電王戦出場記念! | 書籍化されたで! | 監修したで!(`ω´) | 絶版なってしもた | Kindle版で復活!! | 記事書いたで! | |
|
|
|
YaneuLabs / やねうら王公式 / やねうらおにメール / twitter / プロフィール |
■ 2014/10/24 22:30 ETV特集「棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負」
明日のNHKで、以下の前回の電王戦の特集があります。以前、私が取材を受けたときの映像を再編集したものらしく、今回は1時間番組なので前回の『サキどり』のときより詳しく取り上げてもらえるようです。
NHK Eテレ ETV特集「棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2014/1025.html
■ 2014/10/24 24:00 Bonanzaのmake_listの38要素化
Bonanzaのmake_listの38要素化について解説記事を書いたので興味のある人は御覧ください。
Bonanzaのmake_listの38要素化
http://d.hatena.ne.jp/LS3600/20141024
Bonanza方式の評価関数 ≡ やね裏評価関数 ≡ make_listの38要素化 となる。(ここでの“≡”は、相互変換可能という意味)
以前、私はこれを数学的に証明した。Aperyの平岡さんが、先日ファジー学会誌にコンピュータ将棋について寄稿するときに「Bonanza方式の評価関数 ≡ make_listの38要素化」について書いてくれた。
ここに俺様の大変エレガントな証明を書いて皆様に堪能していただきたいところだが、このブログの余白はそれを書くには狭すぎる。(とか言って逃げる)
■ 2014/10/25 17:00 人間とコンピューター将棋との違い
よくプロ棋士の方は「将棋ソフトはコンスタントに80点の指し手を出せる。だから強い。」みたいなことを言いますね。また、「人間は100点に近い手を指せるが、たまに0点の指し手を指してしまう。」と。
この意見には賛否あるようですが、勝率が人間とソフトで等しい状況においては、正しいと私は考えます。そのことを以下で簡単に説明します。
人間は短手数の読みを見落とすことがあります。プロでも3手詰めや5手詰めを見落とすことがあります。一方、将棋ソフトは0.1秒の思考時間でも7手詰め以下を見落とすことはないでしょう。
人間には短手数での見落としがあるにもかかわらず、ソフトと勝率が等しいということは、長手数の読みや大局観において人間が短手数での見落としを補うだけの力が総合的見てあるということですね。(勝率が等しい状況においては、です。)
なので、勝率が互角ぐらいの人間とソフトが相対したときに冒頭のような発言が人間側から出てくるのは、これはまことに正しいのです。
ところが、最近は、ソフトのほうが勝ち越すということもあって、そうなってくると「長手数の読みや大局観」においても人間のほうが優れているのか何とも言えなくなってきます。人間のほうがソフトより正確に形勢を判定できるかどうかは、その局面の性質次第と言えるのかも知れません。(例 : 実際に先を読まないと形勢が判断できないような局面だと人間は相対的に苦手である。)
■ 2014/10/26 16:00 これちゃんと動くんか?
いま棋譜からの学習部を一から作ってます。棋譜からの学習部、あとは棋譜読み込みとPV(最善応手列)求めるところを書けばだいたい完成。たぶん今日の深夜ぐらいに完成。それできちんとパラメーターが収束するかどうかはワカラン…。
今日は私の誕生日なので誕生日祝い(?)に一発で動いて欲しいものだが…。
誕生日と言えば11月3日が息子の誕生日なので決勝で上位に入賞して息子の誕生日プレゼントを買ってやりたいのだが、いまのままでは上位に入賞どころか、予選を突破できるかどうかすら怪しい。というか、こんな状態で参加できるかどうかすら怪しい。
とりあえず棋譜からの学習部は9割ぐらい出来た。AWSを借りようと思っていたが仮想32コアマシンが1時間4,5ドル程度。物理16コアでしかも2.8GHzなのでCorei7 4771 3台分ぐらいの価値しかない。
棋譜からの学習部を並列化したほうがよろしい。並列化するためには別PCとデータの送受信をする必要があるが、もっとお手軽にやるにはWindowsの共有フォルダ上で棋譜からの学習の実行ファイルを動かせば良い。
2. 実行ファイルをネットワーク共有しているフォルダ上に置く
3. それぞれのPCで棋譜からの学習のための実行ファイルを起動する。
4. 片側はmaster、もう片側はslaveだとする。
5. イテレーションごとにslave側はKPP,KKPの値をどう動かすかという勾配値(derivative)をファイルに書き出す。master側はそのファイルを見つけたら丸読みして、その値を自分のderivativeに加算。
6. master側、イテレーションの最後にKPP,KKPの値をファイルに書き出して、derivativeファイルを削除。
7. slave側、derivativeファイルが削除されていたら、(共有フォルダ上にあるmasterが書きだした)KPP,KKPのファイルから読み込んで次のイテレーションへ。
8. master側も次のイテレーションへ。
これなら1時間もあれば実装できる。台数が増えたときもこのやり方を少し変えるだけで対応できる。
とりあえず棋譜からの学習部は書けた。学習に使う棋譜は64個でテスト中。
駒割りだけだと深さ3の探索において、棋譜との指し手一致率は26%。1回目のイテレーション後、深さ3の探索において指し手一致率32%に上がったので学習自体はうまく書けているようだ。(過学習するかとかちゃんと収束するかとかそのへんは知らん…)
Bonanzaでは指し手一致率は40%ぐらいになるので、最終的に数万棋譜に対してそれぐらいの一致率にならなければならない…が、時間がないな…。
あと、さっき走らせてたら、アクセス違反で落ちた。原因調べるのにデバッグモードで走らせないといけないが、デバッグモードだと100倍ぐらい遅いんだよ…。助けてくれー。
今日中に並列化までやってうまく学習が回せる状態になってなければ、もう駄目ですわ…。
せっかく面白くなってきたのになぁ…。
並列化はまだだがデバッグは一応終わった。PC並列化は、もう少しの間、手作業で値をある程度のところまで収束させてからにしようかと思う。
それで私の対局棋譜からのみ(!)学習させてみた。棋譜の数は16局。ちなみに私の棋力は将棋ウォーズで3,4段。
・学習に使った棋譜 = 16局。棋譜の内容 = 私 vs 私。
・depth = 3 , iteration = 16 , step = 4
※ Bonanzaではrootで1手進めてからdepth分読むのでdepth = 3だと4手読みの意味になるが、ここではrootから数えて3手の意味。
やねうら王側の棋力、いまの状態でたぶん初段〜3段ぐらい。ちゃんと王を囲ったりするので見ていて面白い。独創的な囲いをする。KPの左右対称で同じ点数をつけているためか、初手38金(たぶん78金と同じように思っているのだろう)とか指すことがある。
試しにBonanza6とやらせてみたら、形勢の評価がまるで違う。もちろん、Bonanza6のほうが正しい。しかし、面白いことに入玉だけは、このバージョンのやねうら王のほうが明らかに強い。Bonanza6が全く入玉しないのに対して、やねうら王はうまく入玉して、自玉の周りを固めながら駒得を果たして逆転してしまった。
これは、次元を極限まで下げて学習させた成果だろう。入玉将棋のような未知の局面に対してもそれ相応の指し手が指せることが証明された。
わずか16局の棋譜(それも私の棋譜!)から学習したのに入玉将棋がきちんと指せるというのはなかなか凄い。これをもって、やねうら未来学習メソッドの有効性が示せたと思う…が、いささか過学習ぎみになっている気もする。このへんの調整が当日までに出来るかどうかは正直わからん…。
AWSで32コアマシンを借りたよ!計算資源としてはコスパ悪すぎると思うけど、1分、1秒が惜しいので仕方がない。AWSの料金回収メソッド(なんじゃそりゃ)が現地で炸裂するといいですなぁ…(´ω`)
少ない棋譜から学習する能力はあるので、とりあえず相対KPPのほうがある程度収束するところまで棋譜の数は64ぐらいで回して、そこが収束してから指し手一致率を確認しながら棋譜の数を徐々に増やしていく作戦。
AWS借りたけど、iteration思ったほど回らないよ…。1回のiterationに結構時間がかかって、全然回せないよ…。回数まわさないと収束しないというのに…。
今晩並列化して、AWSを100台ほど借りれば2,3日で収束するのかも知れないが…。1時間400円だとして、
かぁ…。電王トーナメントの1位の賞金超えてるんですけど…。
■ 2014/10/30 5:00 うわっ…私の次元、低すぎ…?
ここで残念なお知らせがあります。
評価関数パラメーターの次元下げですが、どうも学習に時間がかかりすぎることに気づきました。KPP、1つのパラメーターを128に分解していたのですが(NDFは4つに分解)、これだと学習におおよそ128倍の時間がかかります。探索している時間とかもあるので実際は128倍よりは小さな数字のはずですが、仮に50倍程度だとしても本来棋譜からの学習にはハイエンドのマシンで2週間程度はかかるので、50倍はやっぱり大きい数字です。
そこまで次元を下げると、人間のようにわずかな棋譜から学習できて、その人間っぽさに(指し筋のへたれさも含めて)ちょっと興奮していたのですが、いかんせん時間がかかりすぎます。
そこで次元下げは128から16に変更します。これでも通常の16倍近くの時間がかかるのでどうなるかはわかりませんが…。とりあえず初期値を以前のやねうら王の評価関数の値から無理やり次元下げしたものを与えたので、0から回すよりは収束するのは早いかと思います。
・thread = 32 , depth = 3 , step = 32
・1回のiterationが7時間程度 → その後、高速化して6時間弱になりました。
ソフトの改良はこれにて終了。当日、余力があればブログに何か書きます。
いまの状態だと決勝に残れるかどうかすら怪しいですが…。
■ 2014/10/30 14:00 並列化は辛いよ…
AWSで10台ぐらい借りて並列化しようかといままさに考えているところですが(30万円ぐらいかかりますが…)、学習用の評価関数ファイルが大きくて、これをネットワークごしに送り合わないといけなくてPCを分けてもそんなに効率が出ない & 実装が結構手間がかかる & ネットワークの転送量に対して料金が課せられるところでやりたくない、みたいな理由で今回は見送り。
代わりに学習を少し高速化しました。20%ほど速くなりましたが…誤差です…。
今回は、棋譜からの学習をいろいろやったので、こうやれば強くなるのかな、というのはわかってきました。評価関数の形だけ適切に設計すれば、あとはやねうら未来学習メソッド(この名前いい加減うざいな!)で自動的に強くなるので、ここまでくればあとは開発にそんなに時間を費やさなくとも(評価関数の形が適切であれば)強くなるのでしょう…。
そんなわけで適切な評価関数の形をコメント欄で大募集してます。
■ 2014/10/30 16:20 やねうら未来学習メソッドの詳細
なんかtwitterで「このヒントでは全然わからん」という意見が多かったので、詳しいことを書いておく。隠すつもりはなくて、私としては「これだけ書けばわかるだろう」と勝手に思い込んでいたわけであるが。私が勝手に思い込んでいるだけなので、これがあのヒントでわかったから賢いとか、わからなかったから頭が悪いだとか、そういう類のものではない。(と思う)
ヒント)
・KPPを絶対と相対で128通りに分解
私は次のように考えて欲しかったし、また次のように考えてもらえると勝手に思い込んでいた。
3駒相対は3駒絶対から並行移動させて重なる関係にある。3駒絶対のほうの次元を下げると同じ要領で3駒相対のほうの次元を下げることが出来る。
NDFの手法はKPPという三駒関係を4つに分解してあるが、PPを2駒と捉えるのではなく3駒の枠組みで捉えるならば、これはKPPのKが任意の場所にあるものと捉えることが出来る。いま任意の筋、任意の段にあるKをK**と表記しよう。
つまり、NDFの手法は、絶対KPP + 絶対K**PP + 相対KPP + 相対K**PPという4つに分解してあるわけだ。
一方、私がヒントとして書いた128と言えば2^7(2の7乗)である。KPPを分解するときに絶対と相対とで2倍になるから、絶対のほうが2^6通りあって、相対のほうも同じ数である2^6通りに分解できるということである。KPPという3駒を分解して2^6通りにするのだから、1駒2^2ずつ割当たる。NDFからの連想で、言うまでもなくこれは段と筋である。
つまり、いま絶対K78P76P67のような関係があるとして、絶対K7*P*6P6* と書けば、これは7筋目にいる王と6段目にいる歩と6筋にある歩による関係を意味するとしよう。段と筋を表す場所が3駒で6箇所あるから、ここが * (ワイルドカード)になるか否かという2通り^ 6 × 2(絶対・相対) = 128通りなわけだ。
これにより、NDFの手法がより一般化され、より細かく分解されることとなる。こうなっていることで少ない棋譜からそれなりに学習することが出来る(かも知れない)という理屈である。
ただ、相対KPPに関しては結構難しい話があって、これはこの手法が成功したらどこか向けの論文として書こうかと思う。
しかし、細かく分解されすぎていて、これに対して適切に学習させるのはボナメソのままでは結構難しい。ボナメソをいくつかの点で改良するか、あるいはボナメソより優れた学習メソッドが必要だと思う。これについては、一応解決したつもりだが、まだよくわからない。きちんと解決できていたら、これもどこか向けの論文として書こうかと思う。
■ 2014/10/15 9:00 Stockfishの最新版は罠なのか
5日ほど前にStockfishの最新版(GitHub上のもの)を参考に探索部分を調整した。Stockfishの前回からの差分調べたり、デバッグしたりするのに丸2日ぐらいかかって、そのあと2日ほどかけて200戦ほど対戦させると古いバージョンに対して1割ほど負け越していた。なんなんだろう。最新版は罠なのか?もっと対戦させるべきなんだろうけど、やっている戦型が偏っているせいもあってか正確な比較になっていない気もするし、とりあえず負け越しは気分が悪いので涙目でrollback。
■ 2014/10/15 19:30 やねうら未来探索について
コメント欄より。
> 「将棋ソフトの流れを汲まない」ってところについてもう少し詳しく書いてくれると嬉しいです。
(自分以外の)日本人が考え出した将棋ソフトのアイデア・実装を一切使わないという意味です。具体的にはBonanzaの1手詰め、3手詰め、GPS将棋のdf-pn、Bonanza方式の手駒だけ損している局面の検出、Bonanzaメソッド、Bonanza型の3駒関係etc…。(時間の都合で1手詰めと3駒関係はもしかしたら使うかも知れませんが…)
別に私は日本人に恨みがあるわけではありません。彼らが生み出したものがどれくらいのものなのか。コンピューター将棋の歴史(成果)がどれほどのものなのか。それらを正しく評価するためには彼らの成果をいったん全否定して、そしてそれなしに独力でやってみて、そのあと、出来がよくなかったら、「やっぱり1手詰め入れたほうがいいよね。1手詰め偉大だよね。」というように必要性や偉大性が初めて実感できると考えています。ニーチェの言葉で言えば、これが「およそ到達しうる最高の肯定の形式」でしょう。
■ 2014/10/15 21:15 やねうら王はツンデレちゃん
> PVではキオビヤドクガエルみたいなロボットですが、あれは作者からするとやねうら王のイメージとは違うのですか?
誰がキオビヤドクガエルだよ、ウワァァァンヽ(`Д´)ノ
やねうら王のイメージガールは、やねうら王公式*1のツンデレちゃんです。
■ 2014/10/15 21:20 第2回 将棋電王トーナメントPVの件
私の「カップラーメンのお湯を原爆で沸かす人はいない」というくだりは、人間の知性を超越した汎用的な思考エンジンにもなりうるようなコンピューター将棋/チェスの探索エンジンを、たかが将棋ソフトのためだけに使うのは暴挙であり、コンピューター将棋にしか使わないとしたらそれはエンジニアとしての傲慢であり怠惰であり社会的損失である、という意味です。
また「コンピューター将棋の歴史がナンボのもんじゃい」というのは、上で書いた「彼らの成果をいったん全否定して、そしてそれなしに独力でやってみて、(そうして初めて)その必要性や偉大性が初めて実感できる」という流れでしゃべりました。
私の発言の前後は大会を盛り上げる趣旨にそぐわないと判断されたのか例によってカットされており、意味不明な映像になっておりますが…。(´ω`)
まあ、私のサゲサゲな発言をうまく切り貼りしてアゲアゲな感じにする佐藤映像さんの手腕はさすがと言わざるを得ません。(皮肉ではなく、サゲサゲな感じでPVに使われるよりは、アゲアゲな感じで使われたほうが良いという意味です。)
■ 2014/10/16 9:00 やねうら未来学習メソッドについて その1
コンピューター将棋では、ボナンザメソッドを初めとして棋譜から評価関数のパラメーターを機械学習させるのが主流であるが、初代Bonanzaでで3万棋譜、後発の強豪ソフトはその何倍もの棋譜を用いている。果たして本当にそんなに要るのだろうか。人間が将棋を覚えてプロ棋士になるまでに10万棋譜も(他人の棋譜を)並べるだろうか?下手すると1万棋譜にすら及ばないのではなかろうか。それなのに人間はちゃんと学習できるわけである。そこに人間の偉大さがあるわけだが、裏をかえせばとりわけコンピューター将棋の評価関数パラメーターの調整方法には改良の余地が大いにあるわけだ。
例えば、NDFは3駒関係を3駒絶対+3駒相対+2駒絶対+2駒相対のように分解して学習させた。*2 データの次元を下げたわけだ。NDFはNDF独自の学習メソッドを開発したが、その効果のほどは私にはよくわからない。というのも、このように3駒関係を分解してボナンザメソッドで学習させるだけで相当に棋力が向上すると言われている。たぶんAWAKEはこの方法。*3 だから、ボナンザメソッドはボナンザメソッドで改良の余地があるだろうけど、データの次元を下げることでボナンザメソッドのままでももう少し精度の良い学習が出来る。
また別の言い方をすれば、ボナンザメソッドほど優秀な学習方法でなくとも次元をひたすら下げていけばちゃんと学習できる(かも知れない)ということでもある。そうすれば大量の棋譜は要らなくなる。学習時間が短縮化できる。羽生さんの棋譜だけで学習するだとか、長い持ち時間で自己対戦させたコンピューター将棋同士の対局棋譜のみを使う、というようなことも出来るようになる。(かも知れない)
■ 2014/10/16 18:00 やねうら王(笑)
今回、電王トーナメントにエントリーするときに名前をどうしようかと思ったのだが、「やねうら王 2014」だと、今年5月ごろに将棋倶楽部24に放流していたものと紛らわしい。かと言って、「やねうら王 2015」だと来年はどうするのかという問題が出てくる。
「やねうら王 2014 後編」「やねうら王 2014 Alternative」などいろんな名前を考えた結果、「やねうら王(笑)」とかにしたらどうかというアイデアが浮かんだ。ちょうど『STEINS;GATE』に夢中になっていたときで、作品中に出てくる「電話レンジ(仮)」からの着想である。
しかし「やねうら王(笑)」にしてしまったら、ニュースサイトや新聞で取り上げられたときに「Aperyとやねうら王(笑)は、激闘を繰り広げた。」とか書かれても、全然激闘に見えないって言うね。個人的にはそれはそれでやねうら王らしいかなと思うんだけど、なんか記者の人が迷惑しそうなのでストレートに「やねうら王」のままで行くことにした。
■ 2014/10/17 9:00 やねうら未来学習メソッドについて その2
次元の下げ方は他にもある。例えば、王の右隣の金と二つ右隣の金とではどちらが価値が高いだろうか?右隣のほうがいくらか価値が高いだろう。このように2駒相対でも、隣接する升につく値自体は比較的滑らかであると考えられる。これを利用する。Aperyチームはたぶんここを多項式近似でやっている。*4 2変数関数の多項式近似、テイラー展開してほげほげ…うーんそんなの20年ぐらい前にやったなぁ…(遠い目)
時間もないことだし、一発でバグなしで書く自信がないので多項式近似は私は採用見送り。もう少しシンプルな方法でやる。まあ、多項式近似が適しているのかどうかはよくわからない。そのへんは(3駒関係を採用するとして)3駒関係にどういう点数がつくのが適切かという問題でもある。
また例えば、先手の王と角と銀のような3駒関係を考えるとき、角の利きがあるところとないところとでは事情が違ってくる。角が行ける場所(チェッカープレート的な意味で)の銀かどうかでも話が変わってくる。また敵陣にいる生角と、非敵陣にいる生角とでも価値は大きく違ってくる。
何らかの関数で近似するにしてもこれらについては分けて考える必要があると思う。(不連続な関数になるだろうから) このへん比較実験等をやるべきなのであるが、実装→機械学習→ランニング(自己対戦)というサイクル、残り2サイクル回せるか回せないかの時間しかない。バグなしで一発で書けて2サイクル回せる程度。たぶんそれは無理。1サイクルしか回せない。つまりワンチャンスしかない。泣きそう。
ともかく今日中にやねうら未来学習メソッド(うざいな、この名前!)の学習部を完成させてランニングするぞー。
■ 2014/10/18 11:00 OS X Yosemiteはヨウスミテ
OS X Yosemiteの無料配布が始まったので速攻インスコした。VMWare Fusion4が使えなくなった。Fusionの最新版は7らしく、7ならYosemiteに対応しているらしいのだが、OSが無料なのにOSのアップグレードごとにFusionにお金を払うのは馬鹿らしい。もしかすると仮想環境はもうオワコンなのかな…と思いつつ、Fusion4→7はアップグレード扱いにならず新規購入のみだったので、Paralles Desktop 10を購入。
ParallesではFusionのディスクイメージをそのまま使えるのだが、ディスクイメージの変換をしないといけなくて、MacBook Airにその空き容量がないから外付けHDDにいったん移動させて…みたいなことをやってたら丸一日潰れた。こんなんで電王トーナメントに出れるのか見ていて不安になっている読者もおられるだろうが、もちろん私も大いに不安である。
土日は息子(5歳)と遊ぶ曜日と決まっているので、息子と遊び倒した。プログラム1行も書いてない…ヤバイ。息子は本将棋になかなか興味を持ってくれないので、毎回将棋の駒を使った新しいゲームを私が考えて、それをやることにしている。今日やった(私がルールを考えた)のは「妖怪将棋」
【妖怪将棋のルール】 59と51に先手、後手の王を置く。先手と後手が交互に「歩」をサイコロ代わりに振る。表が出ると移動であり、盤上の好きな駒を本将棋のルールに従い移動できる。(手駒があればそれを打つことも出来る) 裏が出ると「召喚」か「移動」かを選択できる。召喚したいときは、「召喚〜!」(妖怪ウオッチの妖怪を召喚するときの声で)と言いながら駒箱から好きな駒を1枚召喚できる。召喚した駒は好きな場所に置ける or 自分の手駒化することができる。王を取られると負け。
なかなか面白いと思うのでみんなやってみて。駒を並べる手間が掛からないし、将棋の終盤の醍醐味が楽しめる。
この妖怪将棋のルール140文字にまとめて、ツイートしてきた。流行るといいな.. → https://twitter.com/yaneuraoh/status/523752757883174912
※ 追記 : 難度調整の例)
変更ルール1) 玉の位置が59と51からだといきなり頭上に金を召喚されてしまって短手数で終了してしまうので子供がそれを学習したら、玉の位置を58と52、57と53のように場所を変えてやるとゲーム性が増します。
変更ルール2) あるいは、初期陣形として玉の両側に金を配置してやるだとか。
変更ルール3) 歩を47,57,67(後手は43,53,63)に配置するだとか。
変更ルール4) 折りたためる将棋盤なら盤面を片側(4×9)だけにするだとか。
変更ルール5) 召喚は歩を振って可能にするのではなく、1局に10回まで自分のターンで「召喚」と宣言すると召喚できるようにすると実力勝負に。
変更ルール6) 歩を振る枚数を2枚にして、1枚裏 = 召喚 or 移動。2枚とも裏 = 変身 or 喚 or 移動。として、変身は自分の盤上の駒を駒箱の別の駒と交換できるだとか。
変更ルール7) 歩を振って低い確率において、「変身」以外に「チェンジ」と宣言して盤上の任意の2駒(相手の駒でも良い)を交換できるだとか。
変更ルール8) 歩を振って低い確率において、「変身」以外に「反転」と宣言して盤面を180度回転させられるだとか。
のようにやるごとに新しいルールを追加したり減らしたりして、そのルールにおける最善を息子に考えさせたり、そのルールのルールとしての良し悪しを考えさせたりしている。自分の思考訓練にもなってとても楽しい。
■ 2014/10/19 20:00 やねうら未来学習メソッド3
普通、棋譜に出現回数が少ない因子はゼロに収束する。(というか、0に収束するような力を学習時に加えてやる)
そうすると、学習時に出現していない局面の因子はゼロに収束してしまう。そこで、棋譜の数を桁違いに増やしていろんな特徴因子が必ずたくさん出現するようにする。しかしそんなに大量の棋譜は世の中にはないので(プロの棋譜が3〜5万と、floodgateの棋譜が50〜100万棋譜程度)、NDFがやったように何らかの方法で局面を水増ししないといけない。大量の局面があるので学習にも大量の時間を要する。(局面数に比例した時間を要する)
棋譜や局面数を増やすというのは力技ではあるが、確実に成功する方法である。何故なら、それによって正しい(いい感じの?)値に収束しやすくなるからである。これには電気代と学習に要する時間が必要である。(さらに言えば数億〜数百億局面を与えて正しくパラメーターが収束するような学習メソッドでなければならないが…。)
もう一つ別の方法は、少し手間がかかる方法ではあるが、出現しなかった特徴因子がゼロに収束してもそれほど問題とならないように学習時の評価関数の設計を行なうことである。そうすると棋譜が少なくて済む。学習に要する時間も劇的に短縮される。
どうやって設計するか例示しよう。
例えば、玉の周辺8近傍の空き升の状態(空いている/いないを1bitで表現するとしたら8近傍=8bit=256通り)と玉の位置(81升)との組み合わせとなる。大雑把には256×81通りの組み合わせとなる。これに対する広さのボーナスを評価因子として用意するときのことを考えてみよう。
玉が中段にいて8近傍がすべて駒に囲まれているような局面は現実的には出現しない。かと言って、そのときこの評価因子が0になってはまずい。
そこで、例えば、
玉の左上・真上・右上に駒があるときの広さボーナス = 玉の左上・真上に駒があるときの広さボーナス + 玉の左上・右上に駒があるときの広さボーナス + 玉の真上・右上に駒があるときの広さボーナス + 玉の左上・真上・右上に駒があるときの広さボーナス
というように分解してやる。そうすると、最後の項が出現回数ゼロで、ゼロに収束したとしてもそこそこ正しい値がつく。
このような因子の分解を玉の位置に関しても行なう。
88の玉の真上に駒があるときのボーナス = 8段目に玉がいて、その真上に駒があるときのボーナス + 8筋目に玉がいてその真上に駒がいるときのボーナス + 88の玉の真上に駒があるときのボーナス
ここでは段と筋に対して分解したが、分解の仕方はいろいろな方法が考えられる。なるべく合理性のある分解の仕方が好ましい。穴熊かそうでないかで分けるだけとか、入玉かそうでないかで分けるだとかも考えられる。
88の玉の真上に駒があるときのボーナス = 8段目に玉がいて、その真上に駒があるときのボーナス + 8筋目に玉がいてその真上に駒がいるときのボーナス + 穴熊ではなくて、玉の真上に駒があるときのボーナス + 入玉ではなくて玉の真上に駒があるときのボーナス + その88の玉の真上に駒があるときのボーナス
以下略。
とりあえず今回出場するやねうら王はこの方法で学習させてみる。
因子の分解の方法をまだ考え中なんだが、もう二週間切ってるのにそんなことを言っていて大丈夫か…。
■ 2014/10/20 22:45 MagicBitboardはオワコン
コンピューター将棋では飛・角・香のような遠方駒がどこまで利いているのかを得るため、コンピューターチェスの技法であるMagicBitboard*5を使っている人がいます。PonanzaやAperyなどがそうです。*6
しかし、将棋ではMagicBitboardはテーブルサイズが大きくなるのでCPU cacheの汚染がひどく、速度的なメリットは得られていないというのが私の考えで、やねうら王ではMagicBitboardは使っていません。MagicBitboardを使わない場合でも、簡単な比較実験において速度的にはほぼ同等だとわかっています。
それでも、MagicBitboardを使わないと、StockfishのようなMagicBitboardを使うタイプの探索部を参考にしようと思ったときに、そのソースコードと等価にするために苦労するというのはあります。そこで、MagicBitboard自体は使いたくはないが、MagicBitboardのようなことをしたい、例えば玉の8近傍に駒があるかないかを調べるために、occupied bitboardから、王の8近傍に駒があるかどうか直列化して集めてきたいということはあります。
このような将棋ソフト開発者の声がインテルに届いたのか(?)、HaswellではBMIというビット操作を行なう命令が追加されており、これを使うとMagicBitboardと等価なことが簡単に出来ます。
http://d.hatena.ne.jp/LS3600/20141011
簡単にとは言っても、速度的に数%速くなるかどうかだけの話なので、こんな直前に大改造してバグっていたら大変なので私は今回は採用しませんが、BMIはなかなか夢のある命令セットではあります。
■ 2014/10/20 22:50 やね裏評価関数とは何か?
電王トーナメントのアピール文書、「やる予定」「やる予定だけど効果かどうかはわからん」みたいな書き方をしているものもたくさんありますが、ソフトがアピール文通りになっていないからと言って罰則があるわけではないのでそれを見越してやねうら王は適当ぶっこいてるんだろうと邪推している人もおられるかも知れません。
今年はどうなるかはわかりませんが、しかし、去年は私は書いている通りのことはすべてやりました。そのなかでやね裏評価関数についてだけは、説明を書いてなかったのでそろそろオープンにしてもいいかと思い、解説記事を書きました。興味のある方はご覧ください。
やね裏評価関数とは何か?
http://d.hatena.ne.jp/LS3600/20141020#p1
■ 2014/10/21 9:30 棋譜からの学習部を書き起こし中
特徴因子の次元下げがやっと綺麗に定式化できた。NDFがやっている次元下げよりもっと一般的で、もっと(数式的に)綺麗な形で定式化できた。これだと10倍ぐらい収束が早い(当社比)ような気はする。
あとは、棋譜からの学習部を1から書き起こし中である。(いまごろ…) やっと1/4ぐらい書けた。あと3,4日で書いて、AWS(Amazon Web Services)借りて棋譜からの学習やる。高くつくなぁ…。
学習部はソース行数にして5000行程度になる感じ。これ一箇所でもバグってるとうまく収束しないという…背筋が寒くなるな。
■ 2014/10/21 18:30 NDFの近似的並進対称性
NDFの「相対位置を保ったまま3駒を移動してもそれほど価値が変わらない」(AperyのPR文より)というのは、AWAKEがやって、評価部でR250上がったかのように書いてある。(これだけで上がるのかそうでないのかはこのPR文からはよくわからないが…)
上位の将棋ソフトを作っている開発者は、未知の局面(棋譜からの学習のときに出現しなかった特徴因子がたくさん出てくる局面)に対する適応力を上げるためにこういう小細工をいろいろやっているわけだが、数百万局面しかないのに数億の評価関数パラメーターを求めようというのが土台無理な話であって(連立方程式を解くときに未知変数が多すぎる場合に似ている)、そもそも1兆ぐらいの棋譜があれば、ほとんどの特徴因子を網羅できるはずであり、NDFの手法で暫定的につけてある値よりは遥かに合理性のある値になるはずである。
つまり、
棋譜が足りなくて出現しない評価因子がゼロになってしまう(Bonanza 6.0状態) <<< NDFの手法(+R250) < 多項式近似など <<<(超えられない壁)<<< 超大量の棋譜からの学習
あとはNDFがやっているように手番を評価関数に追加するとR50〜100ぐらい上がるのかも知れないけど、私は実験していないのでわからない。
■ 2014/10/22 8:30 番組の途中ですが科研費の時間です
なんか知り合いの大学の先生に誘われて経済学のなんかを共同研究することになっているのだが、科研費を申請の締め切りが迫っているのだよ。
GPS将棋を初めとして、大学関係者はこの時期大変忙しいので電王トーナメントに出場するのは結構厳しいような気がする。特に
科研費 >>> (超えられない壁) >>> 電王トーナメントの優勝賞金
であるようなところにとっては…。
■ 2014/10/22 19:30 やねうら王の開発の進捗
棋譜からの学習部、1/4ほどさらに書いた。あと半分ぐらいで完成。実装上のミスがなければ、そこそこ棋力が上がる気はするんだが、気がするだけかも知れん…。AWAKEの評価部でBonanza6から+R250は信じていいのか、否か。時間もないしR150も上がれば御の字であるが。
■ 2014/10/22 20:00 今年のApery・Ponanzaの強さについて
Aperyが今年5月の選手権(世界コンピュータ将棋選手権)のときのバージョンに7割ぐらい勝ち越すらしいのだが*7、+R150ぐらいか。Aperyは5月の選手権の時点でBonanza6の評価関数よりは(評価部において)+R100ぐらい上だったと思うので、Bonanza6を基準に言うと+R250で、AWAKEの+R250とだいたい計算は合う気はする。
Aperyの選手権バージョンとやねうら王2014(5月時点でのやねうら王)はほぼ同じ強さ。やねうら王がいまから+R150になると、Aperyが選手権バージョンから+R150なら、Aperyと同等。
去年の電王トーナメント時のPonanza(=今年発売されたPonaX)は、やねうら王2014に7割ぐらい勝っていたので+R150。
今年のPonanzaは去年のPonanzaから7割ぐらい勝つらしい。*8
つまり、去年から+R150。ということはやねうら王2014からは+R300。やねうら王がやねうら王2014から+R150上がってもまだ今年のPonanzaにはR150も届かない。(そもそも、やねうら王がこのあとR150も上がるかどうかわからん…)
やねうら王2014は5万円の自作パソコンで将棋倶楽部にてR3300程度であったが、今年のPonanzaはここに+R300。そして最新のパソコンで(16コアXeonで)やるとたぶん+R400ぐらい上がって、R4000。将棋倶楽部24でR4000とかバケモンっすな…。もはや羽生さんを連れて来ても2,3割勝てるかどうかすら怪しい。将棋ソフト、この1年で強くなりすぎだろ!ソフトの改良により年間R50ぐらいの上昇と言われてたのは何だったんだよ!ヽ(`Д´)ノ
※ 追記 : 上記のPonanzaの件、間違っているのではないかとコメント欄で指摘もらいました → http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20141015#c1413986160
「勝率70%はいってくれよ・・」*9とのことなのでまだ前回出場時のものに対して勝率70%には行ってないけど、行きそうな雰囲気ではあります…。
■ 2014/10/23 25:00 やねうら未来学習メソッド -- 次元下げその後
相対KPPの次元下げは一般化するのがかなり難しく、今日、試行錯誤しているうちに、3つの定理を発見した。最初、その難しさについて私は理解できていなかったのだが、いまならハッキリ言える。相対KPPの次元下げ、これは難しい。
いまこの定理を解説している時間はないし、そもそもこのような次元の下げ方が妥当かどうかも疑わしいので詳しい話は割愛する。とりあえず私が検算した結果だけ写真で掲載しておく。この写真だけで意味のわかる人にはわかるようになっている。
KPP絶対でもミラー(左右対称)は考慮されなければならない。これはこれで難しいのだが、いま、問題をすごく簡単化してPP絶対についてのみ書くのでプログラマーの人や数学の得意な人は挑戦してみて欲しい。
問題1)
いま、駒P1,P2があるとして、この盤上の升 P1 = (x1,y1) , P2 = (x2,y2)を考える。
盤上の升なのでx1,y1,x2,y2は筋・段を表す1から9までの整数とする。
任意のP1,P2に対して、P1とP2の組が(5筋を対称軸とする)鏡像関係にあるときは同じidを返す関数が必要である。この関数を設計しなさい。
例)
「31金と72金」の2駒が存在する盤面と、「32金と71金」の2駒が存在する盤面とは鏡像関係にあります。(x1,y1,x2,y2) = (3,1,7,2) と(3,2,7,1)が同じidを返さなければなりません。
※ 注 P1 = P2のケースをアリとするかナシとするか、どちらの方法もそれなりに合理性があるが、ここではBonanza6に倣い、P1 = P2のケースもありうるものとする。
ただし、
1) P1,P2は「金」と「金」のように同じ駒種であると仮定して良い。
2) 得られるidは0から始まり整数として連続していること。(欠番があると配列を確保するときに勿体無いため。)
3) 変換のためにid[x1][y1][x2][y2]のような表引きはしてはならない。(メモリが勿体無いため)
4) 小さな計算量で求まること。長い時間のかかるループをぶん回すの禁止。(ここの処理に時間がかかるの嫌なため)
問題2)
問題1)の関数の逆変換も作ること。問題1)の関数で得られたidから、元のP1,P2の升(2通り)が得られること。
問題3)
P1 = (kind1 , x1 , y1) , P2 = (kind2 , x2 , y2) , kindは駒種(0から19までの整数)であるとしたとき、問題1),問題2)と同じようにidを求める関数とその逆関数を設計しなさい。ただし、すべての駒種の駒は、すべての升に置けるものとする。
まあ、上のように書くと難しそうに見えるが、「鏡像関係のものを除くと、P1,P2の組み合わせは何通りあるか」という数え上げの問題に帰着する。これなら大学入試の数学レベルだ。(15分で解けとか言われると涙でそうだが…)
*1:http://yaneuraou.yaneu.com/
*2:http://www.computer-shogi.org/wcsc24/appeal/NineDayFever/NDF.txt
*3:http://ex.nicovideo.jp/img/denou/tournament2014/pc/PR_AWAKE.pdf
*4:http://ex.nicovideo.jp/img/denou/tournament2014/pc/PR_Apery.pdf
*5:https://chessprogramming.wikispaces.com/Magic+Bitboards
*6:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=71312&item_no=1&page_id=13&block_id=8
*7:https://twitter.com/HiraokaTakuya/status/524578048272633856
Yakitori
開発期待してます。
HSっていうゲームのボット戦の経験を言えば、
カードゲームなのに全体攻撃をほとんどの場合備えていてそれを撃って相手を劣性に追い込めばボットの勝ちなんです。
逆に言えば全体攻撃を封じさえすれば劣化PCなんですね。
カードゲームの特性でそれでもカードが来なくて負けますけど、対策しないよりはましです。
その経験を踏まえて、頭の中に万能な方法が3個くらい浮かんだらそれを捨ててください。
人間頑張れば10個くらいのベストメソッドを封じれるので対策が完全であるワーストケースを見るべきです。
ベストメソッドは運ですがワーストケースは自力です。
自力をふやしてくだしあ。
コーディングには着手してないとはいえ、
やねうら未来〜〜でちゃんと戦えるようになる着想はあるということで、良いんでしょうか?
チャモアン
私も楽しみにしています。
第二回のボンクラーズは、ボナンザを複数台のPCで動かしてパフォーマンスが出るように改良した。予算さえあればPCの数を増やしてもっと強くなる。名人にも勝てる。という理解でした。
クラスタ化?というのも大変なのかもしれません。ですが、感覚的に凄く反感がありました。素人目では、同性能のハードでボナンザよりずっと強くなるように努力しました! というのが正しい開発なんじゃないかと。台数を増やせば強くなるというなら、もう開発なんて止めてしまえです。インテルさん任せで。
それとは対照的で、驚きでした。
前の記事で、3つの宣言をみて痺れました。本当にできるの?と不安になる内容ですが、浪漫への挑戦感が半端ない。
PV:またヒール役に編集されていますが、前回とは違い大丈夫と思います。将棋ファンは、プロ棋士への敬意については厳しいです。でも、藤井システムばりの異端の挑戦には応援したくなる人が多いと思う。
強敵:シュタゲじゃ仕方ない、許します。
odakin
応援してます!
はっほー
やねうら未来探索メソッド的には、Stockfishの使用はおkなんですかね…? まあ、将棋ソフトではなくチェスソフトですが
はっほー
「将棋ソフトの流れを汲まない」ってところについてもう少し詳しく書いてくれると嬉しいです。いくらなんでも、基本的なアルファベータ探索などの技術は取り入れるとは思いますし。
連投失礼しました。電王トーナメント応援しています!
茶田
一つ前の記事を読んで、「ははぁ〜ん、やねさんは16日までに手書き部分を終わらせて後はゲームやってる間に自動学習させるつもりだな?」と深読みしてたのですが、難航してるっぽいですね…
ジャック
やねうら王って、やねうら王の公式サイトでツンデレなセリフを喋ってるピンク色の髪の女の子をイメージしたらいいんですか?
PVではキオビヤドクガエルみたいなロボットですが、あれは
作者からするとやねうら王のイメージとは違うのですか?
p-01d
GPSfishのstockfishのバージョン上げることにチャンレンジした方がおられて、やはり強くならない弱くなることに悩んでおられましたね 2.1から段階的にあげておられましたが2.2にする時点ですでになにかおかしいみたいです
yaneurao
↑うわー。そうなのですか…。以前からの差分を確認したところ、枝刈りのパラメーターとか若干変更になってたり、ONE_PLYが1になって半手延長みたいなことが出来なくなってたりして、そのへんが将棋にそぐわないのかも知れないなーとは思っているのですが、結構、根が深そうです。
p-01d
ここに貼るのもなんですが、blogをやられておられます しかしGPSfishはstockfish2.1への将棋へのチューニングってどれくらいされているんでしょうね?
yaneurao
↑GPSfishは、探索部の将棋向けのチューニングはほとんどしてないと思いますよ。チューニングの余地がそんなにないというのもありますが、いざチューニングしようと思っても、1つのパラメーターをチューニングするために自己対戦を何百局もやって勝率を見ないといけないのに、実際はパラメーターは組み合わせなので数個のパラメーターの調整のためにトータルでは何万局も自己対戦しないといけなくて…せっかくチューニングしてもStockfishのバージョンが上がったらまたチューニングやりなおしですし…。なかなか大変です。
DE3S
時間もあまりなさそうですが頑張ってください!応援しております。
り
PV見ました。ドワンドはThink differentみたいな演出を狙っているようにも見えましたが、Think differentの雰囲気にはかないませんね。
クレージーな人たちがいる
はみ出し者、反逆者、厄介者と呼ばれる人達
四角い穴に 丸い杭を打ち込む様に
物事をまるで違う目で見る人達
彼らは規則を嫌う 彼らは現状を肯定しない
彼らの言葉に心を打たれる人がいる
反対する人も 賞賛する人も けなす人もいる
しかし 彼らを無視することは誰にも出来ない
何故なら、彼らは物事を変えたからだ
彼らは人間を前進させた
彼らはクレージーと言われるが 私たちは天才だと思う
自分が世界を変えられると本気で信じる人達こそが
本当に世界を変えているのだから
むずでょ
どうやって プログラムの仕様を ひょいひょい ひっかえとっかえできているのか謎だぜ☆ww アルゴリズムってそんなに ひょいひょい変えられるものなのか☆ww チューニングも全部無駄になってしまいそうな気もするし☆www 仕様変更に強い開発手法みたいなのがあるのだろうか☆www
茶田
「今回のやねうら王のテーマは未来なので完成するのも未来でしたー!」って言って出場辞退するのはやめて下さいね
鳥
山本氏は勝率70%はまだいっていないような発言を最近していましたよ。
第2回電王戦のPonanza=2013バージョン
第3回電王戦のPonanza=2014バージョン(2013に勝率7割)
という意味ではないですか?
yaneurao
↑え、そうなんですか…。もしかしてAperyとPonanzaとAWAKEって同じぐらいの強さなのかな…。これは大波乱、あるでぇ〜。
はっほー
自作パソコンと最新のPCでR400も上がりますかね…
GPS将棋の話では、1手深く読むとR100くらい上がるとのことでしたが、4手さらに深読みするのは難しそうですし
yaneurao
↑Bona6あたりでもnps(探索速度)が倍になるとR150になります。最近のソフトだと探索技術も評価関数の精度も格段に上がっているのでnpsが倍になったときにはもう少し上がります。おそらくR200ぐらい。
5万円の自作PC(Corei7 4771) = 4コア,最新PC = 16コアでクロックやや高め、メモリ帯域も向上しているので、実効npsとして2.5倍〜4倍ぐらいになります。
ここを楽観的に見て、仮に4倍だとすると、R200×log(2)4倍 = R400 という計算です。
お
確かに、最近こういうツイートありましたね
https://twitter.com/issei_y/status/522309851368546304
yaneurao
↑ありがとうございます。本文に追記しておきました。
茶田
Ponanzaの2013年(3月)電王戦版に2014年電王戦版(最後に手を加えたのは2013年11月)は7割勝てて、半年前(2014年4月)の版に2014年10月版は70%には行ってない、ということですよね。それなら2013年11月から2014年10月の間の改善を考慮に入れて、2013年11月版に対して2014年10月版は70%越えてるかもしれないですね。
お
そっか、隣のツイートを良く読むと「半年」のキーワードがありますね
>この「半年」、7年間で一番コンピュータ将棋を触ったけれど一番勝率の改善がすくなかった・・
https://twitter.com/issei_y/status/522309672313692160
茶田
考慮に入れるのは2013年11月から2014年4月の間でした。
それはそうととうとう残り一週間なのでマジハラハラしてます。将棋が好き過ぎて頭がおかしくなった人たちにいい将棋で勝ってくださいね。
yaneurao
↑私もプログラムが好きすぎて頭がおかしくならないと勝てなさそう..(´ω`)
り
鏡像問題の文章を読むと『P1, P2が鏡像関係ならf(P1)=f(P2)』に見えるし、もしそうなら 5*abs(x1 - 5)+y2 ???私は何か勘違いしてるのかな?
yaneurao
↑それ1駒の話ではないですか?2駒ですぞ。「31金と72金」の2駒が存在する盤面と、「32金と71金」が存在する盤面は鏡像関係にあります。(x1,y1,x2,y2) = (3,1,7,2) と(3,2,7,1)が同じidを返さなければならないです。
yaneurao
↑本文、私の書き方がわかりにくかった気がするので修正して、例として追記しました。
休主
・P1 != P2 でしょうか?
・問題と直接関係なくて恐縮ですが、駒20種とは、先手駒10種と後手駒10種(金と同じ動きの成り駒は金とみなす)ということでしょうか?
yaneurao
P1 == P2も含まれます。(KP1P2でP1==P2のとき、これをKPとみなすので。)
> 駒20種とは、先手駒10種と後手駒10種
正解です。歩・香・桂・銀・金相当・角・馬・飛・龍の9種類×2 = 18。そこに手駒も1つのP(駒)とみなします。(Bonanza6はそんな感じになっています)
ここに、さらに後手の玉を加えて20とすると、KPPにKKPが含まれることになってKPP配列だけですべてが綺麗に表現できます。
り
ぬ゛ぬ゛。やはり私の勘違いでしたか。1駒用鏡像id算出関数をf()として、f(P1)、f(P2)、それとP1とP2が5筋の同じ側にいるのか違う側にいるのかを表現する1ビット(ツンデレビット)の3つの数字を使うようなものがいいのかな。この解は設問の条件を厳密に満たす解ではないが実用度を考慮したら100点満点で15点くらいにはならないか?
yaneurao
↑ツンデレビット、面白い表現ですね。片方の駒が5筋にいるときに、ツンデレビットが無駄になるので欠番が出るので(それでも実用的に十分ですが)、そこの欠番を詰めて、かつf(P1) <= f(P2)を保証するように欠番を詰めてあれば完璧ですね。この数え上げは高校の数Iの範囲ですね…。
第二回電王トーナメントPVの撮影が昨日あって、そこで今大会の抱負とか意気込みとか何かそういうのしゃべったのだけど、そもそも、んなもん何もねえんだよ!ヽ(`Д´)ノ
開発のモチベーション全然上がらないし、コードも1行も書いてねーよ!ヽ(`Д´)ノ
なんでモチベーションが上がらないのか自分でもわからん…。というか、なんでお前ら、そんなにヒートアップしてるんだ?それが信じられん。お前らは熱帯雨林気候か知らんが、こっちはツンドラ気候である。お前らはアゲアゲかも知れんが、こっちはサゲサゲなのである。お前らは追い越し禁止かも知れんがこっちはインポなのである。
何故自分のモチベーションが上がらないのか、インタビュー中もずっと考えていたのだが、例えば、前回の電王戦でお世話になった、将棋観戦記者の松本博文さん。松本さんは東大の法学部を卒業して、それで将棋の観戦記者になっている。東大将棋部OBであり、自身の将棋の棋力も相当なものだ。東大の法学部出れば、もう少しマシな仕事につけそうなものだけど(余計なお世話か)、将棋が好きすぎておかしくなった感がなくはない。
ルポ 電王戦―人間 vs. コンピュータの真実 (NHK出版新書 436)
また、東大法学部卒と言えば将棋連盟の片上理事もである。将棋のトレーニングによって能力が開花して東大法学部レベルの頭脳になるのか、それとも東大法学部レベルの人を惹きつける魔力が将棋に自体にあるのか。そのへん、私にはよくわからないが、ある知能集団に対して、将棋自体には抜け出せなくなるような重力があることは間違いない。
将棋が好きすぎておかしくなっても、HEROZの林社長のように将棋ウォーズのようなアプリが商業的に成功するパターンもあるので、将棋が好きすぎておかしくなったから駄目だと言うわけでもないのかも知れないが…。
ともかく、将棋にこれ以上関わるのはヤバイと俺の本能が言っている。「これ以上、将棋を好きになってはいけません」と俺の本能が叫び続けている。俺様の卓越した頭脳を将棋なんぞに使ってはならないと俺の直感が警鐘を鳴らしておるのだよ。
それでも今月は電王トーナメントに向けてじわじわと自分のモチベーションが上がると思うのだが、『ケイオスリングス3』の発売が10月16日なんだよな…。*1 発売になったらやらざるを得ない。一体、なんてことしてくれるんだよヽ(`Д´)ノ 先月、夏休みセールとかで安くなってたiOS用の『STEINS;GATE』まだ終わってねーんだけど!こりゃ、ゲーム業界が俺を殺しに来てるな。やねうら王の最大の刺客はPonanzaでもAperyでもなく、『STEINS;GATE』と『ケイオスリングス3』だ!
…などということをPVの撮影のときに言えるはずもなく、本当にPVの撮影はgdgdになってしまった。佐藤映像の人、本当申し訳ない。…。うまく編集して、アゲアゲな感じにしといてください。
ちなみにやねうら王の今回のアピール文書は、こんな感じで出しておきました。
何度も言うようにまだ一行もコード書いてない&モチベーション0の状態からのスタートで10月16日からは『ケイオスリングス3』に没頭する予定だからな!ヽ(`Д´)ノ
yoshi
アピール文、これ凄いですね。
これで強かったら新たなぶれいくするー誕生じゃないですか
時間ないけど形になるといいね!
シュタゲどうですか?終わったら感想たのむ!
猫田
×「追い越し禁止」
○「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」(通称ハミキン)
と言いたい訳ですね
ジャック
将棋ってルールが絶妙なんでしょうね。
オセロ程単純じゃなく囲碁程難しくない。
ウィキペディア オセロ
オセロはルールが単純であるため、古くからプログラミングの教材として、あるいは実際の製品としてコンピュータ上で開発されてきた。
タッグマッチ 紹介文
阿部光瑠 四段
「ヒカルの碁」を読み、囲碁棋士を目指すが、ルールが分からず将棋棋士になる。
yaneurao
↑*4 シュタゲの感想は近々書くかも。
↑*2,3 なるほど。「追い越し禁止」と標識の下に書いてないのはハミ禁なのね…。
↑*1 10年後には「将棋電王戦を観てコンピューター将棋プログラマーを目指すが、コンピューター将棋は強くなりすぎていたので、コンピューター囲碁プログラマーになる」という青年が出てくるかも知れませんね。
茶田
パズルを趣味とする人はそうでない人より有意に年収が高いそうですが将棋の場合はどうなんですかね。
未来型やねうら王に電王トーナメント優勝の箔を付けて販売されるのを待ってます。
YOSI
ケイオスリングスを今まで知らなかったです。VITA版では過去作品も同梱されるんですね。残業ばかりで給料増えても使う暇ないので、VITAも埃をかぶっているし買ってみようかと思ったり。携帯ゲーム機なので隙間時間に遊べるかな?
AM
この新型やねうら王は斬新で素晴らしいですね。
前回出場したバージョンより強くなってたら神ですね
ところでコンピュータが考えた定跡ってどんな感じですか?
従来の戦型(矢倉,横歩取り・・・)にはならないんでしょうか。
coffe
アピール文を見るとワクワクしますが
絵に描いた餅にならないことを祈っています
ろ過
特徴1・2・3を言葉通りに取ると、「新やねうら王は新やねうら王同士の対局のみから学習し」「全く新たな評価関数と定跡を生み出す」事になると思うのですが、正しいですか?
つまり、プロ棋士の棋譜を学習するのが駄目なのはもちろん、プロ棋士の棋譜を学習したコンピュータの棋譜も使わないという理解であってますか?という質問です。
yaneurao
↑*1 そのつもりですが、条件的に厳しいようであれば、将棋ソフトによる棋譜は評価関数のパラメータの調整のために使うかも知れません。
↑*3 コンピューターが考えた定跡の例としては → http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140310#p1とか。
↑*5 X=将棋とかパズルとかとして、「Xを趣味に持つ人と持たない人との年収の比較」をする場合、趣味に持たない人に、それが(能力的に)できない人が含まれてしまうので(能力的に出来ないのは知的障害者などで彼らの年収はかなり低い)、そういう統計が意味のあるものになるのかどうか…。まあ、将棋にせよ、パズルにせよ、知能を高めるトレーニングにはなると思いますが。
a
新機軸で行くんですね。やる気が出ないとのことですが、正直楽しみですw時間がありませんが、往来のやねうら王と同程度の強さまで持っていけそうですか?
「Xを趣味に持つ人と持たない人との年収の比較」は例えば東大出身者などの層別をしてから比較したら面白そうですね。
>将棋のトレーニングによって能力が開花して東大法学部レベルの
>頭脳になるのか、それとも東大法学部レベルの人を惹きつける魔
>力が将棋に自体にあるのか。
n=2であれですが、単純に広い意味で「優秀」な人は高学歴になりやすく知的ゲームに惹きつけられやすいということでしょう。「優秀さ」は幅広い概念で一概には言えませんが、例えば将棋の演繹的な能力はIQと相関するでしょうし、記憶力その他の「優秀さ」も互いにそうであると考えるのが自然です。もちろん、重みは不明ですが後天的な能力開発の面もあるはずです。
以前、東大と棋士の優秀さについて、ざっくりと参加人数との割合で考えてみたことがあります。東大3000人を一世代100万人のトップ、棋士161人を将棋人口20万人のトップ(将棋倶楽部24からラフに推測)と考えて正規分布でえいやとなると、東大偏差値77.5、棋士偏差値81.5。母集団の質と本気度、それぞれの「能力」の違いはありますが、ある程度の相関があるとすればそのような傾向があることはむしろ自然かなと思っています。
やねファン
今回で電王戦は最後ということで
再び真剣勝負の場で真剣なやねうらおさんが観たいので
どうかモチベーションを上げていただいて、勝ち抜くことを願っています。
たろう
PV観てきました。相変わらずドワンゴは悪意をもって
ましたね。
応援してるので
電王トーナメント楽しみにしてます。
ただ一点だけ。
バグだけは取り除いてください。
り
アピール文書見ると以下の点に気が付きました
Puellaαみたいに複数CPUへの分散処理工夫したよみたいなアピールがほとんどない。
ndfの「駒の相対的な位置関係」を特徴に取り入れたよというアピールがほとんどない。
そんなもんなんでしょうか???
やねうらおさんには当然の事ながら将棋ソフトも期待していますが
服装も期待しています。去年はいちにゃんさってまたいちにゃん
でしたが、今年はどんな服で出場されるのか!
さつまいも
PV見ました。
やねうら王のトーナメント優勝&電王戦勝利を期待しています。
批判もあるでしょうが気にされる必要は無いと思います。
wrss
PVのコンピュータ将棋の歴史?の下りの棒読み感に大爆笑ですw
また、以前のブログで1手詰めルーチンは大事だと書かれてましたが、それを使わないんですね。
今年のやねうら王がBonanza、NDFに続くブレークスルーになる事を期待しています。
お
確かにgdgdでした・・・うらさんがカップラーメンを原爆で沸かす人はいないとか。そんな在り来りな比喩は既存の考えの延長線上にしかないように思うんです。せっかくならカップラーメンで発電してください。
ジャック
GPS将棋は何故出場しないのか?
YSSは何故出場しないのか?
ツツカナは何故出場しないのか?
NineDayFeverは何故出場しないのか?
Bonanzaは何故出場しないのか?
激指は何故出場する事にしたのか?
メカ女子はなんの為に出場するのか?
かず
開発者が求めるべき究極の発想だと思います。
最も困難かつ遠回りのようで、最も将棋の真理に近づける発想だと思います。
是非とも完成させてください。
これほどのワクワク感は久しぶりです。
odakin
「なんでモチベーションが上がらないのか自分でもわからん…」ってのが、めっちゃくちゃ優秀だけど自分のこととなるととーんと分からなくなる天才、っぽくて可笑しかったです(すみませんw)
前回あんだけ編集されて、自分をまったく知らない多くの他人の悪意に晒されたらモチベーションが上がらないのはものすごく自然なことだと私は思うけど。
でも応援してるんで頑張ってください!(なんか口ばっかですみません…)
今回もやねうらおさんの御成果を楽しみにしています。
早すぎだろ。まだ何もしてないぞ。電王トーナメントにエントリーするかどうかすら躊躇うレベルだ。
そして全くやる気が沸かない。こりゃ今回は駄目かも知れんね。
ところが、先週から息子(5歳)が将棋を始めた。くもん出版の将棋盤を嫁が買ってきたのだ。駒に移動できる升が書いてあるので息子にもわかりやすいようだ。息子に将棋を教えていると何か将棋熱が戻ってくるかも知れない。
息子に将棋を教えていると次の将棋の格言がおかしいことに気づいた。
「飛車当たりに香を打つ」の意味で、「飛車取りに香を打つ」と言うから、「両取り」も別に使ってもいいのではないかと言われるかも知れない。ちょっと待って欲しい。「飛車取り」は放置すると次に飛車が取れる。
「お湯をわかす」って言葉があるだろ?実際に沸かしているのは水なのだけど、その結果、お湯になるので、それを先取りして書いてあるわけだ。これを修辞学では「予期的叙述法(prolepsis)」と言う。「飛車取り」という表現はこれに該当する。だから、これはレトリックとしてアリなわけだ。
しかし「両取り」は放置しても次に両方は取れない。放置してたらその次にもう片方も取れますよね、と言われるかも知れない。それは大間違いだ。
その代表格が「桂での両取り」だ。先手が5九桂で後手に両取りをかけた場合、後手が何手放置し続けたらもう片方を取れるというのか。敵陣まで行って、桂を成ったあとそれを自陣まで引いてこないといけないんだぞ?そんなプロの実戦譜を見たことがあるか?ないだろ。ないない。そんなに後手は放置するはずがない。要するにそんなことは現実的に起こりえない。だから予期的叙述法ではない。使ったら駄目、絶対!
というのが私の考えなんだけど…。
同じ理由で将棋の戦法の「縦歩取り」戦法というのもおかしい。普通は実際に歩が取れるわけではないので(本当に歩を取らせた羽生さんの実戦例があるが)、「縦歩狙い」戦法ではないかと思う。この「縦歩取り」という命名をしたのは、確か加藤 治郎先生だったと思うが、その著書『将棋は歩から』という本のなかで、「読者の方から、魚釣りは魚が釣れなくても魚釣りと言うので、縦歩取りも歩が取れなくても縦歩取りと呼んでいいのではないかという意見をもらった」というようなことを書かれていたと思う。
おお、そうか…。じゃあ「縦歩取り」はいいや。でも、「両取り」だけはワシは認めんヽ(`Д´)ノ
なんてことを考えてたら、また私のなかの将棋熱がにわかに戻ってきたかも知れん…。
そういや、最近、私は音楽制作に夢中なんだけど、そろそろいいヘッドホンを買おうと思って、評判のいいBeats by Dr.Dreのヘッドホンをamazonで買ったんだよ。ちょうどamazonがネット最安で25,480円だったんでな…。
【国内正規品】Beats by Dr.Dre Mixr 密閉型オンイヤーヘッドホン ブラック BT ON MIXR BLK
ところがこの良さが全くわからん。以前から使っている千円で買ったヘッドホンとほとんど変わらん。曲によっては低音と高音がよく鳴ってるなーという程度。俺の耳は一体どうなっているんだ…。もしかして豚に真珠とはこのことか。いやいや、違いはわかるんだよ。違いは。
例えば、このヘッドホンをつけてからというもの人様の演奏動画で以前は気にもならなかった録音時のシャーっとかザリッとか言うノイズが気になるようになった。確かにノイズが超鮮明に聴こえる。このヘッドホンは大変素晴らしいものだ。こんな小さなノイズまでクリアに聴こえるだなんてな!ただ、ノイズが気になるぐらい聴こえるのはデメリットであって、メリットじゃないよな…。こんなものに25,480円か。また金をドブに捨ててしまったか。
こりゃ、電王トーナメントの賞金もらって取り戻さないとな…。第二回電王トーナメントはありまぁす!もとい、第二回電王トーナメントに出場しまぁす!
チャモアン
将棋電王戦はプロ棋士との拮抗した勝負が難しく(現状、棋士の先行逃げ切りか、一度良くなったソフトがそのまま差を広げる2パターンしかない。例外は船江戦のみと思う。よって、一度形勢がソフトに振れると一気に冷めてしまう)なっているので、継続困難と感じていました。ですが、菅井リベンジマッチを見て、二日制であれば好局(僅差の激闘)が期待できると確認!
将棋電王トーナメントはともかく、第4回将棋電王戦には反対でした。でも、今は二日制でどうなるか見てみたいです。(先行逃げ切り以外の展開が増えれば、対ソフト専門の準備時間も短縮できると思うので、トップ棋士も出場しやすくなるかも!?)
電王戦もやるとすれば、前回見られなかったバージョンの新しいやねうら王がラスボスになる予感がします。ご武運を。
ボイルドハンター
願わくば今回の電王戦は前回のような出場者を省みない運営による過剰な煽り演出等無しで、純粋に対局を楽しみたいものですね。電王戦トーナメント応援しています!
玉ねぎ坊や
一年とは早いものですね。この電王戦関連が季節の風物詩になってきているようなわくわく感があります。新やねうら王の電王トーナメント 楽しみにしています。またこの短期間でさらなる進化を遂げるんでしょうな。
とおりがかり
ハンデがないとソフト勝ちなので、プロだけ持ち時間増やすしかないですね
ノートパソコンにスペック落とすしかないですね
それでも去年よりレート上がるのでしょうかね
将棋ファン
人間に勝ったくらいで満足しないで
将棋の神(に近いもの)を創り出して下さい
やねうら王2014を楽しみにしています!
Yakitori
ヘッドホンについては、ノイズが聞こえるから音を製作するときにそのノイズを落とすのが主目的じゃないでしょうか。
ソースのノイズはどうしても消すの面倒ですから。
それと、電王トーナメント出場なさるのですね。
今年も名試合を期待しています。そして勝ってください。
やねさんの理論はせかいい・・・えーっと。えっと。とにかくすごいので、期待してます。
lunapig
勝負したいb
ニコ厨
できれば将棋にかかわるのはやめてほしいです。
もう醜いものは見たくないので。
名無し
beatsはファッション寄りのブランドで音質的にはイマイチなので、音楽制作には周波数特性がフラットなモニターヘッドホンがおすすめです。
納得
>>ニコ厨
>できれば将棋にかかわるのはやめてほしいです。
>もう醜いものは見たくないので。
釣られてやるか・・・
紳哉しつこいよ紳哉
そういえば一昨年の塚田の観戦記書いた奴もこんな将棋は二度と見たくないとか書いてやがったな
>納得
いくらなんでも紳哉先生に失礼。
やねうらおに粘着してるのは本人が名乗ってる通りただのニコ厨だよ。しかも自演しまくってる奴だ。
1ファン
1ファンとして、電王戦トーナメント出場及び勝利を期待しています。
niconico超会議などあらゆる所で排除されているように思えますが、やらせPVの件でああなったのは全てドワンゴの責任ですから。
ヘッドホンについて。
PC直差しだとノイズまみれになるのはやむを得ないと思います。USBやS/PDIF、FireWire接続できるヘッドホンアンプを試してみるくらいでしょうか(但し最低でも2万円以上の物で)。ポータブルアンプはS/N比が余りよろしくないので、据え置き型のが良いでしょう。
若しくはオープンエアのプロ用ヘッドホン(AKG等で販売してます)にして、雑音成分を外部ノイズでマスクするか(;´・ω・)
まだ変なのがわいているようですが、事の敬意を知った上で書き込んでいる連中は幼稚園児より頭が悪いとしか思えません。幼稚園児に失礼ですね。訂正します。一年経って帰ってきた山彦のような物ですね。
PVが消されている所を見ても、あらゆる面でドワンゴの不始末です。
気にせず頑張ってください。
bern
技術者のはしくれとして応援してます!
コンピュータ将棋ソフトは現局面での詰み発見能力は比較的高いのですが、
先の手を探索する際、詰み(自玉、相手玉問わず)を絡めた読みがなかなか難しそうだと思ってます。
(例の△63香に▲31角成で有利、との錯覚等)
探索中の有利不利の判断を局面瞬間での評価関数で行っているためだと思いますが、
限られたスペックで、まさか無数にある局面一つ一つで詰め発見エンジンを動かす訳にもいかず……
(すみません、釈迦に説法ですね。。)
たとえば人間の読みだと、自玉に角を渡すと詰みが発生するから、
角を渡す攻めが可能なのは、
?即詰みがある
?攻めながら自玉の安全度を高める攻防手がある
のどちらかだな、という判断ができますが、こういったロジックが組み込めれば……
難しい終盤だと、こういったところで勝敗を決することが割とあるんですよね。
やねさんが上記のところをスマートに解決してくれることを期待しています!
……とはいえ、こんなところに開発工数や対局時のマシンリソースを消費するなら
他の課題を解決したほうが棋力が向上するのかもしれませんが。。
将来的には、やねうら王同士で対局を続け、先手(または後手)の勝率が100%近くとなり、
将棋自体の完全解析とはいかずとも、
「最強のソフトによる統計では、将棋というものは先手(または後手)が必勝である」といった
結論がでる日を夢見ております。
それでは。
ken
>いくらなんでも紳哉先生に失礼。
うーん、でも爽やかな第一局の直後に紳哉先生ご本人が公の場でそのような発言をしたのは事実だよね…。前言を撤回したのかどうかは未だ謎のまま。
最終局後の全体会見で一応謝罪っぽいことは言ってたけど、あれでは誰に対して何について謝罪したかったのかイマイチ分からなかった。裏ではキチンとした話があったものだと信じたいけど…。24点法へのルール変更強要を棚に上げて欠席裁判で一方的な批判をして、その後頑なにその話題をNGワードにしたりして徹底的に隠蔽工作した将棋連盟側を信じるのは難しいか。
とにかく、将棋は将棋連盟のものではないし、そんなことを言う権限などもちろんないので、雑音など気にせずに今後も開発および第二回大会頑張って下さい。
名無し
「評価値と読筋を記録する拡張」に基づく評価値ならびに読筋の送信がさりげなく義務化されてる(w
あと、入玉宣言が27点法のままだけど、本戦のルールの記載がないままですね。どうなってるんですかね?
あと、中途半端な稲庭模様排除ルール(引き分け狙いと審判が判断したら即失格ルール)が廃止されていることは評価できると思います。あれは酷いルールだった(ルール上、気に入らない試合展開になったソフトを失格にすることが出来るルールだったし)。
応援してます
「弱い方」のやねうら王が、美濃囲いで居飛車穴熊を粉砕した将棋に感動したものです。
やねうらおさんが将棋プログラムへの情熱がなくなって、もっと強い方のやねうら王が日の目を見るのはないのかなと思っていたところの電王トーナメント出場宣言にうれしさがこみ上げました。
電王トーナメントでのご活躍を期待し、第4回電王戦を楽しみにします。
名無し
将棋の内容自体は素晴らしかったので,対局相手を不必要にあおるような発言をしたり,自身の勝手な解釈でルール違反をするのだけはやめていただきたい.
開発者が普通の発言をし,ルールを守ってさえいればやねうら王という将棋ソフト自体は素晴らしいものなので,開発者の言動でソフトの価値まで落とさないでほしい
煽り? 単に無知なのならしょうがないけど、少なくとも、
http://d.hatena.ne.jp/kanoke/
ここのまとめの3月23日以前の記事くらいは読んでから書き込んでね。
ああゴメン。最初意味が分からんかったけど、そこのURLのキャッチコピーのことね>バラエティー番組
それはともかくとして、そこの記事は上手くまとまってるので事情を良く知らない人には一読してほしいわ。
mie
単純にエンターテイメントとして電王戦を楽しんでいる者です。
断然コンピュータ側応援です。
やねうら王頑張ってください!
り
パパの作ったソフトが羽生さんに勝ったんだよと息子に言える日が来るといいですね。ただ、個人的には羽生さんが出てくるのはどんなに早くても2〜3年後のような気がしますが。そういえば羽生さん予想では羽生さんがコンピュータに負けるのは2015年でしたっけか?
namnam
トーナメントでのご活躍、とても楽しみにしています。
私はやねうら王はすくなくとも5位以内に入ると思っており、その上で、どうしても気になった事があります。
今回のルールで、やねうら王を狙い撃ちにしてるのか? と感じた部分は以下の箇所です。
-----------------------------------------
(第25条)
<前略>
事前研究の棋譜を取り込んで強くなる機械学習機能は認めるが、研究対局を妨げる仕様にしてはならない。
<後略>
-----------------------------------------
この文章自体に矛盾を孕んでいる事に、ルール策定に関わった人は本当に気付いていないのでしょうか?
局後学習の結果、ソフトの指し手が改良されるから「強くなる」訳であり、その結果いわゆる「なぞり」を回避する理屈なので、
局後学習を認める事 イコール 研究対局(ハメパターン探し)を妨げる事
ですよね?
それとも、「研究対局を妨げる仕様」の私の解釈自体が間違っているのでしょうか?
例えば、前回は手動で局後学習を実行していただいたそうですが、それが余計な手間となるので手動はダメ、とか?
なんだか嫌な予感がしてならないので、事前にルール策定者に確認を取るべきかと思います。
Yakitori
ニコニコが人間vsコンピュータの図式を次回でやめるそうですね。ちょっと残念です。
将棋のサジェストウエアってどういう感じになるんでしょうね。
とにかく、大花火上げてかっこよく終わってほしいですね。
forggen
新作やねうら王楽しみにしてます。
ピン
去年のバグがあったソフトに今どういう思いでいるか分かりませんが
先日のタッグマッチでやねうら王の手がほとんど見れなかったのは残念でした。
ああいうのも加藤先生の魅力ですから、本気で不満に思う気にはやはりなれないのですが。
明日はいよいよBブロックですね。2013年の佐藤慎一先生のように、
基本は自分の指したい手をソフトでチェックする為に使う、それが候補手と一致すれば当然ソフトと同じ手でも指すという使い方をでも
十分やねうら王の手や良さも引き出されると思いますが、もしソフトの手や評価をほとんど軽視されるようならそうはならないでしょう。
将棋に関しては実直な人だと思うので、良い使い方をしてくれると思っているのですが期待と不安が半分半分です。
ピン
後手でしかも横歩だと直線的な展開になったら、最強のponanzaに勝つのは大変になるのでしょうが、それにしてもやねうら王の手を生かす工夫がほとんど見られませんでした、残念です。
新作やねうら王の将棋の内容に期待はあります。しかし既に書かれている通り今回のルールは矛盾と解釈の余地を多く含んだ、やねうらおさんから見ればはっきり言って不備だらけの代物でしょう。
どうか、今回のルールで再び無用なトラブルが起きる事のないよう祈ってます。
Anonymous
あらら、みなさん電王戦絡みのコメントばっかりで面白い話題にはノータッチですか。
こういう形式的な話題を楽しめる人って少ないですよね>やねさん
>同じ理由で将棋の戦法の「縦歩取り」戦法というのもおかしい。普通は実際に歩が取れるわけではないので
次にパスしたら歩が取れるわけで、やねうらさんの説によればこれは予期的叙述法で、おかしくないと思います。上で「飛車取り」はレトリックとしてアリと言ってるのに、縦歩取りだけ「普通は取れないから〜」なんて定跡の話を持ち出すのはダブスタでしょう(←ネタにマジレスするというネタですよ、念のため。笑)
で、「両取り」という言葉はみんな普通に使ってるわけですから、言葉が間違ってると考えるのではなく、「なぜ人間はそれを正当化できるのか? どういうレトリックが使われてるのか?」と肯定的に考えた方がいいと思うんですよ。
何かにつけて「言葉が間違ってる」と主張する人は、むしろ言語能力が低い人なのではないかと思います(無理数じゃなくて無比数の方がいいと主張する人とか)。
やねうらさんの間違いは
>しかし「両取り」は放置しても次に両方は取れない
この事実の解釈にあると思います。
私はしたがって「放置すると次に取れる」ことが「取り」の定義ではない、と解釈します。
単に自分の駒の利きが相手の駒に当たっている状態、すなわち「当たり」=「取り」なのだとすれば、「両取り」に何もおかしいところはありません。あるいはパスしても次に「どちらか一方しか取れない」と考えるのではなく、「どちらでも好きな方を取ることができる」と考えるとか。
yaneurao
↑
> 次にパスしたら歩が取れるわけで、やねうらさんの説によればこれは予期的叙述法で、おかしくないと思います。
これは確かにそうなのですが、「横歩取り」のほうは100%取るので、「縦歩取り」のほうだけ予期的叙述だとおかしいかなと。
> 「当たり」=「取り」なのだとすれば
これはまあそうなんですけど(そして、実際、その意味で解釈するのが世間的には普通なんですけど)、この手のテクニカルターム、あまり多義的に解釈できる余地を残すと用語として使いにくいので、もうちょっと意味を限定して使って欲しいなーとか思いながら書きました。はい。
Yakitori
曖昧と柔軟を重んじた時代の言葉ですからね。
多義的に解釈できちゃうのは歴史といえるのでしょうか。
自分もそのケがあってさいきんの人に通じなくなってきて困っています。
自分の主義通りに何人もが解釈すると喧嘩を始めるようですし。怖いです。
いまどきは世間でもコンプライアンスに五月蝿くて、テレビ放送でヤラせなんかしようものなら強い批判を浴びる。しかし、許される範囲のヤラせというのも現実的には存在する。
例えば、ある会社に訪問するとき、「ここが、XXXを作っているYYY会社ですねー。お邪魔しまーす」みたいな会社の玄関から入ってくるシーンがよくテレビで流れるわけであるが、あれもヤラせと言えばヤラせである。実際は、いったんその会社の担当者と打ち合わせをしたあと、「最後に、玄関から入ってくるところ撮影させてもらっていいっすか?」みたいな話になる。「いいですよ」と言うと、改めて玄関から撮影するわけである。
玄関あけたらいきなりカメラを回しているだとか、そんなことはありえない。私は過去、数十回メディアの取材を受けたが、いきなりカメラを回しているテレビ局や雑誌記者なんて一度もいなかった。
そりゃそうだろう。玄関あけていきなりテレビカメラが回ってたら、「ちょ、ちょっと!何してるんですか!やめてください!!」みたいな感じで猛烈に怒り出す人がいて、取材拒否にもなりかねない。そうでなくとも、「玄関からの撮影はNGです」と言われたら、せっかく撮影したビデオテープが無駄になってしまう。だから、そんな取材の仕方をする人はいないわけである。
だから、「ここが、XXXを作っているYYY会社ですねー。お邪魔しまーす」みたいなシーンは100%ヤラせなのである。
撮影のため、小道具を持たされることもある。例えば私はプログラマーとして紹介される場合、決まって、PCに向かってキーボードを叩いてプログラムしているところを撮影させてください、みたいな話になる。そのプログラムを作ったのが私でなくとも、である。まして撮影中にプログラムが書けるはずもなく、これまた適当に何か文字をタイプしているだけとなる。しかし「普段、こういう風に開発している」ことには違いないので、まあ間違ってはいないのだが、これもヤラせと言えばヤラせである。
また、こんなケースもある。ずいぶん前のことになるが、どうもそのときのテレビ局のディレクターは、私が簡単なプログラムであくどく儲けているところを撮りたかったようなのだ。実際はあくどく儲けてなんかなかったし、私自身はさほど儲かってもなかったのだが、その番組で使う流れ上、そういう風に私を撮影したかったようなのだ。当時、コタツに入って仕事してて、コタツの上に食べかけのお菓子やらミカンやらが散在していた。「このコタツの上を片付けてもらえませんか」みたいな話になって、コタツの上やら部屋のなかやらいろいろ片付けた。私は普段はそんな状態で開発をしていたわけではないので、普段の状態ですらない。全くのヤラせであった。だからと言って許されない範囲のヤラせだとは誰も思わないだろう。
ついでに言うと、私の「これではほとんど儲かっていませんよ」みたいな発言は編集ですべてカットされていた。どちらかと言うとそっちのほうが問題だと思うのだが、本論とはズレるので話を先に進める。
ともかく、普段の仕事風景をありのままに撮りたいのであれば本来は盗撮するべきである。そうしてこそ初めて普段の仕事風景が撮れるわけである。しかし、現実的にはそうは出来ないので、取材でテレビカメラが回っているときに、取材される側の人間は普段の仕事風景っぽく演技しなければならない。もうこの時点でヤラせと言えばヤラせだし、こういうのをヤラせだと言い出すとキリがないのである。取材という性質上、どうしても作った映像になってしまうのは仕方ないのである。
こんなことは、サンタクロースを信じている小学生でもない限り、考えればわかるはずであるが…。
さて、私は先日、NHKの『サキどり』という日曜の朝の番組の取材を受けた。
http://www.nhk.or.jp/sakidori/backnumber/140622.html
その放送内容は電王戦関係の話題に始まり、人工知能が人間の頭脳に迫ろうとしているという内容の放送があった。朝の情報番組なので比較的軽めの内容ではあるのだが、それでも激指の開発者の鶴岡先生の研究室でコンピューター将棋で使われている機械学習を応用して英文の誤りの自動検出プログラムを開発しているだとか、Googleは自動運転カーを作っているだとか、東大合格を目指す東ロボ君のプロジェクトリーダーへのインタビューだとか、取材は多岐に渡り、きめ細かな取材をされていた。さすがNHKだと思った。
この取材のなかで、NHKの番組のディレクターから「コンピューター将棋の開発をしている人はこんな(立派な?)仕事もしているだとか、コンピューター将棋のプログラムはこんなプログラムに応用できる、応用しているみたいなものは何かありませんか?」と尋ねられたので、ああそういや、私が六本木ヒルズにあるセキュリティ会社のCTOをしていることを「やねうらおは見栄を張って嘘言ってんだろw」ぐらいに思ってやがる輩がいまだにいるので、「おっしゃ、ワイの勇姿を全国放送で見せたるわい!おんどれら、メン玉ひんむいてよう見とけ!」とその会社に行ったときに取材してもらおうとNHKのそのディレクターに提案したのだが、取材日に折り合いがつかなかった。
仕方ないので、私が技術顧問をしているゲーム会社でゲーム製作のための授業をしているところでも取材してもらおうと思った。普段、何かのついででないと私はその会社には行かないので取材日を指定するなら交通費ぐらいNHK側で出して欲しいと思ったわけだ。そのことをそのディレクターに相談したところ「最近、ヤラせ報道とかに対して厳しくて、すみませんが、お金は出せないことになっているんです」とのことだった。
あくまで日常的にやっていることを取材して撮影するわけだから、そのための費用をNHKが出すのはご法度ということなのか。いやー、そうは言っても、日常的にやってはいるけど、取材日を指定されるとわざわざその日に行かざるを得ないですよ?宿泊費は自腹で出しますから、交通費ぐらいでませんの?出ない?そうですか…。
みたいなやりとりのあと、そうだ、いま取り組んでいる自動作曲プログラムのほうを取材してもらおうと思った。私は作曲家の芳川よしのさん( http://www.yosshibox.com/ )と定期的に会って自動作曲ソフトのためのミーティングをしているので、コンピューター将棋ソフトの探索技術が自動作曲ソフトに応用できるという趣旨で取材をしてもらうことになった。芳川さんとは、私が東京に出張に行ったときはじかに会って話をしているのだが、そうでないときはSkypeでビデオチャットをしている。
番組ディレクターからは「Skypeではなく、実際に芳川さんに来ていただくことは出来ませんか?」と言われたのだが、芳川さんが東京から私の仕事場(大阪)に来る用事もなかったので「交通費でませんか?」と尋ねたが、「それはやはり出せない」とのことだった。
交通費を出したところで、これがヤラせに該当しないことは明らかだと思うのだが、ヤラせにつながるためか、こういう費用は一切出せないことになっているらしい。だったら取材費などの名目で出して欲しいところであるが、NHKは取材費は基本的に出さない。
このように書くと、「やねうらおは目立ちたいから取材費なんかなくても喜んでテレビに出るんだろ(藁)」とか言う声が聴こえてこなくもないが(そういう気持ちが無いとも言い切れないが)、何故私が取材費も出ないような取材に応じているかと言うと、電王トーナメントにエントリーしたときにドワンゴ側にサインして提出した書類には「メディアの取材には応じること」ということが明記されているからである。いや、明記されてなくても基本、取材には応じるけども、今回のように取材に応じてその交通費が自腹というのは非常に理不尽だと思うのだが…。(注:電王戦関係でドワンゴに行く場合の交通費に関してはドワンゴからもらえます。念のため。)
そうこうしているうちに「せっかくテレビに映るなら、PCのモニター越しではなく直接映りたい!」という芳川さんの希望があったので、私が芳川さんの交通費を出してあげて大阪まで来てもらうことになったわけだ。
番組のディレクターからの事前の話では、私と芳川さんがピアノの前で話している映像は番組のエンディングで使われるとのことだった。私と芳川さんとの事前打ち合わせでは、私がピアノを弾く係となるはずであった。芳川さんは作曲家ではあるが、DTMが主体でピアノはブルグミュラー程度の腕前らしく、「それなら私(やねうらお)のほうが上手いよね…」という理由で私が弾く係(ピアノの前に座る)となるはずであった。ところが、その番組ディレクターの希望で私が芳川さんのノートPC(DTM用)を持って椅子に座り、芳川さんがピアノを弾いている映像を撮影することになった。
この『サキどり』の放送されたエンディング部分を見ると、芳川さんには紹介のテロップが入っていないのでどこの誰かもわからない。私がノートPCを持っているので、そのノートPC上で動く自動作曲ソフトで作った曲をあたかも演奏者の人が演奏しているかのような映像になってしまっている。この放送を観てそのように誤解して受け取らない人が一人でも居るというなら教えて欲しいぐらいである。ノートPCのほうは、DAW(曲作りのためのソフト)が立ち上がっているのだが、私は使ったこともないソフトであり、使い方もわからないソフトである。
まあしかし、「コンピューター将棋の技術が自動作曲に使える」というのは事実であり、私が自動作曲ソフトを製作中であることも事実である。それはきちんと視聴者に伝わっているわけで、イメージ映像としてはこれでいいのではないかと思う。この程度のことをヤラせだの捏造だの言うと映像編集という仕事自体が成り立たなくなるのである。
どうかNHKは、世間からのヤラせ批判などに負けず、取材の時には交通費ぐらい出せる体質になっていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
あ、あと。ちょうどその番組の放送を見てらしたシンガーソングライターの樋口了一さんからはこんなツイートが。
https://twitter.com/ryoichihiguchi/status/480505494180614144
ジャック
予想ありがとう御座いました。
あまりにも長時間だと人間不利なのかなと感じました。
菅井さん 可哀想なぐらい疲れてたような・・
>最近、ヤラせ報道とかに対して厳しくて、すみませんが、お金は出せないことになっているんです
これ嘘と本音が混じりあってる感じがしますね。
ヤラせ報道に厳しいのは昔からですよね。
ヤラせに厳しいとか云々関係なく(ヤラせに厳しいってのは本当だとは思うが)
NHKの方針としてお金は出さないって事だと思います。
NHK杯 テレビ将棋トーナメント
NHK紅白歌合戦
等々 NHKの番組はギャラが安いって噂で聞きます。
twinings04
はじめまして
内容はやらせと演出の違いのように思いますね。
例えば打ち合わせ後に玄関から訪問という場合は演出で、
撮影時に何かハプニングが起こったとしてそれが実は番組サイドの企画でそれが企画だと述べられなかったような場合はやらせになると思います。
ゆうたろう
第二回将棋電王トーナメントの募集がはじまりましたが
やねうら王は今回も出場されるのでしょうか?
り
A氏は確かに電車を使ってB地点からC地点に移動したみたいなことを確実に証明できればいいだけなので、NHKの誰かが同伴して移動するみたいなシステムを構築すべきなんでしょうね。
「やらせにつながるかラ〜」なんて脳味噌使わないお題目となえるだけの体質を籾井さんなら変えてくれるんじゃないのかな?知らないけど。
名無し
確かに、放送内容に問題があった時、金銭の授受があったかどうかがまず調べられるはずです。
しかし、授受があった場合、あらぬ嫌疑をかけられてしまうので…というのは建前論ですね。
本音は…。
現場スタッフは相手を説得し易くて仕事が進む。
上層部は取材コストをカットできて嬉しい。
やねさんが希望する方向には行くわけないと思いました。まる。
ストーリーありき
「ほんっっと〜〜に不愉快」 漫画家・唐沢なをき氏、非常識すぎるNHK取材に激怒…番組放送中止要請
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1301496.html
昨年の電王トーナメントで優勝したPonanzaがPonaXとして商品化された。定価13,824円と比較的高めの設定だったが、「高すぎやろw」という棚瀬さん(東大将棋の作者)のツッコミに対して「それだけの価値はありますよ」と自信満々の山本君(Ponanza作者)。
https://twitter.com/issei_y/status/453474099461758977
ところが、発売後、PonaXがあまりにも出来がひどいのでアマゾンでのレビューは将棋ソフトとしてかつてないほど荒れ放題となっている。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JH47X2S/aaaaab0c-22/ref=nosim
※ PonaXがどうひどいのかについて、ここには書かない。具体的な内容はアマゾンのレビューを見ていただきたい。
ここでは長文になるのを避けて
・何故、作者が直接批判されるのか
・PonaXがどれくらい強いのか
の2つに絞って書く。
■ 何故、作者が直接批判されるのか
まず、PonaXが将棋ソフトとして機能面で不足している感は否めないが、バグまわりに関しては、修正パッチでなおるレベルだと私は思う。修正パッチがリリースされる前から大騒ぎするほどのことではないと私は思う。
あと、思考エンジン部以外は山本君が書いているわけではないのに、バグなどについてエンジンの作者(山本君)にtwitterで問い合わせるのはどうなのかという気はする。
こうなってしまった経緯を考えるに、販促用のPVで山本君が自ら「神の一手を体感せよ!」とか言っていたが、こういう販促のために作者(思考エンジン開発者)が前に出て宣伝をするような宣伝の仕方をするから、何かあったときに、それが作者由来の問題ではなくとも、すべて作者のほうにtwitterなどでクレームが来るなど、矢面に立たされるのではないかという気がする。
山本君は思考エンジンを提供しただけで、また思考エンジン側に不都合はないことは明らかなのに、このような批判のされかたは全くもって理不尽だと私は思う。
マスターアップ前に商品のクオリティを思考エンジンの作者としてチェックすべきだったなどという意見もあるが、この手の製作物ではスケジュール上、そういう機会が作者に与えられるとは限らないわけである。また、山本君は製品のクオリティコントロールをする立場ではないし(そのへんはディレクター/プロデューサーとかの仕事)、例えば、機能面で不足していることがわかっていたとしても、それをディレクターに進言できる立場でもなかったんだろうなぁと思う。
あと、電王トーナメント/電王戦以降、将棋ソフト開発者がプロ棋士と同系列に扱われることが多くなったが、将棋ソフト開発者なんてただのプログラマであって、本来テレビやメディアに露出することのほうがおかしいわけである。しかしソフト名だけを出して、将棋ソフトの開発者のほうにスポットライトを当てないのでは興業的に成り立たないためか、変に脚光を浴びるようになり、今回のPonaXの一件のように作者としてそれ相応のリスク(何かあったときの反動のきつさ)を背負うようになった。
芸能人やタレント業ならいざしらず、一介のプログラマがこのようなリスクを背負うのは何か状況的におかしいのではないかと思うのだが、いまさら嘆いたところでどうにもならない。
■ PonaXがどれくらい強いのか
PonaXをインストール後、将棋所からエンジン設定をすれば、将棋所で使えるらしい。
http://www.ne.jp/asahi/to/yuuhi/ponax_00.html
じゃあ、もう、PonaXの将棋所以下の糞みたいなGUIは要らないじゃんということで、「PonaX、最高です!値段は高いですが、それだけの価値はありますね!!」といきなりPonaX信者に豹変するのが私である。
知らない人のために言っておくが、PonaXは2013年の電王トーナメント版Ponanzaと同等である。つまり、駒落ちは確かにひどく、2枚落ちだとPonaXが穴熊に囲いやすく、これではアマ10級ぐらいでも勝ててしまうだろう。(ニコ生で今年の3月に芸人の小籔千豊さん(アマ1級)が、Ponanzaに2枚落ちで勝っている。) この意味においては、10年以上前に発売された東大将棋であれ、これよりはマシだという意味はある。
私は駒落ちなんかどうでもいいので話を先に進める。
まず、思考エンジンであるが、32bitモードで動作している。64bitモードではないので、おそらく64bit版にコンパイルされたPonanzaと比べると10%ぐらい遅いと思う。おまけにx86用しかなく、SSEも使ってないのではないかと思う。普通は、64bit版のバイナリやSSE2/4が使える環境用なども用意して、64bit環境ならば64bit版が起動するようにするのだが、「そんな小細工しなくともPonanzaは最強!」みたいなことなのか64bit版などは用意されていない。まあ、実際最強なんだからいいじゃん。
次に、置換表(ハッシュ)設定は、小さめ(512MBぐらい)にすること。32bitモードだからあまり大きくすると確保に失敗する。確保に失敗していても停止するわけではない。このとき、そこはかとなく弱くなっているのだが、それでもBonanzaよりは強いようだ。置換表が確保できていない(?)のにBonanzaより強いというのが驚異的で、ちょっとしたミラクルであるのだが。(もしかしてFPGAでコンピュータ将棋、評価関数さえ軽量化すればBonanza以上の強さのものが作れるんじゃまいか…。)
それからHT(HyperThreading)、これは有効にしておいたほうが良い。有効にしているとタスクマネージャーで見るとCPU負荷率は50%になるが、この状態で正常。すべてのコアはきちんと動いているし、将棋所上のレスポンスも良くなるので(HTの余っているスレッドがGUIを受け持つので)、お勧め。
電王トーナメントのときにやねうら王が秒読み時に9秒のところで指し手を送っているのにタイムアウトになっていて、これ何とかしないと…みたいな話を当時このブログに書いたが、あのあとaki.さんから「(別スレッドでタイマーを監視しているのであれば)HTをonにしているとそれは防げませんか?」と言われて、なるほどと思った。
ともかく、HTは有効にして、CPU負荷率50%。これが正常動作&お勧め設定。
さて、気になる勝率のほうであるが、Bonanza6にはほぼ負けなし。負けがなさすぎて、相当の試合数をやらないと正常なサンプルがとれない。100局しか試してないので具体的な数字を書くのは控える。もちろん勝率9割は優に超えている。
GPSfishに対しては勝率7割強。
いま開発版の最新のやねうら王は、先月の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したAperyとやっても同等以上であると思うが(Aperyの3月度版には現バージョンは6割弱勝ち越し。Aperyは3月から5月の間でさほど改良はされてないと思う)、このやねうら王が勝率3割強。200局しかやっていないのであまり正確でもないと思うが、R150前後の差はあるのだろう。
この開発版のやねうら王は将棋倶楽部24で自作の5万円PC(CPU = Core i7 4771)にてR3200を突破し、おそらくはR3300〜3350はあると思われるソフトである。これよりまだR150強いのだから、5万円PCであれ将棋倶楽部24にてR3450〜R3500クラスであるのは確実。個人的には、これだけ見ても値段ぐらいの価値はあると思うが、「R3000もR3500も棋力がR2000にも満たない人には変わらないジャン」みたいな人にはこの価値はわかってもらえないのかも。
ともかく、PonaX、5万円PCでR3500という価値のわかる人は買えばいいと思うよ。
■ 2014/6/13 22:00 追記
マイナビ、PonaXの回収・返金を発表
http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-771.html
amazonのマーケットプレイスでは一転してプレミア価格に!
log
> 将棋ソフト開発者なんてただのプログラマであって、本来テレビやメディアに露出することのほうがおかしいわけである。
> 芸能人やタレント業ならいざしらず、一介のプログラマがこのようなリスクを背負うのは何か状況的におかしいのではないかと思うのだが、いまさら嘆いたところでどうにもならない。
これは将棋ソフト開発者に限らずとも言えることですよね。
どんな業種でも何か注目されるきっかけがあれば露出が(本人の意思によらず)起こり得ると思います。
その場合にリスクを背負うというデメリットはありますが、一方で認知される(有名人になる)ことによるメリットもありますよね。
メリットなんていらないから露出したくないという姿勢であったのであれば理解できますが、デメリットだけに注目して嘆いているというのはどうかと思います。
> あと、思考エンジン部以外は山本君が書いているわけではないのに、バグなどについてエンジンの作者(山本君)にtwitterで問い合わせるのはどうなのかという気はする。
問い合わせている人を擁護するわけではないですが、山本氏に問い合わせようと思うのは Ponanza = 山本氏という認知のされ方である以上、当然なように思います。
いや、「山本君は思考エンジンを提供しただけで、また思考エンジン側に不都合はないことは明らか」ではないと思います。
ソフトを買う一般の人が「思考部」とそれ以外を区別して考えられるでしょうか。
「山本氏は PonaX の開発者」だと思ってしまうのは自然ではないですかね。
> マスターアップ前に商品のクオリティを思考エンジンの作者としてチェックすべきだったなどという意見もあるが、
> (中略)
> それをディレクターに進言できる立場でもなかったんだろうなぁと思う。
この主張は同意です。私も開発・制作に関わる人間なのでこのあたりのやねさんの言い分には納得できます。
なので山本氏は思考部を開発しただけ、他の部分は山本氏の責任ではない、という前提で「作者としてチェックすべきだから、山本氏にも責任があるのは当然」という意見に対しては反感を覚えます。
> ともかく、PonaX、5万円PCでR3500という価値のわかる人は買えばいいと思うよ。
後半の内容も読みましたが、やねさんの結論は真理だと思います。
ただ、(PonaX、5万円PCでR3500という価値の分からない)一般的な将棋ソフトを求める一般人からすれば、GUIが使いづらいという時点で低い評価になるのは仕方ないと思います。
レビューにもありましたが、ソフトの強さだけを求める人には悪くない、というのは商品として世に出る将棋ソフトにとってはターゲットを絞り過ぎでしょう。
山本氏が悪いとは(やねさんの書いた理由で)思っていませんが、
PonaX というソフトの開発側に思うのは、そういう種類のソフトなら最初からそれを前面に押し出せば良かったのではとは思いました。
それをやらずに「PonaX、5万円PCでR3500という価値しかないソフト」に成り下がっている PonaX への Amazon の酷評レビューは妥当なように思います。
悪いのは、関係者(山本氏とか例えばやねさんとか)のレビューなしで製品化してソフトを世に出した
> (そのへんはディレクター/プロデューサーとかの仕事)
とかその辺の人達。目先の期日しか目を向けず将来性を無視する馬鹿な輩が悪い。
yaneurao
↑特に反論はないのですが、気になったのでひとつだけ。
> いや、「山本君は思考エンジンを提供しただけで、また思考エンジン側に不都合はないことは明らか」ではないと思います。
https://twitter.com/issei_y/status/471971914718523392
> 山本 一成@電王 @issei_y 5月29日
> @shoaniwo ご連絡ありがとうございます。教えて頂いてありがとうございます。私自身は思考エンジンしか提供してない状態で、正直困り果ててます。
彼のtwitterはこのケースにおいて比較的オープンな情報に属すると思うので、これをもって「自明」と私は書きました。一般ユーザーが知っていることを前提に話を進めるわけではないですが、twitterで彼に問い合せているような人ならば比較的簡単に得られる情報ではあると思います。
HT
>ともかく、HTは有効にして、CPU負荷率50%。これが正常動作&お勧め設定。
HTを有効にすると、PONANZAはともかく、他のソフトが弱くなってしまうのではありませんか?そうすると正確な実力関係が把握できなくなってしまうような気がするのですが。
り
この記事の本題からは、ずれますが
> やねうら王が勝率3割強
コンピュータ将棋という世界に、そこまで強くなる余地がまだあったというのが驚きだし、その化け物じみた強さがもし「探索パラメタを根性の手調整」に起因するのものだったなら、もう意味が分かりません。
普通に想像すると、手で変えても全体のバランス絶対崩れるだろと思います。
yaneurao
↑*2 HT有効にしても、思考エンジンの思考スレッド数設定を物理コア数(論理コア数ではない!)にしておけば、自動的にロードバランスされる(各物理コアに思考スレッドが1スレッドずつ割当たる)ので、ほとんど弱くはなりません。これはどの思考エンジンでもそうです。
↑*1 やねうら王の評価関数は差分高速化しているものの、精度的にはBona6より少しいい程度(+R50程度?)なので、NDFの例からするとまだ+R300ぐらい伸びる余地はあるわけで、そう考えるとPonaXはまだ+R150ぐらいは伸びるのでしょう…。今年の電王トーナメントではそれくらい強くなったPonanzaが見られるのかも。
yaneurao
ツイートに返信。
https://twitter.com/kazu_nanoha/status/475452889347813376
>かず@なのは @kazu_nanoha 19 時間
>@yaneuraoh 独自Ponderが有効になっていて、Bona6にリソースが回ってない、なんてことはないでしょうか?
タスクマネージャーでCPU負荷見ても将棋所上でPonaXを動かした場合、ponderしてないようなのでそのへんは問題ないですね。
merom686
> PonaXは2013年の電王トーナメント版Ponanzaと同等である
http://www.4gamer.net/games/256/G025688/20140512034/
ここに「電王戦からさらに進化した最新バージョンが搭載されているとのこと」とありますが、
これは「第2回電王戦からさらに進化した第1回電王トーナメントバージョン」という意味なのでしょうか。
yaneurao
↑たぶんそういう意味なのでしょう。
参考)
https://twitter.com/issei_y/status/454683045245632512
> 山本 一成@電王 @issei_y
> @shogisoftsuki @anonaossan 電王戦バージョンですよ。csaサーバーとかは対応してません。
yasutako9
社交性のゲームであるビジネスで団体責任が問われるのは当たり前かと。それを踏まえて、監督、ネゴシエーションをするのは当たり前では?
chikatilo
でももう少し待ったらPonanzaよりもっと強いやねうら王が発売されるんでしょう?
pop
作者は注目されたくない、露出したくないと思っているのですか?
mswar
なるほど、羽生将棋で羽生さん叩くような話だったわけですね。。。
(思考部分だけ提供してる人間が、販促にも使われる)
yaneurao
↑*3 やねうら王がPonaXに勝ち越せるようになったら考えます。(´ω`)
↑*2 思考エンジンの作者によるのでは。露出することがプラスになる人もいれば、何の得にもならないと考えている人もいるでしょうし。私は総合的にはプラスだと思っていますが、マイナスの側面も馬鹿にならないような…。
徘徊
記事と関係ないのですが、Googleで「やねうらお」と検索しても
このHPが検索結果に反映されなくなっています。今流行りのGoogleの言葉狩りでしょうか?
yaneurao
↑普通に1位に出ますけども…。cookieを削除するか、シークレットモードで試すか、検索結果URLに &pws=0 をつけるかしてニュートラルな状態で検索してみてください。
わからん人
露出することのマイナスはやねさんほどわかってる人はいない気がする……。
電王戦のあれを経てやねさんが露出を総合的にプラスと思ってるのは意外でした。
yaneurao
↑私の場合、電王戦はいまのところ仕事上は何の影響もないですし(プラスの影響もマイナスの影響も)、電王戦を経て人脈が増えたメリットのほうが大きいです。逆に、仮に私が普通の会社員とかだったら、この手の炎上は仕事に支障が出て大変だったでしょうね…。普通の会社員だったなら私は電王戦、出てないと思いますし。
り
将棋やボカロとは全く関係ありませんが、サッカー盛り上がっていますね。
人工知能の課題としてロボットにサッカーやらせるロボカップがあるんですが、人工知能に興味を持ち、コンピュータ将棋も作っちゃうやねうらおさんは、ロボットにサッカーやらせるとしたらどんなプログラムを作りますか
みたいな会話が盛り上がるのもワールドカップのシーズンだけだろうな
yaneurao
↑相手のプレイヤーあっての味方チームの作戦を最適制御するのは、麻雀の思考ルーチンのようになりますね。麻雀の思考ルーチンについて詳しいことはまたいずれ…。
り
wikipediaで「ロボカップ」のページのシミュレーションリーグ読むとかなり人工知能ぽいゲームみたいですが、やねうらおさんんも今後時間が作れたらこれに参加してみたいなあ
なんて気持ちもありますか?
ジャック
2014年7月19日の電王戦リベンジマッチ 習甦VS菅井竜也さん
どちらが勝つと予想しますか?
前にもツツカナVS船江恒平さんどちらが勝つと予想するか聞いたのですが
その時は、私の見立てでは船江五段、やや有利と言うところです。
と予想されてました。
今回はどちらが有利なんでしょう?
持ち時間8時間らしいです。
yaneurao
↑私は、菅井五段のほうが有利だと思いますね。習甦と菅井五段なら実力的には互角ぐらいなので、以前の(貸出時の)研究が生きるというのと、長時間になれば人間側有利でしょうから…。
り
サイエンスzero
プロ棋士大苦戦! 進化する将棋コンピューター
2014年7月12日(土) [Eテレ] 昼0時30分〜
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp470.html
やねうらお氏の映像も流れるのかな?
名無し
「スタープログラマー」が活躍していた時代を思い出しました。
電波新聞社のソフトなんか、タイトルにプログラマーの名前がドーンと出てましたね。
そう思うと、将棋ソフトの世界は、プログラマーが表舞台に立てる(立たされる)商業的に未開の分野なのでしょうね…。
たまねぎ坊や
今年の2014電王トーナメントは見どころがいっぱいですね。
PONANZAの連覇やAperyの選手権とともに完全制覇、昨年調整不足で出なかったGPSの復活等、見どころがいっぱいですね。
やねさんも、そろそろ頂上とってください!
でもってソフト化もお待ちしてます。
今日からボカロを始めることにした。もちろん、ボカロを作るところからだ。ボカロを含めて音源も自作する。楽器(ハード)も自作する。
音楽理論も自分で構築しなおす。自動作曲のためのプログラムも作る。そうして、やっと自分だけの音楽が完成する。とりあえず、目標はそこだ。
■ ボカロを作るとは?
初音ミクに代表されるようなボーカロイドは、「あ」「い」「う」など、人間がそれぞれの文字を発声したものを録音しておき再生しているだけである。つながりが不自然なところは二文字、ときとして三文字つなげたファイルも持っている。ただそれだけである。私はそういうことをしたいわけではない。声を一から作るところからだ。
順序立てて話そう。
私は高校生のときにアーケードの麻雀の移植のために音声合成の処理を書いたことがある。*1
このプログラムは実際には世に出なかったわけであるが、私はそれ以前から、音をプログラムすることに関して強い関心があった。
Falcomの『イース』の音源ドライバーを中学のときに夏休みを丸ごと潰して解析したのも音に対してすこぶる興味があったからだし*2、BM98を作ったことにしてもその延長線上にある。私はプログラム以上に音に対しての興味があった。
2004年ごろにソニーがPS3の開発に際し、PS1/2のエミュレーションレイヤーの実装のための人員募集をしていた。そういう仕事は大好きなので、応募しようかと思ったのだが、その給料があまりにも安く、当時の自分の給料の何分の一かになってしまうので、ずいぶん悩んだのだが、ついに応募はしなかった。ただ、そのときは応募も本気で考えていたので、小手調べにスーパーファミコンのDSPをソフトウェア実装してみた。
スーパーファミコンのサウンドを一度でも聴いたことがある人は、耳が腐ってでもいない限り、あれがとても特殊なサウンドであることがわかるだろう。ファミコンのそれとは一線を画する、そしてそのあとブームとなるFM音源とも異なる、骨太のサウンドである。実際、FM音源全盛期にスーパーファミコンのゲームを移植しようとした会社が、FM音源のパラメーターをどう調整してもスーパーファミコンっぽい音が出せなくてとても苦労したという話は枚挙にいとまがない。
要するに、スーパーファミコンのDSP(サウンドチップ)とは当時の歴史のなかに本来、技術的に存在してはおかしいようなオーパーツそのものなのである。
何故こんなオーパーツがこの世に存在したのか。実は、このDSPはのちにソニー(SCEI)の社長にもなる久夛良木さんが手がけたものなのだ。*3
久夛良木さんレベルの超天才エンジニアの手がけたハードは自分の手でエミュレーションレイヤーを実装してみて初めてその設計思想、素晴らしさが実感できるわけである。私はもちろん、久夛良木さんレベルのエンジニアではないが、しかし、プログラムを書く能力は人並み以上にあるから、久夛良木さんのDSPを自分の手でソフトウェアで再実装することが出来た。誰しも感動する小説に出会えたときには自分に文字を読む能力があり、そして小説の内容を理解できる能力が備わっていたことに感謝するだろう。それと同じ感動がそこにはあった。あのときだけは、自分がプログラムを書く能力が備わっていたこと、そして、久夛良木さんの天才性の一部であれ、理解できたことに対して神様に感謝してやまなかった。
スーパーファミコンのDSPのどこがそんなに優れているのかについてざっと書いておく。本当は、この部分は本記事にはあまり関係がないのだが、ここを書いておかないと「やねうらおめ、また内容のない薄っぺらい記事を書きやがって!本当はスーファミのDSPのことなんか何も理解していないくせに!」などと勘ぐる輩が出てくるので、あえて書いておく。
※ 技術的な内容なので、興味のない人は読みとばしてください。
上の説明は今ひとつわかりにくいが、DSPとは別に制御用のチップが載っている。6502を拡張した命令セットを持ち、音源ドライバーなどはここに配置する。この音源ドライバーで結構いろいろなことが出来てしまうので、スーファミのサウンドはゲームメーカーによって音色がずいぶん違うと言われるゆえんである。
事前にサンプリングした波形データを復元する機能。PlayStationで使われている圧縮アルゴリズムと同一である。*5
・ADSR
ADSRは、Attack、Decay、Sustain、Releaseの頭文字で、FM音源に見られるようなエンベロープジェネレーターであるが、A,D,S,Rの値はそれぞれ4bit、3bit、5bit、3bitで指定する。(そのあと表引きして実際のA,D,S,Rの値が設定される) 併せて15bitだから16bitに収まっている。いまどきなら、それぞれの値を直接設定できるようにするところだろうが、当時はメモリがもったいないのでこういう設計が好まれた。
ところが、このADSR機能を使わずに直接gain(≒ボリューム)を変更するモードもある。実のことを言うと大手メーカーのスーファミ用の音源ドライバーはADSRモードではなく、こちらのモードを使ってあるものが多い(と思う)。自前の音源ドライバーでADSRよりもっと細かな制御をしたほうが、サウンドに広がりが出てくるからである。なのでADSRはこのDSPの代表的機能ではあるが、スーファミのサウンドの特徴ではないと私は考えている。
・ガウス分布補間
指定した4点を曲線で補間する機能。実装的にはガウス分布テーブルを用いている(表引きしている)ので正確な補間ではないし、さらに計算資源があるならスプライン補間したほうが歪みのないサウンドになるし、いまのPC用にソフトウェアで実装するならそうすべきところではあるのだが、良くも悪くもこの“歪み”自体がスーファミらしいサウンドを形成していると思う。
・ディレイ
ファミコンにはディレイがなかったのでこれは大きな進歩。久夛良木さんの発言によると『ファミコンについてはサウンドトラック4本や音のディレイがないことから「そんなもんで音楽なんてやれませんよね」「普通の人はそれで感動するかというと、ぼくは感動しないと思う」「クリエイターがやりたいと思ってることがやれるかどうかというのがキー」』*6
リバーブにFIR(有限インパルス応答)フィルタ*7までつけてしまうのが恐ろしい。ここの「次数8」というのは、パラメーター(係数)が8個指定できるという意味。FIRフィルタ自体はデジタルフィルタとしては基本的なものなので説明は割愛。
・スーファミのサウンドまとめ
結局のところ、上記のような当時としてはかなり高機能な処理能力を備えたDSPと、このDSPの制御用チップ(ここに各ゲームメーカーが独自のサウンドドライバーを載せた)との組み合わせによりスーファミらしいサウンドがもたらされたわけである。
もうここまで説明すれば話は見えただろう。今回、ボカロを自作するわけであるが、まずそのためにスーファミのDSPのようなソフトウェア実装のサウンドレイヤーを用意する。まあ、人間の肉声に近いサウンドが欲しいわけで、スーファミのDSPよりは少し高機能なものにならざるを得ないが。また、ここは将来的にハードウェア化するかも知れないので、この部分はそのへんも見越しておく。
次に、このDSPに対してプログラムできる必要があるのだが、DSP制御用の命令セットを用意して、その命令によってプログラムすることにする。(将来的なハードウェア化を視野に入れているため)
あと、この自作ボカロをライブで使うような用途を考えているため、この自作ボカロをリアルタイムに歌わせることが出来るような楽器自体を作らなければならない。そのへんもすでに考えてある。
かなり早口な歌でも訓練次第ではリアルタイム演奏が可能である、画期的な楽器(音楽的なデバイス?)となる予定だ。
ついでだからもう少し話を進めよう。コンピューターによるアルゴリズム作曲(自動作曲)についてである。この分野の近年の技術的進歩はめざましく、論文もたくさん出ているし、アルゴリズム作曲は実用的になりつつあると思うのだが、私はそういう方向性でやりたいわけではないのだ。
作曲をやっている人にはわかると思うけど、どこかの段階で対位法とか勉強するわけだ。二声対位法、三声〜八声、厳格対位法、模倣、二重対位法、フーガetc…。そうするとその手の教科書には「禁則」(こういう進行は良くない)が延々と書いてある。和声に関しても、ある程度基礎が出来たのちに、いわゆる芸大和声(asin:4276102057)あたりから勉強するわけだが、「禁則」のオンパレードである。そして、興味深いことに本によって何が「禁則」であるかは定義が異なる。
じゃあ、そもそも「禁則」とは何なのか。
このように「禁則」とすることによって何が得られるのか。
結論的に言うと、その本を書いた人が想定している音楽(それは18世紀のものであったり、それ以前のものであったり、特定の作曲家のものであったりするのだが)が得られるということである。この部分を理解していないと、やみくもに「禁則」だけ覚えることに終始してしまい、自分の作る曲の音楽的な可能性を狭めてしまう。
要するに「禁則」とは、曲の生成アルゴリズムが何かしらあるとしてそのためのルール集合の一部だと考えるとわかりやすいだろう。
例えば、モーツァルトの曲を分析し、そのルール集合が得られれば、そのルール集合からはモーツァルトの曲っぽい曲が自動生成できるということだ。
しかし、自動生成と言っても、単にルール集合に書かれているルールを順番に適用していけばいいという単純なものではない。例えば、前の音符との次の音符との接続される形に良さの点数がつけられるとしたら、その点数を最大化したい。そして一曲通してその点数の合計が最大になるような曲にしたい。そうならないときは前の音符を消して、また別の音符に置き換えて…という作業を繰り返す必要がある。
実はこの部分はコンピューター将棋の探索と全く同じなのである。音符一つ(音符の高さ・音符の長さ)が将棋の指し手に相当し、音符を一つ置くことが将棋ではその指し手で局面を進めることを意味する。将棋で読みのなかで局面をいったりきたりするが、音符を足したり、消したりするのはそういう理由からである。そして、将棋であれば最終的な点数(将棋であれば最善応手列≒読み筋)の末端局面の評価値が最大になるような現局面での指し手を探すが、曲作りのときも、最終的な点数が最大となるような音符の並びを探し出せば良いのである。
つまり、自動作曲は実はルール集合さえ与えれば、コンピューター将棋の探索部によって解決できるのである。
これは何も偶然の一致ではない。人間の知的作業のほとんどは、何らかの点数を最大化するという、探索を伴う最大化問題に帰着されるので、作曲行為自体がコンピューター将棋の探索の問題に還元されるのは何も不思議なことではないのだ。
では人間は何もしなくても曲が出来上がるのかと言うとそれは違う。作曲のためのルール集合自体は人間が考えてやる必要がある。
ルール集合が同じであると似たような曲しか出来ないし、そこがまさに人間にしか出来ない知的作業と言えるわけである。
例えば、坂本龍一(織田信長に「さん」をつけないの同様、歴史レベルの偉人なので敬称をあえて略す)の作曲のための方法論として、自分が考えた作曲アルゴリズムに基づき、自分を作曲機械だとみなしてそのアルゴリズムにより曲を生成し、その曲の良し悪しを音楽家坂本龍一が評価し、そして作曲アルゴリズムの修正を行なうというフィードバックループにより作曲するという主旨のことが『坂本龍一の音楽』(asin:4487801036)に書いてあったと思う。(うろ覚え)
坂本龍一が本当にそうやって作曲しているのかどうかは私は知らないが、そういう視点というのが面白いと思っていたし、この「自分を作曲機械だとみなしてそのアルゴリズムにより曲を生成する」という部分は、私のプログラミング能力であればコンピューターに完全に肩代わりさせることが可能だ。
そうなってくると、「自分が考えた作曲アルゴリズム」が問題となる。従来のアルゴリズム作曲の論文では、この部分が固定に近い形であったので、同じような曲しか作れなかった。自動生成される曲の完成度はともかく、私にはその部分が大いに不満であった。
私は特定のジャンル、特定の種類の曲を大量に生成したいわけではないので、上記のようなフィードバックループをなるべく短い時間で回したいのである。そうすることにより短い時間で自分の作曲アルゴリズムが磨かれるわけである。
そして、最終的にはこのループ自体を少しプログラムと音楽に対して理解のある人であれば誰もが体験できるよう、自動作曲のためのプログラミングフレームワークとして公開したいわけである。
■ まとめ
ということで、私の当面の目標は以下のような感じである。(何年かかるかは知らん)
・ボカロを自作(そのために自分で設計したDSPをソフトウェア実装するところから)
・音源を自作(自分で設計したDSPに対する制御プログラミングにより)
■ あとがき
何故突然こんなことを思ったのかと言うと、電王戦が終わったので友達に借りてる漫画を読んでいたわけである。その友達とは電王トーナメントのエントリーのときにやねうら王の開発者としてもう一人名前が挙がっていたと思うが、彼である。彼は、いつも私をその気にさせる。やねうら王も彼がいたから作ろうという気になったわけである。だから、やねうら王のエントリーのときに共同開発者として彼の名前を入れておいた。
今回、彼が持ってきた漫画は『ナッちゃん東京編 1―下町鉄工所奮闘記』 (asin:4088597001)という漫画で、下町の鉄工所で働く女の子(?)の物語である。この女の子がちょっとした天才で、創意工夫によって無理難題を解決していくわけであるが、これを見ていたら昔のことを思い出したわけだ。
私は小学生の段階ですでに仕事としてやっていける程度にはプログラミング能力があったわけであるが、大学を卒業するころにはプログラミング自体に少し嫌気が刺しており、これを職業にするとプログラミングのことが嫌いになってしまうと考えて、プログラミングとは全く違う分野(製図設計)の仕事に就いたわけである。正直に言えば当時は自分がプログラミングが出来ること自体が、本当に忌々しいと思っていたし、「こんな神がかったプログラミング能力とか要らねえんだよ!俺は、刺身にたんぽぽを乗せるような頭の使わない仕事がしたいんだよ!」と考えていた。
ところが、モノづくりの現場で働くうちに、創意工夫して製品を作る(さらに、それをお客様に届け、喜んでもらう)ということの素晴らしさを知ったわけである。『ナッちゃん東京編 1―下町鉄工所奮闘記』を読んでいると、そんな当時の自分を思い出してしまった。そうだ、何でも工夫すれば作れるんだ。俺には、神がかったプログラミング能力があるんだしな!と思ったわけだ。
※ このブログの愛読者ならば、「神がかった」とか書いてあっても「また今日もやねうらお節、全開だな」ぐらいに理解してもらえるはずなのであるが、そうでない人に言っておくと、「神がかった」というのは、ある種の冗談であり誇張表現の一種である。本気で自分のプログラムを「神がかった」などと思っている人がいたら、それは相当な大馬鹿野郎である。
そして、そのとき、音楽とコンピューター将棋との関係に気づき、点と点が一本の線でつながったわけだ。これは、もうボカロを(作るところから)やるしかないなと。
ちなみに、私の作曲経験だが、自分の作った曲が商用ゲームに使われたことがある。まあ、自分がプロデューサーだったんだから、自分の曲使おうが何を使おうが自由なんだけども。商用ゲームに使われたらプロだという定義だとしたら、私はプロの作曲家である。おお、これはなんか凄くずるい感じがするな!
「プロの作曲家になりたい人は、自分で商用ゲームでもプロデュースすればいいんだよ!」などとテキトーなことを言ってこの記事を終りにしたい。
*1:http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20120226#p1
*2:http://www.4gamer.net/games/001/G000183/20131222001/index_2.html
*3:http://ja.wikipedia.org/wiki/SPU
*4:http://ja.wikipedia.org/wiki/SPU
*5:http://en.wikipedia.org/wiki/Bit_Rate_Reduction
*6:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%85%E5%A4%9B%E8%89%AF%E6%9C%A8%E5%81%A5
*7:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%99%90%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%BF%9C%E7%AD%94
羊
びっくるねっとの頃からやねさんの音に関する記事を読んでました。私もボカロエンジンを作ってみたいと思っていましたので、とても楽しみにしています。
yaneurao
↑ボカロエンジンを作ってみたい?むしろ、私と一緒に作ればいいんじゃまいか?
yaneurao
ちょっとコメントを整理(削除)した上で書いてあった内容に返信。
> 「何を点に結び付けるか」がぼやける作曲・編曲
例えば、並達8度・並達5度を減点だとか、声部が跳躍したあとはそれと反対側に進まないと減点するだとか、メジャー和音に対しての3rdのdoublingを減点するだとかそういう局所的な話です。どれくらい減点するかは、他の楽譜をもとにパラメーターを調整することもボナメソで十分可能です。
また、自動作曲により完成された曲の点数を自動的につけるという話ではありません。そこは人間が判断すべきところです。ですので曲が量産されることもないです。
あと、自動作曲のためのルールセットは、プロの作曲家が無意識にやっているようなことをルール化しなくてはならないわけで、そのためにはプロの作曲家と同等以上の音楽的センスおよび言語化能力が必要になりますね。
> 声優や歌手、作曲家・編曲家の方々が、だれも路頭に迷わないような配慮も極力した方が良いでしょう。
菅野よう子や上松範康レベルの天才作曲家が出てきたからと言って他の作曲家が廃業になるわけでもなく、初音ミクのような機械の歌い手(?)が出てきたからと言って他の人間の歌手が不要になったわけでもなく、まあ、音楽業界に関してはそのへんは柔軟に受け入れる土壌があると思いますけどね。
パオ
ああ、ついに無敵のミクさんが駆逐される時が来るのか・・w
いや非常に楽しみです。やねさんの別次元のアプローチで
どんなボカロ(エンジン)が出来るのか。数年後ですか。長いのう・・
yaneurao
↑ 人工的な合成なので、どうやったところで肉声サンプリングには敵いません。VA音源(物理モデル音源)が生音に勝てないのと同じ理屈で。しかし、そこはそうでも、どれほど下手に人工的に合成された声であれ、一つの楽器と思えばいいのかなと。一時期、小室哲哉がその楽曲でデジタルフィルタでわざとロボットの声のように加工するのを多用していたと思いますが、あれも声ではなく声を一つの楽器かのように扱っていたのかなと、私は思うのです。
り
めっちゃ期待。
ときメモ2のEVSでヒロインがプレイヤーの入力した主人公の名前をコンピュータの作成した合成音声で呼びかけてくれるやつがあってめっちゃドキドキしたんですけど、そういう方向にも進んでいきますかね?
作曲か・・・
>>例えば、モーツァルトの曲を分析し、そのルール集合が得られれば、そのルール集合からはモーツァルトの曲っぽい曲が自動生成できるということだ。
モーツァルトの曲を1フレーズ取り出せば認識できるぐらいの分類器が必要なんでしょうか?なんか、色々な曲を同様の技法で解析すると、作曲家のパクリが疑惑が出て来そうで怖いですね(「?のブーメラン」と「DANZEN!ふたりはプリキュア」、ルールの一致率が80%を超えたからパクリ認定とか)
tara
やねうらさん、はじめまして。
いつも興味深く拝読させていただいております。
今回の記事、音楽の自動作成と将棋が同じスキームだという話、非常に興味深かったです。
素人質問なのですが、将棋の場合、膨大な量のプロの対局棋譜を入力し、それをもとに評価関数の精度を高めるということをされるかと思いますが、作曲においても、同様に大量の楽譜を入力することにより、どのような旋律、リズム、ハーモニーが心地よい組み合わせか、といった評価関数を作り上げるということも考えておられるのでしょうか。
名無し
今回のエントリは全く難しく、理解できなかったので質問させてください。
1. 「声を一から作る」とは、初音ミクのように、本職の声優や歌手からのサンプリングではなく、モデル無しでコンピュータに発声させてしまうのでしょうか?
2. 「つながりが不自然なところは〜」は、辞書ファイルやアドホックな調声無しに全てソフトウェアで行うのでしょうか?
yaneurao
↑*4 私がやろうとしている音声合成だとロボット風のボイスになると思うので聞いていてもドキドキはしないと思うんですが(笑)
↑*2 ですです。
↑*3 ↑*2が参考になるかと思います。ルール自体は将棋の3駒関係みたいに汎用的な特徴でもいいんです。例えばkey = Cのときに「ソ」の音のあとどこの音に遷移するかをマルコフモデルのようなもので調べて、自動作曲に活かすというアプローチが何十年も前からありますが、「ある音符からある音符への遷移」というのを一つの特徴因子としたり、あるいは「隣り合う声部に対してどのインターバルであるか」などを特徴因子として用いることが出来ます。それらに対して、モーツァルトの曲を食わせてボナメソでそれぞれの特徴因子の点数を算出することによって将棋ソフトで言うところの評価関数のようなものが得られます。
↑*1
> モデル無しでコンピュータに発声
ですです。
> 「つながりが不自然なところは〜」は、辞書ファイル
人工的に合成しているので(つまり、「あ」から「い」のように次の音へも滑らかに遷移できます)、つながり自体が不自然になる問題はあまりないですね。発声そのものが人間の肉声からかけ離れている可能性はあっても。また、本格的にやるのならば辞書的なものは必要だと思いますが、辞書を個人で用意するのは大変なので、そのへんは他のオープンソースのプロジェクトに依存してもいいかなと思ってます。
亜亜亜
さすが、天才やねうらお!(歴史レベルの偉人なので敬称をあえて略す)
常人とは、発想が違いますね。
自動作曲が、将棋と同じく探索で実現するとは、目から竜王の鱗です。
私は音楽に関しては、全然詳しくないのですが、以前フリーゲームソフトを作った際には、自動作曲ソフトには随分とお世話になりました。
ただ、作れる曲の範囲に限界がありましたので、神がかった凄いソフトを期待しています。
もっとも、私は音楽に対して理解のある人ではないので、使いこなせないかもしれません。
近い将来、やねうら王を市販化し、解説自動生成したセリフをボカロが喋って、局面に応じた自動作曲BGMが流れることを期待しておりますw
みぞ
大変面白いです。ただ、楽曲の場合、将棋と違って、近傍のみを入力とする関数にはならないので、そこがかなり異なるアプローチになるとは思います。
つまり、しばらく前のフレーズを繰り返すようで少し変えたものをおくことが、独特の感興を催させるので、それを一般化したアルゴリズムからどう生み出すかは、難題ではないでしょうか。単にn次マルコフでなんとかなるとは思いがたいです。
私は自動ストーリーテリングに趣味的に関心がありますが、自動作曲にも共通する課題があります。「かみまみた」みたいな反復ネタを、それ専用の機能を組み込むことなく実現するには、という観点で。
現時点での私の見解は、巨視的な構成情報を生成し、そこから再帰的にディテールの作り込みをすることです。ストーリーの場合、最終的に描写、叙述等はそれぞれ特殊なジェネレータが必要ですが、楽曲の場合も、葉ノードでは幾つかのパターンを持たざるを得ないといけないと思います。さもなくば自動作曲にありがちなメリハリのなさに陥る気がします。
みぞ
補足です。巨視的な構成情報と言うと、なんかAA'BAみたいなナイーブなものを想起させますが、そういうものばかりではありません。もう少し細かい、小説で言えば詳細プロット、楽曲なら、いわゆる構造分析の成果物のようなものを想定しています。
yaneurao
↑
> 前のフレーズを繰り返すようで少し変えたものをおくことが、独特の感興を催させる
よく音楽をわかってはりますね。なら、少し専門的なことを書きます。
まず、前フレーズの模倣〜逸脱はある程度機械的に認識が可能です。例えば、5度上で模倣、もしくは、フレーズの最後の部分をわずかに付け足してあるかだとか、前の音符に対する音の高さの上昇・下降の列が一つ前のフレーズと一致するかなどは機械的に判定できます。(例:「ドレミミレ」と「ミファララソ」は一つ前の音符と比べていくとどちらも「↑・↑・→(変化なし)・↓」の順番になっているので一致します。)
機械的に構造を判定できる以上、それを特徴因子として用いることが出来るので、これらに対して点数付けが可能です。
> 巨視的な構成情報と言うと、なんかAA'BAみたいなナイーブなものを想起させますが
例えば、コード進行においてIV M7→V7→IIIm→VImのような王道進行があるとして、サビのところだけV7のあとに#V dim7とか挿入してpassing diminishっぽい感じにすることを考えてみます。
ところが、この#V dim7が曲の冒頭に出現したっきりで、そのあとただの王道進行になっていたら興ざめですね。すなわち、こういう盛り上がるような要素(借用和音のIII7とか、サブドミナントマイナーのIVm7とか)を出して、そのあとに盛り上がる要素が出てきていないことに対してマイナスの点数がついていればこういう曲の構成上の失敗は防ぐことが出来ます。
これは、実際にボナメソでターゲットとする楽譜を食わせてみればすぐに適切な点数がつきます。
このように適切な特徴因子を考えるのが人間の仕事(あるいは、この自動作曲フレームワークを作る人の仕事)であり、そのあと、ターゲットとする楽譜を食わせてそれらの特徴因子の点数を適切なところに持っていくとターゲットの曲のエッセンスの似た曲が生成できます。
あるいは、ボナメソを使わなくとも、人間の判断で、禁則に関しては点数として手で−∞(マイナス∞)にしておきます。そうするとその禁則パターンは自動作曲される曲には決して含まれることはないです。
UTHENA
ナッちゃんとか懐かしいですねー
連載当時はソレを目的に読んでた事もありましたw
音楽系はノイズの周波数テーブル作ってMMLで音階が出せるようにしたことくらいしかないチープDIYプログラマですが、それでもこの展開はワクワクしますね!
これ、完成したら販売とかされるのでしょうか?
ちょっと触ってみたいかも・・・
おおかみ
ニコ動にはボカロ関連のおかげで、学会のチャンネルが有ったりしますんで、「SIGMUS」音楽情報処理学会で検索すると、過去の講演や発表が、ボカロや名大のとか出てきます
タカハシ
アルゴリズミックに作曲者別・ジャンル別の特徴量を取り出すことができれば、例えばバッハの楽典では禁則になってしまう複雑な和声や和声進行であふれている曲も容易に再現して作ることができそうですね。(バッハ自身も禁則を犯してる例もありますが)
近現代の音楽、ラヴェルやドビュッシー、あるいはアニメではらき☆すた「もってけ!セーラーふく」やあずまんが大王「空耳ケーキ」など(古い)、そういう雰囲気の曲を同じフレーズを使わず人間が0から分析して作るのは大変そうですし。
これができれば、ネット将棋でソフト打ちがダメなように、将来作曲コンクールでアルゴリズム作曲は応募禁止になるかも知れませんね。
古典的な規則と近現代の規則をどう混在化させて点数化するのか、メロディーに加えてドラムやベースラインをどう評価するかといったことにも興味があります。いずれにせよとても楽しみです。
yaneurao
↑*3 完成して、こなれてきたら商品化できるといいかと思ってますが、まだ先の話です…。
↑*2 おお、情報ありがとうございます。
↑*1 > 古典的な規則と近現代の規則をどう混在化させて点数化するのか
点数化は、ボナメソでやるので、要するに、ルールセットのなかからユーザーは自分が使いたいルールを選択して、自分の好みの曲のMIDIファイルをソフトに食わせると、その自分が選択したルールそれぞれに対して点数をつけてくれるので、その点数が最大化されるような曲が自動生成されます。要するに、食わせたMIDIファイルと雰囲気の似た曲が自動的に作られます。
仮に古典的な規則をルールとしてユーザーが選んでも、食わせたMIDIが近代の曲であれば、それらのルールを守っていないものが多いわけで、そのルールを守らないことによるペナルティはゼロに近い値になります。つまりは、そのルールは無いも等しいと。
やな
面白いお話ですね。
ちなみにボカロがいまだ人間っぽく聞こえないのは、同音意義語のイントネーション違い(強弱、周波数、音の切り方)とかの認識が不十分で、単に五十音をなぞっているからだと思うんですが、そういうのもアナウンサーなどの音声ファイルと対照する言語データを十分量用意すれば、これも教化学習で改善できるのでは、などと思ったんですけどどんなもんでしょ。
MtCedar
アナウンサーっぽいイントネーションで歌うボカロを想像して吹いてしまいました。
ボカロにするなら、やはり学習データとして歌を使うべきではないでしょうか。
数学の天才
自動作曲と言うとwolfram alfaを思い出します。
http://tones.wolfram.com/
Chiharu
なんだかおもしろそうなことが始まっていますね。よそで記事にもなっているようで。応援しています!
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1404/21/news141.html
kanoke
また面白そうなことをはじめましたねー。いろいろなものの自動化は本当にわくわくします。
創作活動が自動化できたら、これほど面白いことはないでしょうね。楽しみにしてます!
名無し
将棋から音楽に飛ぶとは想像を超えていましたが、経歴からすると自然でしたか。
ところで「ボカロ」/「ボーカロイド」はヤマハさんの商標のはずなのでここは「ヤネウロイド」とか立ち上げるのはどうでしょうか。
yaneurao
↑*3 おおお!! ねとらぼの記事に!!!
↑*2 CeVIO、初めて知りました。面白そうなソフトですね。
↑*1 そ、、そうか。いい名前考えておかないと…。
【お知らせ】本記事と関係の無いコメントは削除します。将棋関係の話題は該当する記事にコメントお願いします。
一ファン
ボカロPデビューと思いきや、発声を含めて0からのスタートと知り「さすがやねうらおさん」と思いました。
音声はロボット的になるのではないかとありましたが、クラフトワークや、最近ならPafumeのように、オートチューンっぽいものを使ってロボ声風を使う楽曲はたくさんありますし、あとはヤマハのボカロ作成で苦労する「発声」のつながりが自然に再現できれば、化け物ソフトの完成ではないかなと期待しています。
将棋もそうですけど、こちらも期待できるものができたら、どこぞかで販売してほしいですね。
今からワクワクしています。がんばってください!
アルゴリズミックコンポーザ
このエントリー、大変興味深く、そして感動して読ませていただきましたが、お尋ねしたいことが溢れて止まりませんのでもしご回答いただければとても嬉しく思います。
まず、なぜボカロなのでしょうか?
歌が作りたいのか、音楽が作りたいのか、どちらでしょう?
声のフォルマントに魅せられて、声を楽器として使い音楽を作りたいのでしょうか?
それとも歌詞のある曲(=歌)を作りたいのでしょうか?
もし歌が作りたいということならば、歌詞はどう自動生成されるおつもりですか?
叙情的な歌詞を生成するのは難しそうですよね。
バロウズよろしくインターネットの海からカット・アップ手法を使ったりするのでしょうか?
また、「楽譜」に関してはエントリーの方法が素晴らしく面白そうで、なおかつ良いものができそうな予感がしますが、「音色」はどうされるのでしょう?
DSPも自作すると決められているのなら、ある程度は考えていらっしゃると思うのですが。
例えば「かっこいいフィルターの開閉方法」だとか「金属的だが温かみも持つスネア」だとかの音色はどう生成しようとお考えですか?
もしくは「とにかくボカロを作る、自動生成されたメロディーで歌を歌わせる」ということが目的で、DSPはボカロ専用として設計し、伴奏・編曲・ミックス等に関しては今回のプロジェクトには含まれていないのでしょうか?
矢継ぎ早に申し訳ありません。興味が尽きないのです。
.Lag
先生と呼ばせて頂きます。二匹の黒猫の逸話で抱腹絶倒して以来の、先生のファンです。
本記事中の、禁則に関する説明にハッとさせられました。ちょうど先日、録画していた題名のない音楽会を見た後だったからです。大友良英氏をお招きしてのノイズ・ミュージックについての特集でした。その番組中で、司会の佐渡氏と大友氏は次のようなことを仰っていました。
大友氏「自分たちが音楽と思ってきいていたものと違う体験が出てくると人ってノイズっていうクセが・・・」
佐渡氏「僕がオーケストラでやってるのとはある種、違う、時代的には。どこかで、何かやっぱり共通項、それはもう人と人がこの自然の中で生きてて、何かがやっぱり失われずあるような気がしてしかたがないですよ・・・」
大友氏「だれかにとっては、尊いものかもしれない、というものの考え方だと思うんですけどね」
佐渡氏「音楽って自分探しみたいなところがあるじゃないですか・・・」
大友氏「こういう音楽に関わりだした時に何が音楽で何が音楽じゃないのか、何をノイズって思うんだろうっていっつも考えてたんですけど、本当に身もふたもないこと言っちゃえば、人それぞれなんですけど、その人の生き方とか、社会性とかと凄く関係があると思っていて、音楽ってもしかしたら、自分がこの社会に所属しているっていうアイデンティティの一つとしてこの音楽がすきだって、いってるようなきがするんです」
本記事で導入されたルールセットという概念は、一種のプロトコルなのかなと思いました。同じアイデンティティを持っている者同士だということを確認するための。
民族音楽という言葉には、Wikiの説明によると、ヨーロッパ側から見た周縁の者たちの音楽という意味が元々あったそうです。逆に言えば、その民族固有の音楽がある、ということではないでしょうか。この考え方は、民族音楽のWikiページによれば、音楽人類学者のジョン・ブラッキングやアラン・メリアムらによって、すでに広められたものであるそうです。一方、ろう者の方々は一般的な音楽を排除する傾向があった、とする研究結果もあるそうで、これをうけて、「あらゆる民族が音楽を持っている」という信念に反対する者もいる、という主張もWikiページにはあります。しかし、これは、大友氏の言葉を借りれば、未体験をノイズとみなした、ということであって、必ずしもあらゆる民族が音楽をもっているという信念が否定されるものではないのではと私は思います。音楽というものを、音抜きで定義しなければいけなくなるかもしれませんが。
民族音楽については、教授もスコラの中で興味深いことを仰っていました。
http://www.commmons.com/schola/schola11.html
私個人的な妄想では、先生のフレームワークは商業の域を軽く飛び出し、「統計やるならR、音楽やるなら●●だよ」と言われる日がくるような気がしております。先生がフレームワークを完成される日を心待ちにしつつ、応援しております。
申し訳ありません、あと1つだけ書かせて下さい。私は藤原伊織の文章が好きです。でも、もう藤原伊織の書く新しい文に触れる機会は失われてしまいました。そこで思ったのですが、先生のフレームワークを用いれば、私が書いた平々凡々たる文章をあの独特のリズムをもった散文に変換してしまうことが可能にはならないでしょうか?そうなれば、たとえば、日記を書く事がとても楽しみになりそうです。そんな未来の日記帳のようなものを、キングジ●あたりが製品化してくれないかなと、思いました。
散文失礼致しました。本当に応援しております。\(^o^)/
yaneurao
↑
> 一種のプロトコルなのかなと思いました。同じアイデンティティを持っている者同士だということを確認するための。
そうですね、プロトコルですね。grooveなんかも伝達できますね。この種の伝達によって体験や感覚を共有できるんですね。そのプロトコルをサポートしていない人にとってはその音楽はコミュニケーションエラーになり、ノイズに聴こえるわけですね。
> 私が書いた平々凡々たる文章をあの独特のリズムをもった散文に変換してしまうことが可能にはならないでしょうか?
文章の変換や物語の自動生成なんかも音楽の自動生成と手法は同じでいけると私は考えてます。しかし、綺麗な文を生成しようと思いますと、大規模なシソーラスのような意味データベースが必要になるので個人でやるのはなかなか現実的ではないような気も…。
フ〜
やねうらおさん、お疲れ様です。
ブログも大変面白くてずっと拝見してました。
そう言えば、ツツカナの一丸さんも趣味の一つがDTMと書かれてましたよ。
お二人のDTM対談とかあれば面白い〜。
でも、将棋にも興味を失って欲しくない。
やねうらおファンからのお願いでした。
むずでょ
洋楽と邦楽の良いところを混ぜ合わせてしまって
単語が崩壊するのを妄想するぜ☆ おはhelloタークとか☆
男性ボーカルが なめらかに女声になったり 若者になったり
年寄りになったりして 同一人物性とかもなくなったりして
あのCMの すばらしい歌は誰が歌ってるのかと話題になったあとで
ヤネウロイドであることが ニュースでばらされるところまで
妄想した☆ww
かに
こんにちは。いつも楽しく拝見させて頂いてます。
やねうら王の今後も楽しみにしてますが、ボカロも面白そうですね。
色々ネットを徘徊していたところ、ニコニコ動画で似たジャンルで興味深いPがいらっしゃるのをみつけました http://www.nicovideo.jp/watch/sm22489726
ライブ音源ってのはハード的にはこんなイメージなんでしょうか。
ぴー
>プロの作曲家になりたい人は、自分で商用ゲームでもプロデュースすればいいんだよ!
こんな単純なことに今まで気がつかなかったなんて!
ちょっとunityでゲーム作ってきます!というか入れてなかったんでまずDLから!
でも落としてる間暇なんで漫画でも読みながら待ちますけどたぶん漫画に夢中になってDLしてることなんて忘れて漫画読み終わったらとっとと寝ます!
名無し
エントリ違いかもですが、総務省がやねさんを募集してるそうです。
お役所始まったな! 総務省が通称「変な人」事業をスタート
来たれ、野望ある変人たち!
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1405/23/news058.html
ボカロの研究費を総務省からいただく、てのも悪くないかと。
最大 300万円までらしいですけど。
yaneurao
↑私がやろうとしているボカロとか自動作曲はアイデア自体が新しいのではなく、実装手段が新しいだけなので…どうなんでしょうかね…(´ω`)
grgsiberia
歌詞も似たように解決できるのではないかと思いました.
与えられたメロディから,単語を接続し,良い評価のものを残す.
最初は呂律や響き具合などを考慮して出鱈目な歌詞を作詞するのですが,
自然言語処理が発達すれば,意味の通じる歌詞を生成できるようになるかもしれません.
そうすると,悲しい曲を聞きたい時に,音楽プレイヤーにテーマだけ入力すれば,
なんとなくそんな気分で,なんとなくそんな歌詞の曲が聞ける,
という未来が,この記事を読んでそのうちやって来るような気がしました.
実現を楽しみにしています.
http://blog.nicovideo.jp/niconews/ni049292.html
やねうらおさんの「ナニコレ」も映像の中にあります。
こんな事つぶやいてたのかw
映像があるというのがw
調子はいかがでしょうか。
送れるものは言葉しかありませんけど、たくさんのFUNをありがとうございます。
次の1年も実りあることを期待しています。
↑*2 楽しくなってきたのでいけるところまでやります!
↑*3,4,5 ありがとうございます。
何フラグかはあえて言いませんが、良い結果になるといいですね。
Destinyってゲームが開発に500億円使って
初日売上だけで500億円回収したそうですよ。
電王トーナメントも賞金500億円ぐらいあればいいのになあ。
やってくださいとは言えないけど、見てみたい気はする。
まぁ、赤字は1位取ってやねうら王の製品版出せば回収できますから。(震え声
確かかなり前にも出てたけど、学習をSETIみたいな
「おらに元気を分けてくれ・・・」的な
分散コンピューティングできると、こういう時、リーズナブルに
できそうだけど・・・仕組みを作るのと運用するのが大変か。
小回りの利いた妙案がないかなぁと考えてしまう。
↑*2 分散コンピューティングでみんなから力をわけてもらうのは…考えてなくもないです…。
↑*3 お金をかければ強くなると100%わかっている状況でもないので…(´ω`)
↑*4 来年以降、電王トーナメントの賞金、もっと増えるといいんですが…。
↑*5 自分の棋譜からだけで学習させられる、自分と同じような棋風の将棋ソフト、今回の次元下げを使えば、本当に実現できそうです。(ただしそんなに強くはないんですが…)
↑*6 ありがとうございます。
↑*7 死亡フラグです><
どうでしょう?
今開発してるバージョンで予選敗退しても「コンピューター将棋の
歴史には意味があった」って証明にしかならないですよ。
弱いバージョンでわざと負けた事になります。
Aperyの平岡さんは
一般の人にPRする際に、内部の実装がどうだというのを前面に押し出したPRはあんまりだと思うので、将棋ソフトのPRも何が出来るかを書いていきたい訳だが、Aperyはただの思考エンジンで付加機能も無くて、考えてもツラミが発生するので適当に内部の事書いてお茶を濁すパターンにしよう。
選手権のアピール文書は他の開発者に向けたアピールな感じで書くと思えば良いのか。電王トーナメントもそう思えば良いのかな。。
電王戦出場ソフトはトーナメントから1ヶ月間のチューニング期間があるが、その間には普通に強くする変更については何も書かれてないからまぁOKなんだろうと解釈した。たとえ評価関数や探索部の総入れ替えであろうとも。
と言ってる事ですし
やねうら王のアピール文あれは嘘だ。
って開き直りましょうww
未来って名前つけた、只の縛りプレイのような気がしてならないのだが。
開発意欲がわかないから縛って開発を楽しもうとかじゃないのかなあ。
やねうら(未来)定跡
やねうら王は人間が考えだしたいかなる定跡も搭載しない。
やねうら(未来)学習メソッド
やねうら王は人間が生み出したいかなる棋譜も参考にしない。
やねうら(未来)探索メソッド
やねうら王は従来のいかなる将棋ソフトの流れも汲まない。
これ相当ハンデですよ。
多かれ少なかれ前回よりは強くなっているとの認識なのですが間違っています?
↑*2 そういう縛りを入れることによって新たなアイデアが浮かんでくる(こともある)のです!
↑*3 ありがとうございます。
↑*4 やねうら王2014(5月時点のやねうら王)からやねうら未来学習メソッドによってR200ぐらい上が…るといいですなぁ…(´ω`)
と思い浮かびましたが、冷静に考えると安定性の面などでダメそうですかね
開発途上を実況してくれるのもエンターテイメントになりますわ、本人は大変でしょうが…
論文に書ける題材が見えて来るなどは正直羨ましいです、研究やってた身としては本当に楽しそうに見える。
応援しています。
その死亡フラグを折って栄冠を!
段、筋のワイルドカードみたいな話がありますが、「駒種類ワイルドカード」もいいような気がします。
つまり玉の右隣に何かしらの自分の駒があると「自分の持ち駒はそこに打てない」「相手の持ち駒もそこには打てない」「自分の駒はそこには移動できない」という部分は共通した価値であるとし、その共通項をまとめる意味というかなんちゅうか本中華