米ヤフー、ソフトバンクの買収標的にも-アリババ株手放せば
(ブルームバーグ):米ヤフー が中国のアリババ・グループ・ホールディング への残りの出資分をスピンオフ(分離・独立)すれば、同社の規模は大きく縮小し、ソフトバンクやプライベート・エクイティ(未公開株、PE)投資会社の買収標的になる可能性がある。
マリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は来週、ヤフーが保有するアリババ株 を売却するかどうか、それに伴う納税をどのようにして避けるかについて明らかにする見通しだ。アリババ株はヤフーの時価総額460億ドル(約5兆4500億円)の大部分を占めており、ブルームバーグがまとめたアナリストの推定によると、米インターネット広告・検索事業の価値は約50億-80億ドルと見積もられている。また、ヤフー・ジャパン にも約80億ドル出資している。
ソフトバンク はヤフー・ジャパンへの出資を増やすためにヤフーを買収する可能性があるが、追い詰められている米事業にどれぐらいの金額を支払う用意があるかは不明だ。一方、PE会社にはヤフーの事業が生み出す現金資産は魅力となろう。また、アリババはいつでもヤフーを買収して同社が保有するアリババ株を消却し、米テクノロジー市場に対するエクスポージャーを得ることができるかもしれない。
CRTキャピタルのアナリスト、ニール・ドシ氏は電話取材に対し、「メイヤーCEOは非常に大きな決断を下す必要がある。会社分割か何もしないかの二者択一だ」と指摘。アリババ株を手放せば、「ヤフーはより買収しやすい規模になり、一段と魅力的な買収対象になり得ると考えている」と述べた。
ヤフーはアリババ株約3億8400万株を保有しているが、アリババが米国での新規株式公開(IPO)1周年を迎える9月まで売却できない。現在の保有株の価値は約400億ドル。
原題:Yahoo at $8 Billion Without Alibaba May Lure Buyers: Real M&A(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Tara Lachapelle tlachapelle@bloomberg.net
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更新日時: 2015/01/23 12:26 JST