クロレラ:初の広告差し止め命令…医薬品と誤認 京都地裁

毎日新聞 2015年01月21日 22時21分(最終更新 01月21日 23時06分)

問題のクロレラ研究会のチラシを手にする長野弁護士(右)=京都市の京都地裁で2015年1月21日午後2時5分、土本匡孝撮影
問題のクロレラ研究会のチラシを手にする長野弁護士(右)=京都市の京都地裁で2015年1月21日午後2時5分、土本匡孝撮影

 健康食品の「クロレラ」に高血圧の改善など医薬品のような効能があると宣伝するのは景品表示法に違反するとして、NPO法人「京都消費者契約ネットワーク」(京都市)が健康食品販売会社「サン・クロレラ販売」(同)に新聞折り込み広告の配布差し止めを求めた訴訟の判決が21日、京都地裁であった。橋詰均裁判長は「あたかも医薬品であるとの誤認を引き起こす恐れがある」として、同社に広告配布の中止を命じた。NPOによると、症状改善を宣伝する健康食品の広告差し止めを巡る司法判断は全国初という。

 訴状によると、同社は「日本クロレラ療法研究会」の名称で新聞に広告を折り込み、「(藻の一種の)クロレラなどを摂取すれば肺気腫や高血圧、自律神経失調症が改善する」などと宣伝。NPO側は、商品が実際より著しく優良との印象を与える景品表示法の優良誤認表示に当たると主張した。同社側は「研究会と会社は別」「商品名は表示しておらず、単にクロレラ等の効用を紹介しただけ」と反論していた。

 判決は、研究会が同社の一部門であると認定。広告が優良誤認表示に当たり、「一般に許容される誇張の限度を大きく踏み越える」と指摘した。

 NPO事務局長の長野浩三弁護士は「画期的な判決。同様の広告を出す他業者への警鐘となる」と評価。同社代理人の和田敦史弁護士は「効果の有無は関係ないとした形式的判断で極めて不当」とし、大阪高裁に控訴する方針。【土本匡孝】

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