14-2
突き詰めれば良き厨二設定や厨二キャラになる事ってありますよね
嗅覚って大事だなって思います
あれから数日が経過した。
ルクレシアの言っていた仲間たちは実は強いと言う言葉に期待しながらエマ(トルデリーゼ)とルネ(ダフネ)は早速公務に準じていた。
泊まる家はルクレシアの家である。
一応素性がばれてはいけないのでかくまってもらっているのである。
彼の家は何て事の無い。質素なごく一般的な家である。
しかし、ながら本や資料ばかりでとても年相応な部屋とは言えないのだが。
彼女達もそれが不思議で部屋に入ってしばらくしてから問いかけた。
何でこんな素っ気ない部屋なの?
返ってきたのは冷めた視線である。
「何が言いたい?必要な物はそろっているはずだ」
「何て言えばいいのか。とてもユニークさに欠けると思うの」
控えめにトルデリーゼは言うがルクレシアは首を振る。
彼は彼女に呆れていた。
何故他人に言うのかがわからないからである。
「なら貸したお前の部屋をユニークにしてくれ。この方が暮らしやすいんだ」
それだけ言うとルクレシアはデスクに向かい王政府から支給された魔導コンピュータを起動させる。
これは企画したり、魔道具を設計する時にプログラムするものである。
小気味良いキーの音が響き彼はエマとルネとの会話を遮断した。
しかし、それではつまらないルネはルクレシアの肩にもたれ掛った。
「暇な時は甘えたくなる気持ちってわかります?」
甘ったるいトーンで問いかけてくるルネはルクレシアの反応を楽しみたいようだ。
しかし、仕事モードのルクレシアに通じるわけもなく。
彼女は強引に腕を掴まれる。
いきなりの展開にもしやと期待するが、部屋にある研究用魔道機器が次々と起動されて空中へと展開していく。
「では、ご期待に応えて語らおう。この国の今後と国がどれだけ沈み窮地に陥っているのかを」
捕獲されいきなり勉強会が始まった事にエマはルネを恨ましげに睨みつけた。
余計なことを。
ごめんなさい。
二人のやり取りなど何のその。
ルクレシアはしかめっ面で話し始めた。
一年半前から国の異変を調査し始めた。
そこで様々な事が明らかになっていった。
予想以上に腐っていたのである。
まずは数年前に死んだとされているウルスラ殿下の不自然。同時に消えたシーゾル家の令嬢。
同時期に現れた現在国を実質支配している幼き二人の権力者。
大将クラスなのにもかかわらず、ろくに仕事を与えて貰えずに王都に縛り付けられている女大将。
既に対象になってもおかしくない功績を立てているのにもかかわらず、中将止まりのバカ。
ウルスラが居なくなった途端に明るくなった冴えない姫君約一名。
おかしい法律と締め上げの政治。
他国の異常な動き。
アバレスティ大陸の中間に位置する隣国。
アルマン人の国であるドレスリヒテンの度重なる領土侵犯。
西側に位置する隣国リーデ人の住まうリーディルスロウの活発な動き。国内暴動。
大陸が誇る3英雄。
リーディルの英傑王。
ドレスリヒテンのフランベルジュ。
そして、ここリルマン人の国であるメリルアースの燈華の剣聖。
この中で燈華の剣聖だけ空席となっている。
過去は世界を牽引していたはずのメリルアースは鎖国し全ての貿易を断ち切っている状態。
その直後に建国された場所もわからぬ国がある。
それが咎の国。
犯罪者リーヴァスが設立した犯罪機関として知られているが、現在は国として存在している忌まわしき国である。
それともう一つあるのは原因不明の新病が数年前から出現した事。
めちゃくちゃで医者も原因がわからないと言う病気だ。
対象者は迫害されはじめた。
それと同時期に密かにテロ行為が行われ始めた。
調べた結果。住居をテロリストが囲み微弱な目立たない魔法によりターゲットを弱らせている様だ。
ターゲットにされたのはいずれも力を持たない非魔法使い。戦闘員。
伝手もなく至って庶民な存在である。
しかし、この問題は現在は過去形だ。
これは3か月ほど前に解決してある。
あえて被害者に成ってテロリストのターゲットとなり仕組みを理解して公表した。
援護には上記の2将軍と他にも様々な人が協力してくれた。
忌々しい行いだった。
テロリズムと言うのは目に見える過激な物ばかりではない。
人間が知恵を蓄えた結果により残酷になっている。
社会の仕組みは知っているか。
天辺があり、そこから下って傘が出来る。
それが国であり、世の中。
天辺は王政府であり、国を管理する者達。
王政府型は必ず王が天辺に居り、経済界も王につき従うものだ。
王政でなければ経済界がトップにもなりえる可能性があるが、他国との関係も考慮した上で上下関係が出来上がるのだが、この国は王政。
至ってシンプルなシステム。
だからこそ、一つ押さえれば全てが釣れる。
病院も建設業も食品関係も。
政府の承認なしには成り立たぬ。
つき従わなければ、稼ぐ場がなくなる。
王政府が取り込まれてしまえば王を打倒する以外に手はないだろう。
しかし、打倒するにも王周辺に違和感が多い。
くすぶっている奴も多いが今は耐えている。
操られている可能税が捨てきれない。
焦って潰せば様々な問題が隠蔽される可能性もある。
お前達は人を操る技術の種類を知っているか。
魔法の系統は三つある。
一つは精神干渉系の魔法。
二つ目は幻術系の魔法。
三つめは雷系魔法。
最後の電気はピンと来ないだろう。
脳には指針があり信号がある。
それを雷は代替わりできる。
雷とは奥が深い魔術、魔法であり、恐ろしくもある。
しかし、恐ろしくもあるが考え方を変えれば無様にも映る。
例えれば雷は二次元。ゲームとかで一方向にしか進まない奴があるだろう。
あれだよ。
ゲームのキャラはコントローラーで誘導すれば従順にそちらに向かう。
雷も同じだ。
あれは引き寄せられるものを前に置いてやればケツふってホイホイついて行くようなビッチだ。
御しやすいが気づかなかったり御せないと辛い代物でもある。
よく言うだろう。馬鹿な女だと思ってたらいつの間にかバックに何かいて騙されて一文無しみたいなあれに近い。
寒い冬を迎えない為には気を抜かない事が大切でもある。
回路を断つなり何なりしてな。
雷は不器用なビッチだ。後ろ盾やつなぎ目や誘導してくれる物や増強材料がなければ弱まり霧散するような頭の悪いビッチだ。
だが、頭の悪いビッチの特性として面倒くさい奴が群がるのが世の常である。
なら、どうなる。
雷はビッチだ。だから様々な物と共存出来る。
故に単なる障害物でさえもビッチのただでさえデカい態度を増強させる原因へと繋がる。
例えば窓ガラス。特定の物質を通過する事で雷はより強化される場合がある。
窓ガラスを味方につけたビッチは後ろ盾を手にした事で間違いなく冤罪を吹っ掛けて来て対象者の体力を大きく削るだろう。
奴らを相手にする時は深い注意が必要になる。
雷かっけぇとかうわぁ綺麗イッツァ!イルミネーションなどと言っていたらいつの間にか天に召される事もある。
雷は微弱な物には気がつきにくい。一般人ならば無理だろう。
だからこの国ではテロ行為に悪用されぬようにすでに対策が練られて注意喚起されているのだが、全ての家の面倒を見るのは骨が折れる。
恐怖心に駆られた国民がこう言って来た。
家具の磁石は取れないと。
磁石は擦ったり動かすだけで微弱な電気を生むのは知っているだろう。
あれは魔法物質としてこの国でも有名だ。初級の雷使いは必ずあいつを利用するものだ。
しかし、一般人には恐ろしいらしく家具からとれないと嘆いていた。
ネジが潰れて回せないんだと言われた。
その場合は深く考えずにプラスドライバーとか適当な物を引っ張ってきて先を火で炙り、掘り起し頃合いを見てテコの原理で強引に引き離せばいい。
ステンレスの板などもテコの原理やドライバー炙り掘り起しで引き剥がす事が可能だ。
引っ張るのは難しいぞ。あんまり勢いが過ぎるとステンレスとかは騒音にもなるからな注意が必要だ。
一時間おきとかに地道に休憩しながらやれば必ず撤去できるだろう。
しかしながら注意喚起を気にも留めない者も当然いる。
雷の性質すら知らない馬鹿な仲間がいるならば
「スタァップ!貴方が知るだけで治安があがる。皆で作ろう安全な街。王国騎士団」
などと止めてやればいいだろう。
「このように」
ルクレシアは自作の注意喚起ポスターを見せつけた。
真っ赤な背景の中央に雷マークがあり、それを円で囲む様にデンジャラスと言う文字がグルグル回っている。
彼女達はルクレシアに視線を送る。
「これじゃ誰もわからないよルクレシア」
国民の混乱を招いた張本人に彼女達は胡乱げな視線を向けた。
しかし、当の本人は自慢げであり、表情を引き締めて話を続けた。
雷は微弱な物には気が付きにくい。一般人ならば無理だろう。
そんな知っている人間がいるだけで対策を練られてしまう惨めで強力な雷をこの世界で最も上手く使える人物がいる。
旧ラクシル帝国軍ナンバー2ドーヴァ。
現在は咎に加わったと言う噂がある。
雷を操る事においては右に出る者はいないが、拷問に関しても右に出る者はいないと言われていた。
実際にテロを統率し犯行に及んでいたのもこいつであった。
旧ラクシル。現在は亡国であり、国民にとっては記憶に新しい。あの凍えるよな国だ。軍も政府も凍えるように恐ろしいかった共産国。独裁を是としていた国だ
様々な国に侵略行為を繰り返していた旧ラクシル。
二枚舌よろしくであった。ダブルスタンダードを通常兵装としている旧ラクシルの残痕だ。
以前ラクシルは中堅国の複数の領土をかすめ取り世界から反感を買った過去があり、その体制は亡国となるまで変わりはしなかった。
これはまだ国が正常に動いていた時の事だが、その時にメリルアースと大きな戦争をして負けたラクシルは亡国と化した。
奴らが大量に所持していた危険物質の排除は何やらリーディルが行ったと言う話がある。
その時に最も活躍したのが、ベイルと言う先ほどの昇進が止まった中将である。
ラクシルはみんなあいつを恨んでいると言う。
しかし、その時に良い事ばかりではなかった。
ベイルと同期であり、行動を共にしていた女騎士が国を抜けて姿を消している
ラクシル滅亡後、軍のナンバー1であったノア・グランロードはリヒテンに流れ今やフランベルジュとして活躍している。
一方リーディルは、豪傑スロム・ディルカルを罪人に仕立て上げて排除した。
ドレスリヒテンに居た世界最高の学者と言われている女性は行方不明。
咎のせいで、もうめちゃくちゃだ。
この国に最初に来た時も王都近くの街に咎の溜まり場があり、犯罪の温床となっていた。
加えて今回の街乗っ取り。
問題が山積みだ。
国民締め上げの労働法もそうだが、変えなくてはならない問題が山積みである。
既得権益とその他不正金の流れはある程度把握済み。
多分漏れがあっても他の奴らが知ってる。
あとはどう潰すかだ。
王政を腐敗させた者の心当たりもある。
と言うか調べた。
王政府に取り入るなど普通は出来ない。
いるんだ。心が弱くつけ込まれるような奴が必ず。
政府にいきなり現れた双子を手引きした王族がいる。
目星は付いている。
クラリッサ。ウルスラと歳が近い妹であり、姉といつも比べられ劣っていた暗い王女。
哀れなクラリッサと笑われていたぐらいだ。
抱えていた者があるのだろう。だからと言ってテロ行為など断じて許されないが。
それにクラリッサは双子が現れてからやけに明るいらしい。
説明を踏まえたうえで。
実行犯はクラリッサ。双子。ドーヴァと言ったところだろう。
色々揃ってきた。
皆決起の時を待っている。
二人共国民の為に立ち上がる準備をしておいてくれ。
それだけ言うとルクレシアは仕事に戻ろうとするが、エマとルネは聞きたい事があった。
二年前に入隊して半年間でどうして異変に気付けたの。
問いかけに対してルクレシアは眼を見開いた。
しかし、直ぐに伏目がちになり悲しい色合いを見せる。
「好きな人がいた」
花屋の娘で。どんな花よりも美しいのに平凡で。
誰にでも優しくて貴族でも羨むような女性だった。
彼女に引かれて行き、考え方が変わった。
ハンナ。
彼女の命は尊いルクレシアの中ではとても大きな存在。
故に変えなければならないと思った。
あっさりと侵入を許し、昨日まで笑顔で接していた大切な人がいなくなる現実に終止符を打つために。
それだけ言うとルクレシアはどんなに問いかけても喋らなくなった。
翌日エマはそのことをドロシーに話すと、彼女はあいまいに笑いながら思い出の品と思われるアルバムを見せてくれた。
「ルクレシア。彼の本当の姿は現在記録されていない。今の彼はまやかしルクレシアの事を良く知る人は彼の二年間をこう言うわ。まやかしの二年間だと。最も私は二年間のルクレシアを天使時代と名付けるけどね。純粋な頃はよかった」
エマとドロシーは二人並んでアルバムを鑑賞し始めた。
ルネはウルスラの名前を聞いてか瞳に涙をためて動揺しているようだったから誘うのは遠慮しておいた。
.何故あんなに思いつめたのかはわからない。
しかし、思うところがあるのかもしれない。
憧れだとか。
考えてもわからないのでエマは楽しげに話すドロシーの話に聞き入った。
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