「日本書紀」の659年の記事に蝦夷国の人間を唐に連れて行ったという記事があるが、この記事は、近畿王朝の記事ではない。借り物だ以下は古田氏の最新出版物「失われた九州王朝」から引用。「冊府元亀」から顕慶４年（659年高宗） 十月、蝦夷国、倭国の使に随いて入朝す」とある。一方日本書記は、珍しい顔の種族を唐の天使に合わせに連れて行ったと書いている。ただしカッコ付きで伊吉連博徳書を引用している。こちらがとても詳しく記述されていることから、こちらを利用したと推測できるだろう。伊吉連博徳書は、「蝦夷国」1)という表現を使用。「冊府元亀」の表現と同じであるという。このことから古田氏は、日本書記の記事を造作としている。６５９年は、唐が国際的に認知していた列島を代表する王朝は、天皇家の祖＝近畿ではなく九州王朝であった。この時、列島から倭国（九州付近）日本国の前身近畿王朝、東日本の蝦夷国の３国が唐に入朝したということだ。この時の蝦夷は、今此熟蝦夷＊である。現在の新潟あたりの人たちだ。 倭種とは、たぶん九州の王朝の使人で、「韓智興〓人西漢大麻呂、枉讒我客。2」は、倭種の韓智興の従者が我（近畿王朝の使者）客を陥れようとして、事実をまげ、いつわって悪 (あ) しざまに告げ口をしたとあり、このことにより流罪に着せられそうになった。3）つまり、この時列島から三国の使者が唐に入朝した事実が浮かび上がる。古田氏説）この指摘は、もっともなことである。 = 日本書紀」がミニ中華思想に貫かれ、蝦夷の扱いが蕃夷であるところからもわかる。ちなみに高宗が一番興味を持った国が プロトヨーロッパ族の末裔日本名蝦夷国であること間違いがない =当時の漢籍から、わかることは、流求国・九州倭国・近畿日本国・が国史に登場していることだ。決して日本天皇の国家が列島を代表した国家でなかったことがこの記事から感じられる。 写真は、yama-machi.beblog.jp > 絵葉書で振り返る北遠 http://yama-machi.beblog.jp/photos/postcard/kaneto373.html and アイヌ民族誌から 参考文献 古田武彦「失われた九州王朝」2010年2月ｐ413〜417 以下「日本書記」巻第二十六 朝日新聞社版 斉明天皇五年（六五九）七月戊寅【三】》◆秋七月朔丙子朔戊寅。遣小錦下坂合部連石布。大仙下津守連吉祥。使於唐国。仍以陸道奥蝦夷男女二人示唐天子。〈伊吉連博徳書曰。同天皇之世。小錦下坂合部石布連。大山下津守吉祥連等二船。奉使呉唐之路。以己未年七月三日発自難波三津之浦。八月十一日。発自筑紫六津之浦。九月十三日。行到百済南畔之嶋。々名毋分明。以十四日寅時。二船相従放出大海。十五日日入之時。石布連船、横遭逆風。漂到南海之嶋。々名爾加委。仍為嶋人所滅。便東漢長直阿利麻・坂合部連稲積等五人。盗乗嶋人之船。逃到括州。々県官人送到洛陽之京。十六日夜半之時。吉祥連船、行到越州会稽県須岸山。東北風。々太急。二十二日行到余姚県。所乗大船及諸調度之物留着彼処。潤十月一日。行到越州之底。十月十五日、乗騨入京。二十九日。馳到東京。天子在東京。三十日。天子相見問訊之。日本国天皇、平安以不。使人謹答。天地合徳、自得平安。天子問曰。執事卿等、好在以不。使人謹答。天皇憐重、亦得好在。天子問曰。国内平不。使人謹答。治称天地。万民無事。天子問曰?H1>此等蝦夷国有何方１ 使人謹答。国有東北。天子問曰。蝦夷幾種。使人謹答。類有三種。遠者名都加留。次者麁蝦夷。近者名熟蝦夷。今此熟蝦夷＊。毎歳入貢本国之朝。天子問曰。其国有五穀。使人謹答。無之。食肉存活。天子問曰。国有屋舎。使人謹答。無之。深山之中止住樹本。天子重曰。脱見蝦夷身面之異。極理喜怪。使人遠来辛苦。退在館裏。後更相見。十一月一日。朝有冬至之会。々日亦覲。所朝諸蕃之中。 倭客最勝。後由出火之乱。棄而不復検。十二月三日。 韓智興〓人西漢大麻呂、枉讒我客2」々等獲罪唐朝。巳決流罪。前流智興於三千里之外。3）客中有伊吉連博徳奏。因即免罪。事了之後。勅旨。国家、来年必有海東之政。汝等倭客、不得東帰。遂逗西京。幽置別処。閉戸防禁。不許東西。困苦経年。〉難波吉士男人書曰。向大唐大使、触嶋而覆。副使親覲天子。奉示蝦夷。於是蝦夷以白鹿皮一。弓三。箭八十。献于天子。〉 |
この記事に
九州から東北。南米まで足を伸ばす古田さんのお話は、毎度おもしろいので、なるほどなぁとか思っておりますが。
この箇所、冊府元亀や伊吉博徳書の引用など、見てみましたが、古田さんはどのような解釈をしてるんでしょうか？ご開示いただければ、幸いです。特に「枉讒我客」の内容など。
2010/4/13(火) 午前 10:14
<<コメントに返信するこんばんわもんもさん
p416から抜粋します。９５％【このとき『倭国』の使と『日本国』の使は、共に入朝した。「韓智興の�誠諭廚函崙�本国の使者」が相争い、共に唐朝側に幽閉されたというのは、「伊吉連博徳書」の後半部。
「封府元亀」の文面は、この時蝦夷国使が日本国でなく倭国の使者に伴われてきた、とみなしているのだ。】
2010/4/13(火) 午後 7:04
<<コメントに返信する蝦夷国が独立国である証拠がある。それは「今此熟蝦夷＊。毎歳入貢本国之朝。」の文。
たとえば、美濃国や伊勢国が天皇家に入朝するという書き方はない。明らかに、蝦夷国は日本国と別国なのである。
2010/4/13(火) 午後 7:09
<<コメントに返信するありがとうございました。
「韓智興の�誠諭廚函崙�本国の使者」が相争い、共に唐朝側に幽閉された＞時期が時期だけに、たいへんなエピソードですね。
2010/4/14(水) 午前 9:30
<<コメントに返信する古田さんが、多賀城碑から見た北国史を論じていたので、掲載しておきました。
http://blogs.yahoo.co.jp/monmoblog/13283025.html
2010/4/14(水) 午後 4:14
<<コメントに返信する海沿いは侵攻がかなり北まで行っていますが、大山の東の山中は、遅れていたと思います。甲斐は蝦夷 カイ で、668年以後高句麗により支配され、山梨評となり、731年に甲斐国になった。甲斐はカヒのはずで、蝦夷はカイなので、この区別がつかなくなっていると思います。熟蝦夷は甲斐だと思いますが。
[ ish*ya*ate*a ]
2013/5/15(水) 午後 10:21
<<コメントに返信する海から内陸に入るのが初期のルートです。
内陸は駅（点で結ぶような）を飛び飛びに配置。
そこに柵をつくって開拓民を入れる。周囲には熟蝦夷のような田夷化下部族を公民に入れていく。
最後に残った人たちは自由を求め、山々を動く。
こんな感じですか
甲斐・長野あたりは、縄文人が残っていますよね。
2013/5/16(木) 午後 10:58
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