職員アンケートで賠償命じる01月21日 15時23分
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大阪市が、職員の組合活動や政治活動について行ったアンケート調査について、労働組合などが憲法違反だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は「質問の一部は、憲法で保障された団結権やプライバシー権の侵害にあたり違法だ」と指摘し大阪市などに約40万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
大阪市は、平成24年、弁護士などの調査チームが実施する形で、市職員約3万人を対象に、労働組合の活動への参加や、特定の政治家を応援する活動経験について記名式のアンケート調査を行い、橋下市長は、職務命令とした上で、回答しない職員は、処分の対象になり得ると通知しました。
これについて、大阪市の職員でつくる5つの労働組合などが、憲法で保障された権利を侵害されたとして、賠償を求めていました。
判決で、大阪地方裁判所の中垣内健治裁判長は、「労働組合の活動への参加についての質問などは、憲法で保障された団結権の侵害にあたるほか、特定の政治家を応援する活動経験についての質問などはプライバシー権の侵害にあたり違法だ。橋下市長は、アンケートの内容を確認することすらせず、漫然と職務命令を出して回答を義務づけており、職員の憲法上の権利を侵害した」と指摘し、大阪市と調査チームの代表だった弁護士に約40万円の賠償を命じました。
大阪市のアンケート調査については、中央労働委員会が不当労働行為と認定し、橋下市長は、去年、労働組合に対し、同様のアンケートを繰り返さないことを誓約し、謝罪しています。