トランスデジタル事件の真相(1)、逮捕前に元顧問・峯岸一被告らが本誌に語る
■本誌既報のトランスデジタル民事再生法違反事件に絡み、同社が08年に実施した第3者割当増資の一部が架空だったとして、警視庁捜査2課などは8日、金融商品取引法違反(偽計取引)などの疑いで、同社元役員の西村幸浩容疑者を逮捕、社長の後藤幸英被告(=民事再生法違反で起訴)ら4人を再逮捕した。■『産経新聞』(=左写真)などの報道によると、トランス社は08年7月、新株予約権の発行による第3者割当増資をおこなうと公表。後藤容疑者らはこの増資の際、1億6000万円を同社の口座から出し入れする手口で8億8800万円の入金があったように偽装し、同年7月から8月、約31億円を増資したとする虚偽情報を公表した疑いが持たれているという。■実は、逮捕前に本誌の取材に応じた、同社元顧問の峯岸一被告(=右写真)はどのような手口で架空増資をしたか語っていた。「(08年)7月11日に増資が発表されたが、すでに社内にはほとんど資金がなかったため、鬼頭(和孝)の発案で代用払込という制度を使って払込日前に増資資金を集めよう、ということになった。私は、永本(壹桂)さん側にこの話を持ち掛け、トランス振り出しの小切手などを担保に4億円を出してもらった。ところが、(7月29日の)払込日直前になって、鬼頭が代用払込は手続き上のミスでできない、と言い始め、みんな大慌てになるんです。今さら私としても、永本さんに新株を出せません、とは言えない。そこで永本さん側が、名義を3つに分散してくれ、と要求していたことを利用して、見せ金による払込の回転を思いつくんです。払込当日の7月29日、私が1億円、鈴木(康平副社長)が6000万円の計1億6000万円を別のところから借り来て用意した。永本さんの部下の原山(博幸)、前野(森幸)たちにも三菱UFJ銀行赤坂支
店に来てもらい、その場で1億6000万円を原山たちに渡し、トランスの口座に彼らの名義で振り込む形をとってもらった。そして、この金を再度引き出し、原山たちに振り込ませるということを繰り返した。すべて現金で出し入れをしたため、途中で銀行側に身分証明書などの提示も求められ、作業は午前中から閉店間際までかかった。結局、1億6000万円(=2000万株分、1株8円)を2回転させ、そして最後に残りの8000万円(=1000万株分)を 振り込ませたから全部で3回転したことになる」■左に掲げたのは、この7月29日に行使された新株予約権を示すIR資料で、この日交付された新株総数は1億2700万株、行使総額は約10億円に達した。そのうち、青くマーカーをした3人の名義は、山口組系2代目古川組企業舎弟・永本壹桂が実質上、行使した分(5000万株)である。しかしこの日、峯岸被告らが見せ金で回転させたのは、実は永本の分だけでなく、関係者によると、「ほかにも2個人(約2億円)がある」という。つまり、峯岸被告らは全部で5回転させていたようで、このことは捜査当局も把握している模様だ。さらに、三菱UFJ銀行赤坂支店のトランス社口座に振り込まれた見せ金は、同行沼津支店の同社口座を経由して、峯岸、鈴木両被告の個人会社口座に移動。そこから両被告が再度、金を引き出すという複雑な操作もしていた。この見せ金1億6000万円は即日で返済されていたという。(以下次号に続く)
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