過激派「イスラム国」とみられる組織が人質の2邦人殺害を予告した期限が過ぎ、緊張が高まっている。イスラム国の狙いを読み解く。
■「人質」で何を狙う?
資金源は身代金が1つの柱だ。報道によると、イスラム国に拘束され人質に取られたフランス人やスペイン人は身代金の支払い後に解放された。
イスラム国との交渉に政府が消極的とされる米英のジャーナリストらは斬首などの殺害シーンがネット上で公開された。次の身代金要求に向けた意思表示とみられる。
■イスラム国の誕生とこれまで
中東のイラクとシリアにまたがる地域で勢力を伸ばすイスラム教スンニ派の過激派武装勢力。2014年6月に国家樹立を宣言した。戦闘員は1万~3万人とされる。
「イスラム国」は従来のテロ集団にない手ごわさをみせる。中東テロの系譜をたどると、組織やテロ技術が「進化」し、洗練された今のイスラム過激派の実相が浮かび上がる。
過激派「イスラム国」はイラクとシリアで戦線を維持しつつ「国家」の体裁を整えようと躍起だ。支配地域で独自の通貨を発行すると発表。
「イスラム国」とは(1月21日) 「イスラム国」 テロ組織「進化」の系譜(14年10月11日) 「イスラム国」、国家の体裁づくりに躍起(14年11月19日)
■イスラム国のルーツを探る
中東情勢の流動化の源をたどると、英国、フランスなどが民族や部族、宗教や宗派の分布を無視して線引きした国境の矛盾に行き着く。