部活中に意識不明 2審は県に賠償命じる1月22日 16時44分
8年前、兵庫県の県立高校で部活動の練習中に倒れて意識不明になった女子生徒と両親が、学校の安全管理に問題があったと訴えた2審の裁判で、大阪高等裁判所は、兵庫県におよそ2億4000万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
平成19年5月、兵庫県立龍野高校で、テニス部のキャプテンだった2年生の女子生徒が部活動の練習中に倒れて意識不明になり、現在も寝たきりの状態が続いています。
生徒と両親は、顧問の男性教師が練習に立ち会わないなど学校の安全管理に問題があったとして兵庫県に賠償を求め、1審の神戸地方裁判所は「事故が具体的に予測できない限り、常に監視指導する義務までは負わない」として訴えを認めず、生徒と両親が控訴していました。
22日の2審の判決で、大阪高等裁判所の森宏司裁判長は「生徒は熱中症で倒れたと認められる。顧問の教師には生徒の健康状態に配慮する義務があったのに、キャプテンだった生徒に通常より長時間の厳しい練習を指示したうえ、休憩や水分の補給などの指導もしていなかった」として、兵庫県におよそ2億4000万円の賠償を命じました。
女子生徒の父親は、「学校に責任の所在を尋ねてきたが、娘が個人で考えて倒れたという対応に終始し、モンスターペアレント的な扱いをされた。個人のせいにされてしまえば、同じような事故が何度も繰り返される。われわれは学校が安全な場所であってほしい、事故を繰り返してほしくないとお願いして娘と生きていきたい」と話していました。
また、母親は「倒れたのは1人だけだという冷たい対応が許せなかった。学校の事故で子どもたちの可能性が摘まれないように、スポーツ指導の先生には最善の努力をしてもらい、同じような事故が二度とないよう、せつに願っています」と話していました。
兵庫県教育委員会事務局の廣瀬雅樹体育保健課長は、「判決内容を検討し今後の対応を考えたい」としています。