淋病やクラミジア判明、当事者の相手を問答無用で治療、「迅速パートナー治療」普及を!?
効果的な性感染症対策と米国ワシントン大学が報告

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。

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 性感染症が陽性と認められた当事者の性的パートナーを問答無用で治療する。

 「迅速パートナー治療(EPT)」が注目されそうだ。

 米国のワシントン大学を中心とした研究グループが、オンライン医学誌プロス(PLoS)メディシン誌で2015年1月15日に報告している。

医学的な評価なしにすぐ治療

 「迅速パートナー治療」は、治癒可能な性感染症と診断された当事者の性的パートナーに対して、医学的な評価を行わずに治療をしてしまうという方法だ。

 この治療の活用を促進しているのが米国ワシントン州。

 公衆衛生プログラムによって迅速パートナー治療が広がっている。

 研究グループは、性感染症感染率を押し下げている可能性があると想定していた。

1割減少と計算

 研究グループは、ワシントン州の23の保健機関を対象にこのプログラムの有効性を検証した。

 22カ月の全研究期間中で、ワシントン州で淋病とクラミジアの低下を確認した。

 介入とは無関係の環境変化が結果に影響を与えた可能性も残っている。

 統計的に有意な変化の検出はなかなか難しいとしながらも、研究グループは、両方の病気の約10%の低下に寄与していると計算する。

 研究グループは、性感染症の拡大を防ぐ手段として、継続的な実施を求めている。

 

文献情報

Golden MR et al.Uptake and Population-Level Impact of Expedited Partner Therapy (EPT) on Chlamydia trachomatis and Neisseria gonorrhoeae: The Washington State Community-Level Randomized Trial of EPT. PLoS Med. 2015;12:e1001777.

http://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1001777

 

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