オタクだからネ申アルバム布教します。
2014年の年間ベストは「邦楽」「洋楽」「ボカロ音楽」の三部門です。
「邦楽」部門と「洋楽」部門では音楽だいすきクラブさんのフォーマットに則ります。
2014年のベストアルバムを集計します - 音楽だいすきクラブ
今回は「ボカロ音楽」部門です。順不同です。
「ボカロ音楽」部門は、2014年にリリースされ、アーティストがボカロ文化にコミットしたことがあると僕が独断で判断した、VOCALOID、UTAU等の音声合成技術を使用した作品が対象となります。それ以外のルールは音楽だいすきクラブさんのフォーマットに準じます。
BETSUMIRUME / BETSUMIRUME
電子音楽家/ミニマリストによるyoutube、ニコニコ動画で発表された既発曲をコンパイルした初アルバムです。M6,7,8にポケットミクを使用しています。ベースもビートもないノイズ、ダブ、アンビエントです。静謐で透明度の高いサウンドは初音ミクを違和感なく取り込んでいます。
Conti New / DECO*27
最も有名なボカロPの一人であろうDECO*27さんによる原点回帰&心機一転作です。2014年は活発な動画投稿を行い、ストリーミングハートはニコニコ動画内で唯一100万再生を達成したボカロ曲となりました。他ヒット曲多数を収録しています。電子化メロコアといった趣の妄想税、毒占欲がかっこいいです。
MIKUHOP LP
レビューサイトDAIM主催しまさんの設立したネットレーベルStripelessのリリース第一弾コンピレーションです。VOCALOID×HIPHOP=「ミックホップ」をテーマにトラックを公募、編纂されました。「ミックホップ」という器に各参加者が思い思いの内容を詰め込んだ結果、多彩な楽曲が集い充実した仕上がりになっています。予告編に当たるMIKUHOP EPはボーカロイドシーンとは別文脈にあるネットレーベルOMOIDE LABELからリリースされ、そちらも話題を集めました。
Monograph / Monochromia
アルバムMIKU-MIXTUREでの共演をきっかけに結成されたユニットのデビュー作です。『初音ミクはなぜ世界を変えたのか』著者で音楽ライターの柴那典さんによる浮世絵化するJ-POP論ではボーカロイドシーンでは情報量の多い楽曲が次々と生まれていると指摘されています。そういった状況下で、メンバーのLemm、西島尊大ともにカテラン上位シーンの流行とは異なったやり方で情報量の多い音楽を追求し、ボカロアンダーグラウンドシーンで支持を得ていました。そんな二名がユニットを組んで商業リリースすることは画期的な出来事でした。
Near / QUADROPHENIA
DTMer女子高生?宮沢もよよ、村上くるるを含む四人組クリエイティブユニットによる6thアルバムです。前半3曲を村上が、後半3曲を宮沢が担当という構成です。ボカロ使用曲はM5のみ。村上曲の揺らぐビートは心地よく、宮沢のボカロ使用曲は見事にハイライトを飾っていますがアルバムを通してエレガントな感触を伝えてくれます。
SPACE / Amahisa
今年Pデビューの新人による1stアルバムです。読経ドラムンベースと呼べそうな感情的カウンタラグメントや、話題の新ジャンルポエムコアに挑戦したSPACE など、個性的な楽曲が際立っていました。今後の活躍が楽しみなボカロPの一人です。
TWO WORLDS / Zanio
本格的なクラブ音楽のグルーヴと、ニコ動的なネタをマッシュアップさせた作風でボーカロイド聴き専層からの指示の厚いボカロPの商業デビュー作です。ネタ度は控えめになっていますが、クリスタルサウンドと形容される音のきれいさやグルーヴの心地よさは健在です。いい声したラジオDJに流暢な英語まじりに紹介してもらいたいです。
White Girl / mus.hiba
mus.hiba "White Girl" Trailer - YouTube
本作はMIKUHOP LPと並んで、「ボカロ」文脈と「音楽」文脈のクロスオーバーを引き起こしました。タワーレコード各店で非ボカロ音楽コーナーに試聴機が置かれプッシュされていたのも印象的でした。なにはともあれ、☃ を聴いてもらいたいです。
サイバーサンダー サイダー/ EZFZ
amazon→サイバーサンダーサイダー (ALBUM+DVD)
サイバーサンダーサイダー、magician's operationなどのヒットでおなじみの EZFZさんの初アルバム。TMNを彷彿させるデジロックビートとグルーヴィーな日本語の連打がクールです。キャラクター性にたよらないメカニカルなボカロの利用もハマってます。
The 9th Vlues / 佐々木Kすけ
こちらはネットレーベル煮印不良品レコード初のフィジカル作品としてリリースされました。ブルースとボーカロイド、一見食い合せの悪そうな組み合わせですが不思議と調和しています。ローファイなサウンドとぶっきらぼうなボカロの歌が独特な枯れたフィーリングを醸しだしてます。
曲別10選もしました。こちらもよろしくお願いします。
かじもとさんの2014年ボカロ曲10選 #2014年ボカロ10選 #2014年ボカロ曲10選 ‐ ニコニコ動画:GINZA
関連エントリ:
2014年のベストアルバム「邦楽」部門 - かじもとさんのはてブロ
2014年のベストアルバム「洋楽」部門 - かじもとさんのはてブロ