しんでれ論

アイドルマスターシンデレラガールズについて語ります。

シンデレラガールズ第3話、武内Pのまとめ:寡黙な司令官

このアニメの影の主役とも言うべき、武内P。
彼は、アイドルを裏から支える寡黙な司令官的存在です。

この記事では、第3話での武内P出演シーンを確認しながら、彼の心情や活躍に迫ってみたいと思います。

3人を陰から見守る武内P

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武内Pの登場シーン。今回、前半の作画がやや不安定なせいもあるためか、いつも以上に顔が怖い気がします。

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レッスン光景を見守る武内P。基本的に、彼の立ち位置は「アイドルの左側」です。
詳しくは『シンデレラガールズ第1話、武内Pと凛の立ち位置:武内Pの静かな勇気』という記事に書いたのですが、アイドルの左側は「陰のポジション」です。武内Pはアイドルたちを陰から見守ることに徹します。(そして、必要なときは、彼なりの静かな勇気を持って、アイドルの右側に立ちアクションを起こします)

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レッスンが終わった後の3人を見つめるときも、彼の立ち位置は左側(=陰)です。
ここで、一旦武内Pをアップで映すカットが入り、場面転換に繋がります。

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場面は変わって、346プロのプロジェクトルーム。ここでも、武内Pの位置は「アイドル(の写真)の左側」です。
(※ちなみにこのプロフィールに乗っている「自己アピール」欄を拡大して解読すると

  • 島村卯月:夢を叶えるために精一杯がんばります!よろしくお願いします。
  • 渋谷凛:よろしくお願いします。
  • 本田未央:元気に明るく、トップアイドル目指……
となっています)

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武内Pとちひろさんの対話。
ちひろ「バックダンサーの、あの子たちですか?」
武内P「はい……。もちろん、みんな資質はあると思いますが、正直、まだ早いように思えて」
ちひろ「そうかもしれません。ただ、どちらにせよ彼女たちにとって良い経験になるんじゃないですか」
武内P「……」

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ここで、武内Pは返答をしません。
ただ黙って、外の景色を見ます。

立ち位置を変える武内P

武内Pはちひろさんの言葉に返答をしませんでしたが、ここで彼は決心をします。迷いを捨て、3人のことを信じることにしたのです。

その決心の強さは、彼の立ち位置の変化に表れています。

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この場面以降、武内Pは3人を画面の右側から見守ることになります。第1話で確認したように、彼がアイドルの右側に立ち位置を変えるのは彼なりの静かな勇気を出して、アイドルにはたらきかけるときでした。

このときの武内Pはアイドルたちに直接何かはたらきかけることはしていませんが、不安を乗り越えて、3人を見守る決心を固めるという重大な決断を下した後です。
最初のレッスンシーンで不安を抱きながら左側から3人を見つめていた武内Pと、今の武内Pとでは、その視線が担う意味が全く異なります。
今の彼は、自らの意志で彼女たち3人にステージを託しているのです。

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何日か経ったあとのレッスンシーンですが、ここでも同様の構図が用いられています。

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そしてレッスン最終日。3人の努力と成長を見届けた彼は、再び彼女たちの左側という定位置に戻ります。
ここは武内Pの心境も変化しているのでしょうが、3人が「武内Pを安心させられるほど、努力と成長をした」ということの方が重要かもしれません。

このように3人を見守る武内Pの心の内の移り変わりが、彼の立ち位置の変化という形で表現されていることがわかります。

そしてライブ会場へ

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会場入りした3人と武内P。ここでも武内Pの立ち位置は左側です。
(※ここの時計が12時を越えていることについては、こちらこちらを参照)

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凛「ライブ前の楽屋って、こんな風なんだ」
卯月「最初はびっくりしますよね。わたし、以前物販のお手伝いをさせていただい……」

会話を遮って武内Pが登場する場面。凛と卯月の間に位置することで、「2人の会話を遮る」ことを示している構図です。
なので、ここの立ち位置の変化は心情の変化とはまた違ったものです。
(※この場面の会話は、第1話のアバンと繋がっているものと思われます)

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出演者との顔合わせ。ここでも武内Pは左側という立ち位置を保っています。

このように、ライブ会場に入っても武内Pの基本スタンスは「陰からアイドルを見守る」というものです。

武内Pの機転

ハードなレッスンを経て大きく成長したニュージェネの3人ですが、やってきたのは別世界。
会場独特の空気に飲まれ、3人は大きな壁にぶつかってしまいます。

そんな3人をアシストしたのは、やはり武内Pでした。

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画面も暗く、時間も短いこのシーン。あまりにさりげなく挿入されるので、見落としてしまいそうなシーンなんですが、武内Pと美穂、茜が相談をしています。
この後、美穂と茜のアドバイスによって3人が不安と緊張を克服するのですが、その立役者は武内Pだったのです。
しかも、この相談シーンでの武内Pの立ち位置はアイドルよりわずかに右。武内Pにとってアイドルの右側とは、一歩踏み込んだ領域です。
さりげなく先輩アイドルに相談をし、3人の緊張を和らげる指示を出す。それは、陰から一歩足を踏み出し、自分なりに心を決めてのアクションなのです。

ここに、武内Pのパーソナリティがよく表れています。普段は引いているけど、出るときは出る。しかし、決して出すぎない。担当アイドルにアドバイスをするときも、自分が直接伝えるのではなく、より適した誰かに託す(美穂と茜の2人は、この場に適任すぎるほど適任でした)。裏方のプロフェッショナルとでも言いましょうか、そんな特性が彼にはあります。

ここで思い出すのが第2話のこのシーン。

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ここでも、壁にぶつかった3人に対して、武内Pが解決策をカメラマンに提示→カメラマンが3人に指示を出すことで壁を乗り越える、という流れでした。
あくまで武内Pは直接アイドルに指示を出すことはしない。徹底的に裏方に回っているのです。

武内Pの語りかけ

このように、武内Pは直接アイドルに語りかけることを基本的にしません。
そんな彼だからこそ、直接アイドルに語りかける場面は非常に胸に来るものがありますし、言葉には重みがあります。

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武内P「いいステージでした」

たったこれだけの言葉。それがここまで胸を打つのは、それを言ったのが武内Pだからです。

武内Pがアイドルの右側に立ち、ほんの少しだけ表情を崩して、卯月たちに伝えた一言。普段、左側に立ち続け、表情を崩さず、喋らない彼だからこそ、たった一言でこれほどの感動を表現できるのです。

ここの武内P、舞台裏でさりげなく3人をアシストしたときと並んで、大変GJです。言葉少なにして、伝えるべきことを伝えきっている。ほんと、武内P素晴らしいです。

その他の武内P

主に武内Pの立ち位置を中心にしながら彼の心情やはたらきを振り返ってみたのですが、ここまでで紹介しきれなかった武内Pの細かいシーンはたくさんあります。
せっかくなので挙げていきましょう。

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凛の歌声を聞いて表情を変える武内P。
今後の凛のアイドル活動への伏線となりそうな一コマです。

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舞台裏にて。懐中電灯でニュージェネ3人の足下を照らす武内P。
陰からサポートする武内Pらしさがよく表れた場面です。

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無事、舞台への飛び出し(ポップアップ)が成功して安堵の息を吐く武内P。
彼もすごく緊張していたのだなということがここでよく伝わってきます。

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舞台の成功を見守る武内Pなんですが、舞台を確認した後、今度は右上を覗き上げるように視線を変えるんですね。
これは、おそらく客席2Fにいる他のシンデレラプロジェクトのメンバーの様子も確認しているんだと思います。このあたり、武内Pのマメさがよく表れていますし、演出も細かいところまで配慮が行き届いています。

以上、第3話の武内Pまとめでした。
こうして振り返ってみると、人気が出るのも頷けますね。ほんと魅力的なプロデューサーです。