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発熱は病気を治す
大事なしくみ!
お母さん間違えないで!


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 ひとは地球上で生活を営む哺乳動物の一員にすぎません。ひと以外の哺乳動物には医者やクスリはありませんから、病気に対してはすべて自分で対応しています。ひとも、本来は自分自身で病気に対応すべきです。病気の対応の方法は大きく分けて二つあります。
 一つは病気の原因になるようなものをできるだけ避けて、体内にとり入れないようにすることです。これはどなたも心がけておられることだと思います。 もう一つは、体内に入った病気の原因になるものをなるべく早く体外に排出することです。昭和20年までは、ごくふつうに行われていた排出機構(デトックス)が終戦後失われてしまったために、病気が治りにくくなっていることへの配慮が足りないようです。それが医者への受診機会を増やし、医療費の高騰を招いています。
 アロスとは奇妙なとか風変わりなという意味を持っています。エルゴンは反応です。つまり、アレルギーとは、奇妙な反応で、自然界にはもともとはない病気なのです。
 一生の間で、こうした排出と摂取の対応がもっとも適切に行われているのは、実は人生のスタートである出産時なのです。赤ちゃんは、生まれるとすぐに産声を挙げて肺の中の羊水を出してから外の空気を吸います。胎便を出してから母乳を飲みます。  ひとにとって、体内に溜ったものを体外に出すことの方が、体外ものを身体の中にとり入れることより優先するのです。
 成長とともに、この正しい対応が逆になってしまってはいないでしょうか。食べものひとつをとっても、かっては腹八分目として少食を旨としていました。身体に入った食べものを出すために、朝起きると、まず排便をすませてから、朝の食卓を囲んでいました。

 このことは、病気のもとになる様々な原因についてもいえることで、病気の原因になったものを身体の外にだすこと(デトックス)が非常に重要になります。
 デトックスには様々な方法があります。発熱・下痢・嘔吐(おうと)・咳嗽(がいそう)・喘鳴(ぜいめい)・鼻漏(びろう)・耳漏(じろう)など、これらはすべて代表的な輩出機構であり、これらの症状の時には原則として医者の門を叩く必要はないのです。
 とりわけ排出機構が高いのが発熱です。とくに感染症の場合には発熱がもっとも治療に役立つことをしっかりと知っておいていただきたいのです。細菌・ウィルスなどの病原体は低温に強く高温に弱いからです。
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 但し、滅多にないことですが、発熱で医者にかからなければならない場合もあります。
 ひとつは体温が高いのに身体に熱感がない時です。病気を治すために発熱しているのですが、発熱が自分自身にとって負担になる時には血管を広げて放熱することによって体温を調整しようとします。
 体温が高いのに熱感がない時は自分で体温を調整できなくなっているのです。病気が重篤なものなのか、あるいは体温が高くても身体が冷たい時には医者にかからなくてはなりません。
 私はこのことに関して、発熱の際に「身体がければ青信号(心配なし)ければ赤信号(医者にかかる必要がある)」と患者さんに話しています。

 身体が赤い時でも、体温が42度を超えた時に受診する必要があります。体温が40度を超えると、自分もつらくなりますから間脳にある体温調節中枢からそろそろ体温を下げようという命令が出ます。

 そのため42度に達する前に体温が下がります。42度を超えるということは、脳から命令が出なくなる。つまり脳に障害が起きているのですから受診が必要になります。
 逆に、感冒やインフルエンザなどで体温が高くなってもそのために脳がおかしくなることはありません。この原因と結果をはき違えて、発熱のために安易に医者にかかることのないようにしていただきたいものです。
 もちろん、体温が高い時に自宅で放置しておいてはならないことはいうまでもありません。体調を整えるために発熱しているのですが、それによって何が身体から失われているかを知り、それを補わなければなりません。
 まずは汗によって水分が余分に失われていますから水を十分に飲むことです。汗には水分ばかりでなく、ミネラルも含まれています。したがって、それらを多く含んだ野菜・海草類もたっぷりとりましょう。食欲が落ちている時には、ジュースやスープにしてもよいと思います。

 それ以前に、汗がよく出せるように薄着(あるいは裸)にすることです。よく、汗をかかせるためにといって、厚着にしたり寝具を増やす方がありますが、これは全くの逆効果になります。汗腺がふさがれて次の汗が出にくくなってしまうからです。
 いずれにせよ、発熱は病気に対応するためのもっともよい手段であることを弁(わきま)えて、安易に医者にかからないようにしていただきたいと願っております。
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