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ホンダ、北米の「アコード」に豊田合成製エアバッグ採用=関係筋

ロイター 1月24日(土)2時33分配信

[東京/北京 24日 ロイター] - ホンダ<7267.T>が2017年夏にも北米で発売する主力セダン「アコード」新モデルのエアバッグに豊田合成<7282.T>製品の採用を決め、同社に発注したことが24日までに分かった。複数の関係筋が明らかにした。

ホンダがこれまで多く採用してきたタカタ<7312.T>製のエアバッグは2008年以降、米国などで異常な破裂事故が相次ぎ、大量リコール(回収・無料修理)を招いている。この根本的な原因がまだ判明していないため、ホンダは安全性の観点から豊田合成製エアバッグを採用するとの判断に至ったもようだ。

複数の関係筋によると、対象となるアコードの新モデルは17年8月に発売を計画しており、年産規模は約38万台。搭載される豊田合成製エアバッグは運転席用、膝用エアバッグ、カーテンエアバッグの3種類。エアバッグを膨らませる基幹部品のインフレ―ター(ガス発生装置)も豊田合成製を採用する予定。

さらに、18年8月に北米で投入する予定の高級車ブランド「アキュラ」のSUV(スポーツ型多目的車)「RDX」でも豊田合成製の運転席用エアバッグを搭載する方針。豊田合成製は2016年9月発売のSUV「CR−V」で膝用とカーテンエアバッグ、同年11月発売のミニバン「オデッセイ」の運転席用、膝用エアバッグでも採用する予定という。 

タカタ製エアバッグは作動時にインフレ―ターが異常な破裂を起こし、飛び散った金属片で死傷者が出る恐れがあり、関連した事故で5人が死亡している。同社製の運転席用エアバッグ搭載車を米国で販売した自動車メーカー5社すべてが全米規模での調査リコールに踏み切っている。

調査リコールも含め、全世界でリコールとなった台数は2100万台超に膨らんでいる。2008年以降、ホンダ車のリコールも米国で1000万台以上、世界で1300万台超に及んでいる。ホンダはタカタ製エアバッグのリコールに伴う交換用インフレ―ターを調達するため、スウェーデンのオートリブ<ALV.N>やダイセル<4202.T>にすでに供給を要請している。

今後搭載するエアバッグのメーカーについて、ホンダの広報担当はすぐにコメントできないとしており、豊田合成の広報担当者は「取引先との情報についてはコメントを控える」としている。タカタの広報担当者からのコメントはまだ得られていない。

(白木真紀、白水徳彦)

最終更新:1月24日(土)2時33分

ロイター

 

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