
前回のブログでは、「ただ単に車高を下げたい人の為に」書いた。
あの内容は、乗り心地無視、耐久性ガン無視でのヤり方。
最近はヘラフラ等が流行してきて、どうにも車高を下げたい人が多くなってきた。
前回の内容を行えば、ベタベタの車高は実現出来る。
ただ、きっと間違いなく乗り心地はガツガツガタガタし、ちょっと攻めればすぐにブレーキロックしたり
段差で跳ねたりする。ある意味飛ばさない人向け、置物カーを作りたいヒト向けの内容だ。
前回書いた、
②【現状の足回りに不満を感じたので、いっそ車高調に。】
③【サーキットなどで、もっと速く走りたい】
こういう方にはきっと向かない。
だいたい、②の場合の不具合は、見た目は勿論、快適な乗り心地や異音の無い状態を夢見て交換に踏み切る。
①のような乱雑なヤリ方では満足なんかしないのだ。
そして、②を希望する方々が車高調ユーザーの大半を占めている。
巷の評判や他人や発売元のインプレ。
単筒式やら複筒式、高圧ガスやらピストン径やら、
ブランドのイバリ度があるかないか。名が通ったスプリングが付いてるかどうかなど、
一生懸命カタログを熟読丸暗記レベルまで勉強し、薀蓄を溜め込む。
こうして、自分がコレと決めたモノを買うのだ。
ザンネンながらこのタイプの人、自分の判断に対し相当な自信があり、購入した商品に対して盲信するクセがある。
意外と、普通に売られている脚なんて問題だらけだったり煮詰めが不充分で、イマイチ良く無い状態のモノが多いのに、
他人のアドバイスをイヤな事を言われたと耳を塞いで自分の世界に逃げ込んでしまう。
しかも、明らかに不満、
例えば突き上げ感だったり、グリップ性能だったり、コントロール性だったりを、
ウデのせいだとか、剛性のせいだとかにしてしまう。脚の問題は脚で解決すべきなのに。
まぁ、自分の趣味の世界なんだからと思う気持ちは判るが、真実はカタログには書いていないのが現実だと言う事を理解すべきなのだ。
雑誌を書いてるのは雑誌屋さんで、クルマ屋さんや脚屋さんじゃない。
雑誌屋さんは、より売れる本を作るのが仕事なのだ。
曖昧な記述、いい加減な知識で考えるから、しょっぱいモノに砂糖をブチ込むなんて事になるのだ。
皆が欲しいのは、改良された愛車じゃないのか?
性能が高まるなら、今までより安定して、今までの走りなら安心感が増えて刺激が無くなるのが正しいんじゃないのか?
クルマは物理で動いているのに、物理を無視して感覚や伝聞で勘違いしてないか?
俺はこれまで色々な車種、様々な脚を手掛けて、沢山の人を幸せにして来た。
かつての読者さんなら既に耳タコな話なんだが、次回からはそれを書こうと思う。
「車高調キット」はあくまでキット。プラモならランナーが付いていて無塗装の状態。
色を塗り、加工して、自分の目的に合わせて組み上げるのが当然。
車高調だってそうなのだ。
売っている車高調KITの素組みでは、プラモ同様、本領をちっとも発揮しないのだ。
俺が手掛けた脚は、メーカーも構造も関係なく、安全かつ快適な脚になった。
その秘密、いや、考えてみれば当たり前の物理法則に従った脚作りの方法を、後進の皆さんの参考になるならと書き残しておこう。
つづく。
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Posted at 2013/07/12 20:37:00