岐路に立つ日本の財政

増税でも税収増達成、ついに崩れた都市伝説

2015年度予算案の目玉は何か

いよいよ通常国会が開催。2015年度の予算案の目玉は何か?ついに、ある「都市伝説」が崩れたというが、それはどういう意味があるのか。筆者がやさしく解説(ロイター/アフロ)

1月14日、政府は2015年度予算案を閣議決定した。これから開会される通常国会にて審議されることとなる。

基礎的財政収支と公債依存度、2つの重要指標が改善

2015年度予算案の目玉は何か。最も大きいのは、安倍晋三内閣が閣議決定して目標としてきた2015年度の基礎的財政収支について、対GDP比で2010年度より半減することが達成できる見通しとなったことである。財政健全化目標は、2020年度の基礎的財政収支の黒字化が本丸ではあるが、そこにたどりつく前に、2015年度の目標が達成できないと、初手からつまずいてしまっては先が思いやられる。

予算段階での達成の見通しだから、決算段階まで油断は禁物ではある。補正予算などで大盤振る舞いしたり、税収見通しが狂ったりすれば達成はおぼつかない。予算段階で達成の見通しを立てて、それを決算段階までしっかりと堅持することが重要だ。

これと裏表の関係にあるのが、2つ目の目玉といえる公債依存度の40%割れである。国の一般会計で歳出を賄う財源のうち、国債発行に依存する度合いである国債依存度は、当初予算ベースで2010年度以降40%を超え、国債発行額も40兆円を超えていた。一般会計の歳出は、ほぼ半分の財源を税収でなく国債で賄うという異常な状態だった。2015年度予算案では、国債発行額は約36.9兆円と40兆円を割り、公債依存度が38.3%に低下した。

国の一般会計での国債発行額は、2014年度当初予算と比べて約4.4兆円減ったのだが、これには約4.5兆円の税収増が大きく寄与した。

税収の増加は、国も地方も大きく見込まれている。国の一般会計税収では、2014年度当初予算案の約50.0兆円から2015年度予算案では約54.5兆円へと、約4.5兆円増えると見込んでいる。地方税収では、2014年度当初予算案の約37.8兆円から2015年度予算案では約40.2兆円へと約2.4兆円増えると見込んでいる。

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