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土用の丑 冬需要喚起、小売業熱く

(2015/1/25 08:06)
冬の土用の丑をPRする看板を設置したウナギの特設売り場=22日、藤枝市の西友南新屋店

 25日は、冬の土用の丑(うし)の日。寒い時季にウナギを食べる習慣が昔はあったという。「スタミナを付けて風邪を吹き飛ばし、受験を乗り切ろう」。静岡県内でも、スーパーマーケットなどが国産養殖ウナギの特別セールで、冬季の需要拡大を図っている。

◇不漁で縮む市場 養殖業界も期待
 県内で12店舗を展開する「西友」は今年初めて、「冬のうなぎフェア」を1月上旬から開催中。消費税増税で各種食料品の値上げが続く中、かば焼き1匹を通常より約100円安い1497円(税抜き)で販売する。
 藤枝市の店舗の売り場を夫婦で訪れた同市の飲食業の女性(64)は「冬にも土用の丑の日があるとは」と驚いた様子。「ウナギは今や“高値”の花だが、栄養も付くし、たまには冬に食べるのもいい」と商品を選んだ。
 同社のかば焼きには、静岡、鹿児島、宮崎各県の養殖池で育ち、生産履歴を確認したニホンウナギのみを使用しているという。絶滅の恐れがある野生動物を保護するワシントン条約の対象になったヨーロッパウナギは取り扱っていない。同社は「政府や国際機関の資源保護の方針を注視し、流通ルート管理や法令順守を徹底している」と説明する。
 ユーコープも25日の1日限定で、県内店舗などで国産養殖ニホンウナギのかば焼きを1580円(税抜き)で特売する。担当者は「冬の土用は知名度が低い。ウナギの栄養価と併せ、売り場の看板でウナギの情報を発信したい」と話す。
 今回の動きの背景には、消費者のウナギ離れへの懸念がある。数年前までは夏以外にも底堅い需要があったが、近年の稚魚の不漁による加工品の価格上昇で、「購入が夏季に偏る傾向が強まっている」と県内流通関係者は指摘する。
 ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されて初の冬商戦。ウナギ資源保護と需要喚起を両にらみにする流通大手の動きを、養殖業界は注視している。
 静岡うなぎ漁協(吉田町)の白石嘉男組合長は「夏以外にもウナギが消費者に注目してもらえるのはありがたい」と歓迎。「年間を通じて食べてもらうことが、養殖業界の出荷や経営の安定化につながる」と年間での消費の平準化に期待する。

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