札幌女性遺体:自殺の男を殺人容疑などで書類送検へ

毎日新聞 2015年01月22日 22時56分

 札幌市厚別区で昨年5月、近くに住む福祉施設職員、伊藤華奈さん(当時25歳)の遺体が見つかった事件で、北海道警は23日、同市清田区の会社員の男(33)=昨年死亡=を殺人と死体遺棄容疑で容疑者死亡のまま札幌地検に書類送検する。道警は参考人として男を事情聴取する方針だったが、直前に自殺したとみられる。

 捜査関係者によると、男は昨年5月4日午前1時ごろ、自宅マンションを出てきた伊藤さんを車で連れ去って殺害し、数百メートル離れた緑地に遺棄した疑いがもたれている。

 現場周辺の防犯カメラに男の軽自動車と似た車の一部が映っていたことなどから、参考人として浮上。しかし、昨年9月23日に事情聴取しようとしたところ車で逃走して行方不明となり、10月6日、北海道仁木町の橋の下で首をつって死亡しているのが見つかった。

 道警は▽遺体発見現場と男の車から、伊藤さんのコートに付いていたとみられる同一のボタンが見つかった▽現場で見つかった物質のDNAが、男のDNAの可能性がある▽事件後の行動が不審−−などから、男が関与した疑いが強まったと判断した。

 伊藤さんは昨年5月4日午前1時ごろ、婚約者に「助けて。警察を呼んでほしい」と電話したのを最後に連絡が途絶え、道警は札幌厚別署に捜査本部を設置し捜査していた。【酒井祥宏、三股智子、日下部元美】

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