主人公の黒人少年は最初、「顔が似ている隣国人同士がなぜケンカをするんだろう」と考えた。しかし、仲裁をしているうちに日本が韓国を侵略して植民地にし、創氏改名を強要したり、女性を従軍慰安婦として連れていったりしたことを知る。ケリーさんはこのように幼い読者たちに抵抗感のないように韓日関係の歴史問題を説明している。
ケリーさんは「12歳の子どもたちに韓日関係の歴史の概略を説明する本だ。性奴隷(sex slave)や慰安婦(comfort women)といった子どもたちにとって理解しにくい用語は使わなかった。6巻まで出す予定だが、主人公の成長に合わせ自然な形で慰安婦に関する話を増やしていく予定だ」と話した。
テコンドー公認7段という米国人高段者のケリーさんは、テコンドー礼賛論者でもある。「テコンドーは精神を修養する武道。忍耐と不屈の勇気を学んだ。ぐらついていた10代の時にテコンドーを習っていなかったら、私の人生は今どうなっていたか分からない」と話す。ケリーさんは1990年からジャージーシティーで小さなテコンドー道場を開き、毎週土曜日に子どもたちを指導している。これまで約1000人の弟子を育てたそうだ。
童話に登場するテコンドー師範「キム・ギジョン」はケリーさんの指導者の名前だ。童話が1巻終わるたびに主人公アジャニのテコンドーの実力も上がる。白帯からスタートしたアジャニは、1巻が終わる時に黄帯になり、2巻が終わった時は緑帯を取った。シリーズ6巻が完結したら、黒帯の有段者になる。ケリーさんは「この本を読んだ子どもたちに、本が1冊終わるたびに人生の階段が1段上がるという気持ちを持ってほしかった」と語った。
ケリーさんは日本の歴史歪曲について「専門家ではないので慎重を期したいが、歴史を知らなければ民族間、人種間の確執は絶対に解決できない。きちんと歴史を教えることこそ問題解決の第一歩だ」と話した。