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日銀総裁 「欧州中央銀の量的緩和は適切」1月24日 6時19分
日銀の黒田総裁は訪問先のスイスで記者団の取材に応じ、ヨーロッパ中央銀行が量的緩和に踏み切ることを決めたことについて、「非常に適切だ」と述べ、ユーロ圏がデフレに陥るのを食い止められれば、世界経済にとって好ましいというという認識を示しました。
黒田総裁は、世界の政財界のリーダーが集まるダボス会議と呼ばれる会合に参加し、23日、現地で記者団の取材に応じました。
この中で、黒田総裁はヨーロッパ中央銀行が国債などの資産を大量に買い入れる量的緩和の導入を決めたことについて、「ユーロ圏経済は、経済成長率がかなり低いうえに失業率は高く、物価上昇率がマイナスとなっている。思い切った量的緩和を決定したのは非常に適切だと思った」と述べました。そのうえで、「ユーロ圏経済がデフレから脱却して成長率も上昇していくということになれば、世界経済にとってもプラスだ」と述べ、決定を歓迎する姿勢を強調しました。
一方、GDP=国内総生産の成長率が2期連続でマイナスとなり、世界から厳しい目も注がれている日本経済については「世界経済には、原油価格の下落と金利の低下という2つの追い風が吹いている。日本経済もこの追い風の影響で消費や設備投資、それに輸出が回復し、経済全体が押し上げられていく」と述べ、原油安などの効果で次第に回復基調を強めるという認識を示しました。