犯罪の目撃者は、目を閉じたときに事件の詳細をより正確に思い出すことができると分かった。
目を閉じる影響は?
英国サリー大学の研究グループが、犯罪心理などの国際誌、リーガル・アンド・クリミノロジー・サイコロジー誌で2015年1月15日に報告している。
研究グループは参加者178人を対象に2つの実験を行った。
最初の実験では、参加者を、窃盗の場面を描いた映画を視聴し、目を閉じた場合と開いている場合、面接官との関係性ができていた場合とできていない場合の4つの条件のいずれかに無作為に割付けた。
その後、映画に関する質問をした。
結果、面接官との関係性ができていた場合も正答率はやや高くなる傾向にあったが、人間関係の有無にかかわらず目を閉じる方が正答率は高かった。
思い出す力に幅広く関係?
さらに2番目の実験では、老人が強盗に襲われる場面を再構成した英国公共放送BBCの番組クライムウォッチの一場面を視聴し、目撃情報だけでなく、番組で聴いたことについても質問した。
結果は最初の実験と同様、人間関係の有無にかかわらず、目を閉じた場合が一番正答率は高かった。
研究グループは、「関係性の構築により目撃者はより安心して目を閉じられる。環境づくりはより良い証言結果が得るために大切」と見る。
思い出す力と目を閉じることの関係はさらに幅広い分野にも当てはまるだろうか。
文献情報
Nash R et al. Does rapport-building boost the eyewitness eyeclosure effect in closed questioning? Legal and Criminological Psychology Article first published online: 15 JAN 2015.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/lcrp.12073/abstract
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