2014年の5月、噂には聞いていた極厚の「食パン1斤サンド」を求めてお邪魔して以来、もはや私の生活の支えのひとつとなりつつある喫茶アメリカン。
1ヶ月に1度は訪問しており、その様子はほぼこちらでレポートしているわけだが、書いても書いても新たなニュースが飛び込んでくる。
★リンク:「言いたいことやまやまです」内「アメリカン」関連記事一覧
※現時点で今回含め13記事
※レポートしていない日もあるので、いやはや、本当に何度お世話になったことか
2015年も引き続きお世話になりたい、元気を分けていただきたい!
さすれば行かねば「初アメリカン詣で」。
※本日の目次
ご存知の方はとばしてください。(テンプレ化に挑戦中)
年末訪問時に「パストラミビーフサンド」をいただいたところ、いろいろ残念な想いを抱いてしまった私。
ビーフシチューセットは期待に応えてくれるのか!?
その日の店内の様子をお届け。
周囲のお客さんが召し上がっているものも気になってたまらない、止まらない好奇心。
アメリカンを訪問する大きな楽しみのひとつ、店主さんの手書きポスター。
新年バージョンはいかに。
【1】アメリカン基礎知識
東銀座、歌舞伎座の裏に佇む喫茶店。
1斤分と思しき量の食パンが用いられた、極厚サイコロサンドイッチで有名な「伝説のサンドイッチ屋さん」である。
31歳で脱サラして今年で創業32年を迎え店主さんの個性がキラリ、否、ギラリと輝くサンドイッチだが、他のメニューも含め、まるっと店内全体が「ユニーク」のかたまりだ。
営業は平日のみ、その時間も朝7時半から15時ごろ(パンがなくなり次第終了)までという、月~金勤務族泣かせのスタイル。
しかし唯一無二の存在感、そして目を見張るほどおいしい食パン、タマゴサラダのためなら、有給休暇を取ってでも訪れたくなる。(一生に一度くらいは、いかがでしょう)
件の「極厚サンドイッチ」は11時からはじまるランチタイムでいただくことができる。
一生に一度は、ぜひ!
【2】ビーフシチューセット その真実
さて「アメリカン詣で」などと意気込んでみたものの、正直なところ、そこまで気分は弾んでいなかった。
アメリカンは12月から、バターや卵の価格高騰に伴い、サンドイッチセットが100円値上がりしている。
・・・が、値上げなどファンにとってすればどうでもよいことだ。
たかだか100円、愛の力を前にすれば痛くも痒くもない。
では何故気持ちが沈んでいるのか。
クリスマスに訪問し、パストラミビーフサンドを注文した際、名物のひとつであったボリューミーなサラダの量が減っていたためである。
値上げなどとは比べ物にならないほど、サラダが少ないことのほうが悲しかった。
さらに、まったくもって「サンド」されていないパストラミサンドに面食らってしまったのだ。
※その記録は下記の記事をご参照ください
パストラミビーフの汁(解凍時に出てくる水分と思われる)がふわふわの食パンに染み入り、ベッチャベチャになっていたこともショックでたまらなかった。
心なしか、パンの大きさも小さくなったように見えた。
ただ量が多いだけではなく、「あたたかさ」を感じるサンドイッチに惚れこんだのに、年末はその側面を感じることができず、ただでさえ虚しいクリスマス、私の心のスキマにはビュービューと風が吹きすさんだのだった。
喪黒福造に出会うことなく今日まで過ごせたことは、奇跡である。
それでも、一縷の望みがあった。
「なぜかビーフシチューセットはサラダの量が多いまま」という情報を入手していたのだ。
これは我が目で確かめなければ気が済まぬ。
そんな勝手な使命感が、年始の「アメリカン詣で」へと駆り立てたのである。
そんなこんなで到着した、新年一発目のアメリカン。
かつて入り口に掲げられていたビーフシチューの告知POPが、料金改定に伴いリニューアルされていた。
※「当店おすすめ!」かつ「大サービス」
※よくよく見ると、ビーフシチューセットの写真が額縁のイラストに入っている。センスに脱帽
訪れたのは12時半ごろだったが、スムーズに入ることができた。
初志貫徹でビーフシチューセットを注文。
セットのフランスパンが売り切れてしまい、代わりに食パンで、とのことだった。
個人的には食パンのほうが好みなので、願ったり叶ったり。
年始早々、幸先がよい。
持参していた新聞を読みながら待とうかと思ったのだが、開く間もなく、ビーフシチューセットが届けられた。
サラダは本当に「こんもり」とした量を維持しているのか?
ビーフシチューの量が減っていたりしないだろうか?
では、ビーフシチューセットの真実をご覧いただきたい。
でん!
でん!
でーん!
で、で、出たーッ!イオンコート!
【懐かCM】タイホー工業 クリンビュー イオンコート2(1991年) - YouTube
じゃなくて、ビーフシチューセット!
そうだよ、これが「大好きなアメリカン」・・・!
名物のこんもりサラダは、私がいちばん好きなタマゴサラダ×ポテトサラダの組み合わせ(レタス上はランダムなので、毎回このコラボとは限らない)。
シャキシャキのレタスも、どっさり。
相変わらずハイカロリー、ヘルシーさ度外視のこのサラダに再会できたことに、心が高揚する。
そして、久々のビーフシチュー。
ごろごろと入った大きめの具が実にうれしい。
※スライスされていないマッシュルーム、大好物
※しっとりとしたジャガイモは、断面もほんのりビーフシチュー色。じっくり煮込まれていておいしい
「テンションアゲアゲ」とは今の気分を指すんだろうな、と思うほど、自分の中身が飛び跳ねている感覚があった。
・・・などと書きつつも、前日の晩にあんこう鍋を食べ過ぎた影響で、胃の空きスペースが十分に用意されていなかったのである。
※月島の「ほていさん」にて
※オレンジ色の部分はすべて鮟肝という奇跡の鍋。幸せでした
大好物とはいえ、さすがに食パンにほとんど着手することができなかった。
ほんのりとあたたかくて、ふわふわ、もっちり。
食べ始めるとついつい手が止まらなくなる、おいしすぎる食パン。
「あ、食べきれるかも」とも思うのだが、そんなことをすれば午後は仕事に手がつかなくなる。
「仕事をしねェ豚は豚以下だ」
というポルコ・ロッソ風の天の声を聞き、食パンは大人らしく持ち帰ることにした。
あ、でもシチューがもったいない・・・という貧乏性が隠し切れず、
※パンでシチューを完食。嗚呼、貧乏性・・・
セットのドリンクはホットコーヒーにしたのだが、いつになく小さな(といっても他店の“普通”サイズ)カップだった。
サラダの量が元に戻った分、コーヒーを減らしているのかな、などと思ったのだが、隣席のおじさんはビッグサイズのカップを使っているではないか。
※過去訪問時のもの。お冷のグラスより大きいカップ
ランダムにカップが選定されている様子で、それもまたアメリカンイズムを感じて微笑ましくなる。
食べきれなかった食パンをテイクアウト袋に入れて、満足、満足。
ビーフシチューをいただきに来て、おみやげに食パン1斤をもらった気分である。
(事実、その通り)
【3】アメリカンな人々
この日のアメリカンで目を惹かれたのは、初めて見かける女性店員さんの姿。
仮にAさんと呼ばせていただくが、見るからに、最近勤め始めたばかりの方だった。
そんなAさんに、気が利きすぎる店主は絶えず声をかける。
「Aさん、○番さんに持って行って!」
「テーブル片付けて!」
「こっち来て!」
ご高齢の方がお帰りの際には
「Aさん、扉開けてさしあげて!」
「もっと!もっといっぱい!全開だ!」
なんだか船の乗組員になったような緊迫感である。
それでも最終的には
「Aさん、ちょっと落ち着いて!」
って、エーーーーッ!
Aさんもさぞや戸惑ったことだろう。
(どうでもいいことだけれど、図らずも「エー」を連呼するくだりになってしまった)
それにしても、店内に滞在している30~40分程度の間、幾度となくAさんの名前が連呼されたので、つい私も知人になったような気がしてしまい、食パンを持ち帰るための袋をもらおうと
「Aさんスイマセン」
と危うく名指しで声をかけそうになってしまった。
喉仏まで声のかたまりが出かかっていた。イカン、イカン。
「落ち着け」と言われつつも、矢のように降り注ぐ店主さんの指令に応えていくAさんの姿を目で追っていると、年末の料金改定に伴い(なぜかサンドイッチセットだけ)減量されていたサラダの量が「こんもりサイズ」に復活しているのがわかった。
※過去画像より。祝・こんもり復活!
これには他のお客さんも大喜びに違いない。
うれしいなあ、と心を弾ませていると、斜向かいの席で「パストラミビーフサンド」を注文する声が聞こえた。
年末の記憶が蘇る。
※年末パストラミ事件、ハイライト
注文の主は初来店の様子だが、このようなサンドイッチが出てきたら、驚いてしまうに違いない・・・トラウマになったりしないだろうか、心配である。
「勝手にアメリカン広報委員会」としては、どうかパストラミサンドだけで全てを判断せず、再来店を望むが・・・
「おまたせしました!」
Aさんが運んできたプレートを盗み見すると、年末のあれは夢だったんじゃないかと思うほど、きっちりと「サンド」されているパストラミビーフサンドセットが降臨していた。
当然ながら大容量であることは変わりなく、お客さんの顔は実に嬉しそうだった。
よかった!!
サラダ量は復活し、パストラミサンドがその名の通り「サンド」に。
年末はちょっとした悪い夢をみただけだったのだ。
そうだ、そうに違いない。
なにせ12月は「師走」。アメリカンさんも忙しかったのだ。
いま目の前にあるボリューミーで個性的な世界。これこそアメリカン。
年末は寂しさで泣けてきたが、年始のいま、安堵感で泣きそうである。
Aさんもどうか、末永くよろしくお願いします。
【4】店主さんのお手紙コーナー
さて、詣でたからには忘れてはいけない「店主さんのお手紙」拝読コーナー。
2通、届いていました。
1通目)年始のあいさつ
※テイクアウトカウンター上に掲出されている
パソコン・ネットetcできない店主ですが
このブログが片想いだということは存じ上げているので、無問題。
ファン活動とは得てしてそういうものである。
2通目)いろいろなご事情、それでも「伝説の店」を目指して
いろんなご事情が綴られた「店主のつぶやき」。
今回はコメントを添えづらいが、ただ言えることは、
日テレさん、石ちゃん、清水ミチコさん!
何卒、よろしくお願いします!!!
※リンク:メレンゲの気持ち
【5】おわりに
大満足のひとときを過ごすことができた「アメリカン詣で」。
しかし、「食パンを食べきるまでがアメリカンです」とはよく言ったもので、アメリカンファンとして、持ち帰った食パンをきちんと平らげたこともご報告したい。
帰宅後、電気炊飯器もないくせに、なぜか所持している「パン切り包丁」にて適当にスライス。
オーブントースターはないくせに、なぜか所持している「(ナショナル製)トースター」で、チーン!
何もつけずにいただくのがいちばんおいしいと思いつつ、以前、「これをおからにかけたら、おからはデザートになるんではないか」とひらめいて購入し、あえなく失敗、その結果持ち腐れていたチョコレートシロップをかけたりして、楽しんだ。
※どうやって使い切ろう
というわけで、最後までおいしくいただきました。
今年も元気を分けてもらうべく、唯一無二の伝説のサンドイッチ店「アメリカン」にお世話になりたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。