸を加える対策を進めてきた。結果として、子どもの先天病で脊髄の形成異常である「神経管欠損症(NTD)」を未然に防ぐことに成功したと報告した。
米国疾病管理センター(CDC)がこの成果をまとめ、モービディティ・アンド・モータリティ・ウィークリー・レポート2015年1月号で報告した。
年間1300人の発症を予防
1992年、米国では将来妊娠の可能性のあるすべての女性に対し、1日400μg(μは100万分の1)の葉酸を摂取するよう推奨し、子どもの神経管欠損症などの先天性障害の予防への介入を始めた。
1998年からはパンや穀類に100g当たり140μgの葉酸を強制的に加え、これが大きな成果を挙げた。
報告では1999年から2011年までの調査をまとめている。
それによると、1998年の強制的葉酸摂取が始まるとすぐに、出生時の神経管欠損症の発症が低下し始めた。年間約1300人の発症を未然に防いだと考えられた。
この数字はその後も維持された。
この結果から、強制的葉酸摂取は、効果的と指摘している。
さらに補給を続ける
しかしながら、ヒスパニック系の女性については、葉酸摂取が低い状態が続いているのが問題となっている。
さらに積極的に対策を進めると、米国全体での発症をさらに抑えることができるという。
葉酸は文字通り野菜や果物から取ることができる。日本では海外と比べて充足していると見られるが、参考にしてよいだろう。
文献情報
Williams J et al. Updated estimates of neural tube defects prevented by mandatory folic Acid fortification – United States, 1995-2011. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2015 ;64:1-5.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25590678
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