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「労働組合活動に参加したことがあるか」 「組合活動に誘われた場所、時…
「労働組合活動に参加したことがあるか」
「組合活動に誘われた場所、時間帯は?」
こんなアンケートを3年前、職員に実施した大阪市と弁護士に、大阪地裁は「憲法上の権利を侵害する設問があった」として賠償を命じた。
アンケートを主導したのは橋下徹市長である。市長は判決を重く受け止め、労組との対立関係を見直すべきだ。
橋下市長就任後、市が労組対策を巡って敗訴するのは3度目だ。昨年9月、組合事務所を庁舎から退去させたことが違法とされ、その2カ月後には教研集会を小学校で開こうとした教職員組合に会場を貸さなかったことが、やはり違法とされた。
今回のアンケートは「回答しなければ処分の対象となりえる」とする市長名の文書が配られ、「業務命令」として名前や所属を書くよう求めていた。
判決は「組合活動への参加を萎縮させる効果を有するもの」「懲戒処分という威嚇力を背景に記名式で実施した」と、調査手法そのものが妥当でなかったと認定した。
かつて大阪市では労組が人事に介入していたことや、労使一体となって選挙運動をしたことなど、不適切な関係が次々と問題になった。判決は「調査の必要性がなかったとはいえない」と、アンケートの意義までは否定しなかった。
しかし政治家を応援する活動への参加の有無や、活動に誘われた場所まで答えさせるのは、明らかに行きすぎだ。
公務員であっても憲法上の団結権や、プライバシー権は保障されている。判決はこうした基本的な権利が侵害されることがあってはならないことを改めて指摘し、市の強引な手法をいましめたといえる。
大阪市では、組合と市が今なおまともに話ができない関係にある。
組合執行部が、職場ごとに意見を聞く。こんな当たり前の活動すら、大阪市では勤務時間内外を問わず、庁舎内の会議室ですることが条例で禁じられ、公園や喫茶店で会議を開く職場もあるという。これでまともな労使関係といえるだろうか。
橋下市長は「調査の必要性はあったと思っている」と、昨年の2件と同様、今回も控訴の意向を示している。
主張が異なる以上、上級審まで争う選択はあろう。だが、もっと労組や職員と正面から対話できないものか。普通に話し合える関係になってこそ、よい仕事が生まれるものだ。
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