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着雪防ぐLED信号機、導入進む――フラット型主流に(北陸リポート)

[ 2012年11月2日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

厚さ6センチ、積もらず 幹線中心に設置へ

 真冬の運転時、交差点で信号が雪に覆われてよく見えず、ヒヤリとした経験はないだろうか。省エネルギーの発光ダイオード(LED)を使う信号機が普及してきたが、点灯面のレンズに雪が積もると解けにくい弱点がある。北陸3県では、厄介な着雪を防ぐ新しいLED信号機の導入が進みつつある。

 電球式信号機は着雪が発熱で解けるのに対して、LED信号機は低消費電力があだとなり、吹雪などの後では積雪がレンズに残りがちだ。信号の色が分からなくなると衝突事故の恐れがあるので、現場の警官らが備え付けの棒でかき落としている。

 着雪を防ぐため、信号機メーカーのコイト電工(静岡県長泉町)が開発したのが、フラット型と呼ばれるタイプだ。点灯面の厚さは6センチ。従来の半分以下の薄さで、下向きに約20度傾いている。ひさしはなく真っ平らなため、降る雪が点灯面にたまらない仕組みだ。

 福井県警は2010年度に南越前町の桜橋交差点などにフラット型を導入した。着雪防止効果があったとして、これまでに県内34カ所に設置した。

 11年度から京三製作所と日本信号が開発したフード型と呼ばれるタイプも導入した。直立した点灯面に透明なアクリル製フードをかぶせ、雪が滑り落ちるようにしている。15カ所に設置した。

 両タイプとも価格は約15万円で、従来のLED信号機とほぼ同じ。福井県警では「今後、信号を更新する際には、着雪防止型にする」と言う。

 石川県警は09年度に県庁近くの南新保交差点にフラット型を導入。これまでにフラット型を82カ所、フード型を7カ所に設置した。ただし「フード型は雪をかぶることがある」として、今後はフラット型あるいは短いひさしの信号機を設置する考えだ。

 富山県では取り組みが遅れ、この夏に富山駅北のロータリーにフラット型を試験導入したばかり。「今年度は効果を見極める。来年度以降の方針は未定」(富山県警)とまだ手探りの段階だ。

 新型のLED信号機は点灯面の縦横の選択にも影響を及ぼす。積雪が少なめの石川ではほとんど横型だが、福井と富山は縦型が圧倒的。縦型の方が雪のたまる面積が少なく、大雪に耐えられると考えられてきたからだ。

 だが福井県警が今年度、福井市内に設置したフラット型は5カ所とも横型。「複数車線では横型の方が隣の車線から見やすい」との理由だ。着雪防止タイプなら縦でも横でも積雪の問題はなくなる。今後は横型が増えるとの見方が有力だ。

 冬の交通安全は信号機の見やすさにかかっているが、各県警が毎年度更新する信号機は財源が限られているので、一気にというわけにはいかないのが実情。「交通量の多い幹線道路を中心に切り替えていくことになるだろう」(福井県警)という。

(福井支局長 池辺豊)

 ▼LED信号機 赤・青・黄色のLED素子を多数集積して発光する。電球式信号機のような反射板を使わないので、西日が当たって何色か分からなくなる疑似点灯がなく、安全性が高い。疑似点灯の恐れがないことから、反射光を防ぐひさしが短くて済む。ひさしが短いと着雪量が減り、雪の重みで壊れにくい。消費電力は電球式の5分の1から6分の1。電球は1年程度で交換の必要があるが、LEDは10年程度保守が不要とされる。

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