北陸発縄文期初 「ほぞ」加工の角材 真脇遺跡で見つかる石川県能登町教育委員会は二十二日、同町の縄文時代の「真脇遺跡」(国指定史跡)で、四角く製材された上に柱材を組み合わせる突起「ほぞ」がある約三千年前の木材が見つかったと発表した。町教委と発掘調査団によると、角材とほぞの二つの加工が施された部材の発見は、縄文期の遺跡では全国で初めて。 柱材を直角に接合するこうした加工技術は、鉄製工具が大陸から伝わる弥生時代に確認されているが、今回の発見は技術が縄文時代までさかのぼることを示す貴重な資料になる。 見つかった木材は全長九十一センチ、最大幅十六センチで、厚さは約七センチ。片方の先端部分に長さ十センチ、太さ六センチのほぞがある。直径五十〜六十センチのアテ(ヒノキアスナロ)を加工したとみられ、ゆがみの原因となる木の芯は取り除かれている。
遺跡の西側で昨年十月、縄文晩期初頭の地層の深さ三メートルから出土した。発掘現場からは長さ一メートルほどの板きれや棒片も見つかっており、壁や床のある建物の柱とみられる。調査団は出土した木材の太さなどから、建物の規模を縄文期の竪穴住居や掘っ立て柱の小屋とほぼ同じ二十平方メートル前後と推定している。 縄文期の遺跡ではこれまで、北海道小樽市の忍路土場(おしょろどば)遺跡と東京都東村山市の下宅部(やけべ)遺跡でほぞ付きの木材が発見されているが、いずれも丸太のまま。富山県小矢部市の桜町遺跡でほぞを差し込むような形の穴のある丸太材が、岐阜県飛騨市の宮ノ前遺跡で四角く加工された柱が見つかっている。真脇遺跡ではのみに似た石器が出土しており、調査団は「寺社建築にもつながる軸組技術の出発点。鉄が伝わっていない縄文時代でも、木材加工の技術が確立していた証明になる」と分析している。 二十四日午後一時半から、現地説明会がある。 (志村拓) PR情報
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