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GEEK ACADEMY 先端を走る技を、ギークに学ぶ

掲載日:2015.1.26
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“本当はすごいエンタープライズIT”について話そう

ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 漆原茂 氏

1987年、東京大学工学部計数工学科卒業。同年沖電気工業株式会社入社。日本市場におけるTUXEDO事業立ち上げ、X/Open Transaction Processing Working Group主要メンバーやWebLogicTM上のEJBコンポーネント開発など、その他大規模エンタープライズシステムの構築に多数従事。2000年、ウルシステムズ株式会社創業。


エンタープライズITといえば保守的というイメージが根強い。だが漆原茂氏は、最先端のエンタープライズITは「本当はすごい」と強調する。大きなビジネスの根幹に関わるシステムを最新ITを投入して作り上げる仕事は、「ギークの腕の見せ所」だと語る。

顧客企業のビジネスの根幹を支援する

──ウルシステムズは「戦略的ITコンサルティング」を掲げています。そもそも「戦略的IT」とは何でしょうか。
戦略的ITとは、ビジネスに関わるIT、売り上げや利益を上げるためのITです。その構築をお手伝いするのが戦略的ITコンサルティングです。この分野は、大きなビジネスの核心に迫るシステムですから、とてもやりがいもあります。
例えば私たちがお手伝いしたANA(全日本空輸)さんのインターネット予約サイトは年間何千億円という売り上げがあります。これは、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してきた日本のソーシャルゲーム市場規模をも上回る数字です。証券会社のデリバティブ取引のシステムも毎日数百億円のお金が動いている。それだけのビジネスをシステムが支えているということです。
──いわゆる、エンタープライズITの分野ですね。ただ、Webサービスやモバイルアプリに比べると、どうしても保守的なイメージが強い。
そうですよね。従来、情報システム構築を保守的に進める風潮はあったと思います。しかし状況は変わっています。最近は新しい技術を取り入れるスピードがすさまじい。バッチ処理からリアルタイム処理へ、インメモリー技術の活用、クラウドで作る超分散型システム、リッチなUIなど、大きな変革が起きています。ここはまさにギークの腕の見せ所です。
シリコンバレーでは、エンタープライズITはエンジニアの花形職場です。業務が分かってテクノロジーも理解している人が高給で活躍できる場面がたくさんあります。実は日本でもそんな仕事ができるんです。

最新ITが大企業のシステムで動き始めている

──最新技術を活用した戦略的ITの実例を教えてください。
私たちが手がけた事例で言えば、例えば約5000万人の会員データベースを抱えるT-MEDIAさんのビッグデータ分析基盤があります。Hadoopを駆使して超大規模なスケーラビリティを実現しました。ある金融業のお客様のデリバティブ業務では、トランザクション処理をメモリー上で完結させる取り組みをしました。これは、業界でも前例がないと思います。その他、ショッパーインサイトさんのID-POS分析システムでは、クラウド型DWH(データウェアハウス)であるAmazonRedshiftを活用して、明細データが300 億件に達しても高速に処理できる性能を実現しています。
──確かに、新しいテクノロジーを活用していますね。ただ、新技術を積極活用するということは、リスクを取るという側面もあります。
技術屋が技術リスクを取らなくなったらおしまいです。それはもうIT(情報技術)とは呼べない。難しい技術を駆使して仕上げるからこそ、競争優位が産まれるのです。シリコンバレーの企業のように。
システム開発会社は「危ないから新技術は使わずに」「言われた通りに作ります」といった方向に傾きがちです。だからこそ発注側であるユーザ企業は、開発ベンダーに技術や開発を丸投げしてはいけない。自らの責任で技術を選別し、業務を設計、決定していく力が発注側に必要なんです。
最新技術の中身をきっちりと理解し、正しいアーキテクチャを描く。製品開発者と対等に話すだけの知識を持ち、ダメな時はダメと判断する。私たちの手がけている戦略的ITコンサルティングでは、そこを発注側に立って手助けします。実はシリコンバレーのSEたちと同じ仕事をしているんです。

全体の1割の先端的なシステムを、生産性が高いメンバーだけで作る

──SI業界に関しては、炎上プロジェクトとか、原価割れ受注とか、ネガティブな話がたくさん伝わっています。
私たちが関わった大手広告代理店さんのCRMシステムは、プロジェクトが難航していて、1年かけても要件定義すらできていなかった。自社のリスクヘッジのために顧客に全て決めてもらう姿勢では混乱するだけで何も進まなかったんです。それを私たちで巻き取って、約3カ月でリリースまで持っていきました。クラウド型のDWHを使い、私たちもお客様と一緒に試行錯誤しながらスピード優先で進めたので、なんとか仕上げられたんです。
良質な仕事をするためには、提案型で生産性が高いチームで進めることが肝心です。SEの生産性は極端な話、人によって100倍も違う。できない奴は絶対にできないし、できる奴はとてつもなくすごい。そんなすごい技術者も、SIの受託請負構造の中だと、顧客と技術者の距離が遠くなってしまう。技術もビジネスも、濃縮させないといけない。
──濃縮、とおっしゃる意味をもう少し教えてください。
人と人の距離を近くする、伝言ゲームにしないということです。ビジネスと技術の距離を無くす。これまでの受託請負では開発者とビジネスの距離が遠く、技術的な挑戦ができかった。
濃縮した先にあるのは内製化です。顧客企業が自らシステム開発する形が最も技術とビジネスの距離が近い。シリコンバレーのSEはこの形態でアジャイル開発を行っている。本来アジャイル開発は発注側が内製化する時に利用するのが最も効果が高い。だからウルシステムズは擬似的に同じ環境をお客様に提供しています。意識が高い顧客と一緒に、濃いチームで内製化を実現しているのです。
以前のエンタープライズITは、イノベーションに追従しなくても「食えていた」し、「言われた通り作っていればよかった」のですが、もはやそういう時代ではない。なぜならITが企業の競争力そのものを左右するようになっているからです。全体の1割の尖ったビジネス、最先端じゃないと実現できない「凄いIT」、そういうものを作る場所にこそ私たちは居続けたい。エンタープライズギークは、そういう環境を選ぶんじゃないでしょうか。
──そうすると、技術の重要性を分かってくれる顧客と一緒に進めることが必要ですね。
その通りです。技術の大切さを理解いただける顧客は明らかに増えてきています。日本では今まで戦略的IT投資をする企業はあまり多くなかったと思いますが、ここにきてその重要性が認識されてきました。私たちは、欧米型の戦略的ITコンサルを日本でやろうとしています。それもエンタープライズIT領域で。この市場は、当面は追い風だと思っています。
──最先端に居続けるには、そのための努力が必要だと思います。
そこは望むところです。グローバルな技術コミュニティにも積極的に参加しています。様々な書籍執筆や翻訳を会社として積極的に行っているのも、グローバルな技術人材と直接交流しているからです。これからも引き続き、シリコンバレーとのリレーションを強くし、先端技術の研鑽に励みます。
──ウルシステムズの顧客は大手企業ばかりですが、大きな企業に最新ITを導入するのは苦労があるのではないでしょうか。
やはり大企業の経営者の方々は、ちゃんとITの重要性を分かっていらっしゃいますよ。私たちの実績を見ても、マツダさんやANAさん、電通さんなど、素晴らしい企業ばかりです。ITが大事で、とてもお金がかかるとなれば、お客様側でも優秀な人をアサインして下さいます。過去何十年もの間に、いろいろな経緯が蓄積して老朽化しつつあるエンタープライズシステムを、アジャイルに変えていく。私たちは、そこに最新IT技術とエンジニアギークの活躍の場が大いにあると確信しています。

生涯エンジニアでいられるキャリアパスを作る:インタビュー後編へ続く

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