『No Man’s Sky』は一体何をするゲームなのか?―Hello Gamesが説明する実際のゲーム内容と目指す方向性
広大な宇宙を旅する『No Man’s Sky』は、実際のところ何をするゲームなのだろうか?
これまで何度もそうした質問を受けてきたという開発元Hello GamesのSean Murray氏が、『No Man’s Sky』の実際の内容や目指す方向性を語っている。
Sean Murray
提供できる答えと、言えない答えがあるんだ。提供できる答えは、これが自由なゲームで、プレーヤーの好きなようにプレーできるゲームだというものだ。私はゲームが予定調和になっていると感じ始めていた。特にE3に出展されているゲームを見るとね。ワクワクしないというか、それでも私自身楽しくプレーすることは分かっているんだ。
ゲームに飽き飽きしているわけじゃなく、ゲームは大好きだけれど、とても予定調和だ。スクリーンショットを一目見ればどんなゲームか分かってしまうし、プレー時間や終わり方も予想がついてしまう。
そこで、我々はより自由なゲームを作りたかった。これは別に斬新でもなんでもない。PCを見れば、Early Accessでリリースされているゲームの多くが、より自由なものになりつつある。それに、ニッチなものでもない。『Minecraft』や『DayZ』、『Rust』などは、机上では大失敗するとしか思えないゲームばかりだ。いわゆるモチベーションなどが存在しない。私はそこが気に入っている。私はゲームに「宇宙ステーションの一つが破壊されたぞ!」などと教えてもらいたくはないし、全滅させた時にトロフィーが表示されたりするのも望んでいない。
それが私の提供したい答えだよ。しかし、本作について話したり、記事を書いたり、情報を伝える必要があるから、提供しなければならない答えもあるんだ。本作には、核となるゲーム・モードが存在する。直線的にプレーして、銀河の隅から中央へと旅するプレーヤーがいるなら、それがそのプレーヤーにとっての始まりと終わりになるだろう。
その旅の過程で、自分の船をアップグレードしたり、武器をアップグレードしたり、スーツをアップグレードしたりする。アップグレードする必要があるのは、プレーヤーは非常に弱く、AIや――これは滅多にないことだが――他のプレーヤーの攻撃を受けることになるからね。スペース・コンバットや地表での戦闘、望むなら交易や資源の採掘も可能だし、探索もできる。
本作には色々な流れがあって、大抵は金銭――本作ではUnitと呼ばれている――を獲得でき、それを船のアップグレードに使用できる。遠くへと旅するには、アップグレードが必須なんだ。銀河の中心に近付くにつれ、他のゲームと同じでより危険が増していくし、最高の船を手に入れるには中心に行くしかないことが分かるだろう。少なくとも、手に入りやすくなるんだ。それに、最高の武器やスーツのアップグレード、はるかに価値の高い資源も同じだ。更に、攻撃可能な貨物船は、そうした資源の売買をしているので、中心に行くほど価値が高くなっていく。
それが(パッケージに)記載しておくべき答えだよ。その次は、「1人称のサバイバル・アクション・ゲーム」とかそういうものになるだろう。それで十分だよ。ゲームの古典的な流れが存在するという点を伝えることができれば良いんだ。これまで発表してきた情報で伝えたいことは、純粋にそういうことだ。
我々はこれまでにも交易を公開しようとしたし、スペース・コンバットも見せようとしたことがある――スペース・コンバットだけのゲームも存在するので、『No Man’s Sky』にはやることがあまりないというわけではないんだ。
「何をするゲーム?どんなゲーム?」という疑問の意図は、恐らく限界を知りたいんだと考えている。「これをやるのは分かったが、他には何をするんだい?」とね。人々の興味を引くのは、本作が他とは違うゲームだからだし、彼らは「6回中3回のヘッドショットを達成!」なんて望んでいないんだ。結局のところ、そんなことを求めてゲームをする人はいないということだろう。
これが、少々長めで退屈な答えだよ。
何時間もひたすら銀河の隅をウロウロすることも当然可能だという。
Sean Murray
そういうことだね。今現在のゲームで面白いのはそういう要素だと考えている。限界が存在しない。必ず銀河の隅っこの様々な惑星からスタートするが、船に決して乗らなくても問題ないんだ。望むなら、ただ惑星を歩き回ることができる。私がそんなことしたくないが、そうした人もいるだろう・・・Twitchでチャンネルを作って、それを見る人がいるんだろうね。先ほどゲームが予定調和だと言ったが、予定調和ではないゲームというのはそういうことだ。コンテンツの90%はプレーヤーの――私は自己表現と呼ぶが、実際はひたすら無駄なことをしているだけなんだ。しかし、それが人を惹き付けるし、そうやってプレーするんだと思う。『GTA 5』が出た時も皆そういうプレーをしていた――誰もが好き勝手していたよ。それが面白いと私は考えている。
ソース: Eurogamer