
画像は武豊さん。
こないだ友人と話していてこんな話になった。
「そうそう
◯◯さんが
この脚、普通やから触らんとこ
言ってましたよ」
なんだか口惜しそうな友人の言い方だったけど、これこそ院長にとっては究極の賛辞。
セッティングに対して満足していて【言うこと無し】しかも絶妙なバランスが出ていて、下手に弄って崩したくない。と言う意味だからだ。
「ちょー変わってるのに、乗ってみるとさり気なく何気ない。至って普通。」
これこそが院長の目指す方向性だからだ。
自動車メーカーが苦心して作り上げた普通に乗れるノーマルのクルマ。
それにケチをつけてカスタマイズするなら、見た目はともかく走行性能は最低限ノーマル並に確保しなくてはならないと考える。
最低限だ。
見た目優先でノーマル時のブレーキ性能を損なうような仕様や、ハンドリングを損なうような仕様はあってはならないと思う。
万一の事故の時にノーマルよりも怪我のリスクが高まるような内装弄りも無しだ。
ナンバー無しの置物車両や、止まってる時のみそういった仕様になるような改造なら別に良いけどね。
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そもそも話になるのだが、法律上は一般人が公道を自由に運転するのは禁じられている。
公道は公用車両が公務に使用する為にあるのだ。
一般人はある一定の運転技術、法令知識、整備点検技能を身に付け、試験に合格すると業務の為に公道を運転して良いと、
禁止項目をある程度免除される資格を取得し業務の為、公道で運転が出来るようになる。
だから運転免許という資格名になるし、事故の際は必ず業務上という犯罪名になるんだ。
原則で言えばクルマの運転は常に業務中。運転する車両は公道を安全に走行出来る性能を有した状態に常に点検整備していなくてはならないのだ。
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院長はここにこだわる。
一般的には車検に通る仕様ならば、一定の整備が成されていると認められるのだが、
万が一車検に通らない仕様になっていたとしても公道運行に対して最低限の安全性は確保したい。
改造は大好きだし、目的がハッキリした改造車は素直にカッコ良いなと感じるが、
公道運行に対して問題のある仕様は無しだ。公道を運転する責任を果たしていないと思う。
問題のある、言い換えれば下の異常があるクルマはすぐに解る。
見た目で解る外観の改造車は言わなくても解るが、院長得意の足回りが足りないクルマも実はすぐに解るのだ。
【足りない脚の特徴】
・段差の乗り越えでガツンと跳ねる。
・走行中常にヒョコヒョコと車体が揺れ続ける
・ボディ剛性が足りないと感じる
・攻めるとすぐにブレーキがロックする(ABS早期介入)
・コーナーで酷いアンダーが出る。ハンドル切っても効かない
・コーナー立ち上がりであっさりオーバーが出る。出せるじゃなくて出ちゃう(リヤ駆動車)
・コーナー立ち上がりで酷いアンダーが出る(前輪駆動/4WD車)
・立ち上がりであっさりタイヤ片側が空転して、機械式LSDが欲しくなる
タイヤの磨耗具合を見てもある程度は解る。
コレは内減り。アライメント、特にトーが狂っている。
コレは外減り。トー角の狂いもあるが足回りの性能が足りずフルバンプが頻発してもこのようになる。
一般論としてタイヤの偏磨耗は空気圧管理が悪いからという事になっているが、我々クルマ好きにはほぼ当てはまらない。
何故なら普通の人より空気圧管理はしているからだ。
それでも偏磨耗をしてしまう場合にはアライメントを含めた足回りの状態に疑問を感じるべきなのだ。
自分のが使用目的に足りているのか足りてないのかを、改めて確認してみるのも良いだろう。
さて、足りない脚を改善し、【足りてる脚】になるとどうなるのか。
・タイヤの激しい偏磨耗が無くなる。
・ブレーキが良く効く
・裏切らない挙動をし、尚且つ挙動の先読みが出来るようになる
・乗り心地に悩まされる事がほぼ無くなる
良い脚を使っているタイヤの見本があった。
タイヤのトレッド面にシワが寄っている。
タイヤ表面がスポンジのようにザラついている。
これこそ充分にタイヤを脚が押し付けている証拠なのだ。
このような状態が「足りている」状態。
サーキットなどで走った直後に確認すると良く解る。
さて、それ以上の状態【上の異常】とはどのようなモノか。
状態は足りてる脚の延長線上にある。
普通で、思い通りで、しかもこれが大事なんだが、快適。
それがどれだけ攻め込んでも変わらない。
最終的にはタイヤが先に限界を越えるのだが、タイヤグリップの限界を穏やかに越えるので、とてもコントローラブル。
まるで雨で限界が下がった状態で運転しているのと変わらないのだ。
限界領域のコントロール幅が広いのだ。
強い脚なだけでなく、しなやかな脚でないとその領域には行けない。
そのような【上の異常】の脚は、ドライバーには伝わりにくい。
いつまでも普通だなぁと思わせといて、それがどこまでも変わらない。
なんだか刺激なく普通に運転していたら、タイムだけがその異常さを表す事になる。
これこそが良く言う人馬一体な状態なのだ。
院長は足回りが得意だから脚の話をしたが、チューニングは全て目指す到達点は同じなんだ。
それを目指して行くのがチューニングの全てだと院長は考えている。
トンがったクルマは刺激的だ。しかしそれはただ煮詰めが甘いだけかもしれないんだよ。
おしまい。
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Posted at 2014/07/10 17:02:01