特別出演と友情出演の違いとは。カメオ出演って知っていますか?
映画やドラマのポスターやフライヤー、エンドロールなどで俳優名の後ろに「特別出演」や「友情出演」と記載されている場合があります。この特別出演や友情出演という言葉は映画などではよく使われているのですが、その違いは一体なんでしょうか?
特別出演
特別出演とは一般的に、主役を演じるクラスの大物俳優・女優が、主演以外の役、あるいは端役で出る場合に使用する名称です。
役者には「格」というものがあり、キャリアが長く、主演作をいくつも持っているような俳優に出演してもらうためにはそれなりの配役が必要になります。
しかしながら映画やドラマは出番の多い役ばかりではありません。端役であっても、重厚な演技が必要な場合も数多くあります。そこで利用されるのが「特別出演」という名称で、本来であればこのような端役はお願いできないが、「特別出演」という名称を付けることで納得してもらうのです。
また、エンドロールも俳優の「格」にもとづいて作られています。通常、主役は一番最初に表示され、主役に準じる役、格が高い俳優は一番最後(トメ)に表示されます。
格の高い役者に端役で出演してもらう場合、エンドロールのいい位置(トメ)に名前を出せない代わりに「特別出演」という言葉を付けることで納得していただくわけです。
また、すべての映画やドラマがそうだとは限りませんが、出演料も「特別」に高額の場合もあるそうです。
なお、1983年に映画化された松本清張氏原作の「天城越え」では、主役の田島松之丞を渡瀬恒彦さんが演じていますが、特別出演として国立病院医師役で加藤剛さんが出演しています。
友情出演
友情出演とは文字通り、監督や主演の友人(親しい人)に制作費の関係などで友情価格(相場よりかなり低い出演料)または、ノーギャラで出演してもらっている場合を指します。
時には、監督・主演の知り合いの役者が自ら希望して出演する場合もあります。
1976年に公開された、五木寛之氏原作、中村雅俊さん・五十嵐淳子さん主演の「凍河」には、あの石原裕次郎さんが友情出演しています。
カメオ出演
日本ではあまり使われる用語ではありませんが、ハリウッドでは監督や主演者の友人や、原作者、作品のモデルとなった人物や作品に由縁の深い人物などが端役で出演するカメオ出演という名称も存在します。
直近ではティム・バートン監督の最新作「ビッグ・アイズ」のモデルとなっているマーガレット・キーンが、本作でカメオ出演しています。
また、表記上は「特別出演」となっていますが、1963年公開の松本清張氏原作の「天城越え」では松本清張氏本人が出演しています。
特別出演と友情出演の違いで新たな楽しみを
いかがでしたでしょうか?映画の最後を飾る、出演キャストのエンドロール。
今度映画を観る際はちょっとだけ気にして、これらの知識を持って見ると新たな楽しみ方ができるかもしれません。