【イスラム国日本人殺害予告】後藤さん母も子供も待ってる、期限72時間経過

2015年1月24日6時0分  スポーツ報知

 過激派「イスラム国」とみられるグループが、人質としたフリージャーナリスト後藤健二さん(47)と、湯川遥菜さん(42)の殺害を予告した事件で、政府が「72時間」の身代金2億ドル(約235億円)支払い期限と判断した23日午後2時50分が、経過した。2人の安否は依然、不明で、政府は犯行グループ側から連絡はないとしている。後藤さんの母・石堂順子さん(78)はこの日、都内で会見を開き、後藤さんに子どもが誕生していたことを明らかにした上で、涙ながらに解放を訴えた。

 刻一刻と緊迫度が増す中、犯行グループによる身代金支払い期限と政府が判断した「72時間」のタイムリミットは過ぎた。依然として人質2人の安否についての情報はもたらされていない。

 会見した菅官房長官は、期限が過ぎたことについて「依然として厳しい状況だが、2人の解放に向けて全力で取り組む。生存を前提で対応している」とし、安否については「政府としてはさまざまな情報に接しているが、未確認だ」と説明。さらに「テロに屈することはない。国際社会によるテロとの闘いに貢献していく」とし、身代金を支払う方針はないことを、改めて暗に示した。

 安倍晋三首相は2人の解放に向け、外交・安全保障の司令塔となる国家安全保障会議(NSC)を官邸で開催。20日の殺害予告以来、NSC開催は初めてで、情報収集や交渉ルート確保に全力を挙げる方針を関係閣僚と確認した。

 首相の下に菅氏、麻生副総理兼財務相、岸田外相、中谷防衛相らが参加し、各国からの関連情報などを踏まえて今後の対応を議論した。岸田氏は「各国からの情報を分析している」とし、イスラム国側との接触状況については「いろいろな関係者とやりとりをしている」と述べるにとどめた。

 一方で、2人の足取りについての新しい情報も。シリアの反体制派活動家は22日、後藤さんと湯川さんが予告声明直前の17日までイスラム国が首都とするシリア北部ラッカに監禁され、その後、北部アレッポ郊外に移されたと述べた。活動家によると、イスラム国に近い複数の関係者が17日にラッカの監禁施設で「日本人2人の姿を確認した」としている。

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