
霊感をその身に宿した少年・『飛鳥碧翔』は、一ヶ月ほど前から活発な幽霊・『真那』に取り憑かれていた。米倉町内で勃発する怪異事件。人が殺害され、町が崩壊への一途を辿る。ある日彼は、幽霊が関わる怪異事件を調査している少女に出会う。偶然なのか、彼女の姿は『真那』に似通っていた。『神託』・怪異事件・そして『幽霊』。町に取り巻く因縁に巻き込まれた碧翔は知る。積み上げてきたモノは、些細な切っ掛けで呆気なく崩れ去ることを。信じてきた彼女の存在そのものが、途轍もない呪縛であることを────。憎悪と醜悪にまみれた、嘘と裏切りの物語。