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戦時中の「病院ごう」の臭いを再現 沖縄
1月22日 20時50分

戦時中の「病院ごう」の臭いを再現 沖縄
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太平洋戦争末期の沖縄戦から70年の節目に合わせて、沖縄県南風原町にある陸軍病院ごうで、戦時中、中に籠もっていた、負傷した兵士の血や汗が混じった強烈な臭いを再現し、戦争について考えてもらう取り組みが来週から始まることになりました。

沖縄県南風原町で、8年前から一般に公開されている陸軍病院ごうは、旧日本軍によって掘られた長さおよそ70メートルのごうで、沖縄戦当時、負傷した兵士が相次いで搬送され、ひめゆり学徒隊などが手当てに当たりました。
病院ごうを管理する南風原文化センターは、22日記者会見し、沖縄戦から70年の節目に合わせてごうの内部に籠もっていた臭いを再現し、戦争について考えてもらう取り組みを始めると発表しました。
当時、ごうの内部には、負傷した兵士の血や汗が混じった強烈な臭いが籠もっていたということで、南風原文化センターは、元ひめゆり学徒の協力も得て、専門家と共に臭いを再現したということです。南風原文化センターは、再現された臭いを小さな瓶に詰め、今月26日から陸軍病院ごうを訪れた人のうち希望する人に嗅いでもらうことにしています。
南風原文化センターの上地克哉さんは、「ごうの中の狭さや暗さに臭いが加わることで、沖縄戦の状況を感じてもらい、あの戦争とは何だったのか考えてほしい」と話しています。
また、臭いの再現に協力したひめゆり平和祈念資料館の島袋淑子館長は「けがをした兵士の血やうみ、ふんや尿の臭いが混ざりあったごうの中の臭いは何とも言えず、水くみなどで外に出て再びごうに入ろうとすると吐き気を催した」と当時を振り返りました。
そのうえで、臭いを再現する今回の取り組みについて、「当時の臭いはもっときついものだったと思うが、こうして再現してくれたことに敬意を表したい。再現された臭いを通して、若い世代が、悲惨な病院ごうについて思いを巡らし、“戦争を起こしていけない”と考えるきっかけになってほしい」と話しています。

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