さて、脚の話を書く気になったぞ。


大体の車高調や社外サスキットには、減衰調整が付いている。








こんな奴だ。

グルグルとかカチカチ回して硬くなったり柔らかくなったりする。


そもそもダンパーに減衰力が必要な理由は、バネがあるからなんだ。


バネは縮んだら伸びる。ビヨーンと（笑）

バネの動きを考える時、スーパーボールをイメージすると解りやすいかな。





コイツだ。遊んでない人は居ないだろう。

コレを地面に投げつけると、こんな軌跡を描く。




まぁなんつーか厳密に言えば違うんだけど、クルマのバネもこんな感じで伸縮するワケだ。

で、こんな動きをするクルマに乗ったら揺さぶられて酔うわな（笑）

かと言ってバネが無いクルマなんてガッツンガッツンしちゃってケツがすぐ痛くなる。ケツが二つに割れるくらいだ。（笑）

快適ドライブなんてそりゃ無理だ。


バネで地面からの入力は緩衝して欲しいけど、ビヨンビヨンすると酔うからそれをなんとか収めたい。

だからバネがクルマから外れないようにボディと繋いだロッドに減衰力を持たせて、
緩衝と酔い止めを両立しようってのがダンパーの役割なんだな。




バネの強さに対して減衰力が足りない状態のクルマ、つまりダンパーが抜けてるクルマはビヨンビヨンがなかなか収まらなくてフワンフワンする。

バネに対して減衰力が強過ぎる場合は、バネの緩衝まで抑えてしまってゴツゴツ路面の凹凸を拾って乗り心地が悪い。


減衰調整式ダンパーは、自在にそれを調整出来るようにしてある。

言い方を変えれば設計段階で突き詰める事を放棄してユーザー任せに責任を投げたとも言えるワケだ。







良くあるダンパーの仕様説明。伸び側がなんちゃら。ピストンスピードがなんちゃら。

サッパリ訳が分からない。（笑）

院長が阿呆なので全く読み解けない。




この図では減衰調整の幅の説明。




これもそうだ。


いやいやなんかそんなんは分かるけど、ちゃうねんて（笑）

まず最初にどこに減衰力を設定すればええんや！


皆そこからの説明やないかい！ ワケ解らんわ（笑）


とか疑問を持った我々は、色々調べてさらに深い話を知る。


減衰力はバネの伸縮に発生するエネルギーを熱に変換して捨てている。

減衰力はしなやかな脚の動きを阻害している。

だから減衰力は少なければ少ない程良いのだ。


へーそうなんだ。


いやだから基準値はどこにすればええんじゃつーの！？


また探すと、

フロントの減衰力を締めると挙動のバランスはアンダーぽくなる。

リヤを締めるとオーバーぽくなる。


いや、だからさー（笑）



長年悩んだよ。俺も。


結局、院長的に導き出した方法は、



①とりあえず減衰をフルハードに締める。前後とも。

②この状態ではケツが痛いので、我慢出来る程度まで減衰調整を緩める。

③フルブレーキングしたり、スラロームしたりを試して前後バランスを調整する。

④街乗りではそこから1段か2段づつ減衰を緩める。


こんな感じで基準値を出す事にした。


減衰調整式ダンパーの構造が解れば、減衰は強くできるんじゃなくて、弱く出来るモノだということが判るだろう。


ソフト側から始めるといつまでもキマらない。だからハード側からキメるのだ。


だいたいこんな感じが必要最低限の減衰力なんだろーなと思うんだ。

もし、悩んでる人が居るなら参考程度に。


ただしあくまで院長の主観だからそこんとこヨロシク。


いじょう