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大阪市職員に対する組合活動への参加状況などのアンケート調査をめぐる裁判。大阪地裁は、「プライバシーや団結権などを侵害し憲法に違反する」として、組合側勝訴の判決を言い渡した。職員の規律や組合活動を巡って市側が敗訴するのは、これで4度目。大阪市と組合側の法廷闘争。ことの発端は2011年、橋下市長が当選した大阪市長選挙だった。市の職員が勤務時間中に、対立候補を支援する政治活動を行っていた疑いが浮上、橋下市長は、「労使関係が適切でない」と、厳しく批判した。11年12月、橋下市長は「まったく市民感橋下覚からずれている。こういう大阪市役所の組合だからだめなんじゃないでしょうかね」と話した。そこで橋下市長は、市の全職員およそ3万4000人を対象にしたアンケート調査を、市の特別顧問だった野村修也弁護士ら第三者調査チームに指示。組合活動の有無などを、記名で回答させる内容だった。これに対して、組合側は反発。アンケートは、組合の弱体化を狙ったもので、憲法の思想信条の自由を侵害するなどとして、市の職員29人と5つの組合が、大阪市などに対し、およそ1400万円の損害賠償を求める裁判を起こした。この問題を巡って、組合側は、大阪府の労働委員会にも、救済の申し立てを行った。その結果、このアンケート調査は、「組合への支配介入にあたる」と不当労働行為に認定。国の中央労働委員会も、その後、同様の認定を行った。市は調査の中断を勧告され、アンケート用紙は、未開封のまま全て廃棄された。橋下市長は今年8月「不当労働行為と認定されたんだったら謝る、それは当然だと思います」と話した。組合に対して、徹底して対決姿勢を示してきた橋下市長だったが、再発防止を誓って、組合側に謝罪する流れとなった。しかし、裁判では、大阪市は和解はせず、争う姿勢を崩していない。市側は、アンケートは、第三者調査チームが実施したもので大阪市に責任はなく、違法性はないとしている。一方、組合側は、アンケートの中身が憲法上のプライバシーなどの権利を侵害し、不当労働行為だと主張。両者が真っ向から対立したまま、21日の判決を迎えた。判決で大阪地裁は、「アンケートの設問の一部は、原告らのプライバシーおよび団結権を侵害するものである」と憲法違反を認定したうえで、「アンケートに回答することを命じた市の職務命令やアンケートの作成は違法である」との判決を下し、大阪市と野村弁護士にあわせておよそ40万円の賠償を命じた。職員の規律や組合活動に対する橋下市長の対応を巡って、市側が敗訴するのは、市庁舎からの組合事務所の立ち退きをめぐる訴訟などに続き、これで4度目。橋下市長は、「最高裁の判断をあおぐ」として、全ての裁判で控訴し、納得いく判決が得られるまで、戦う姿勢を示している。今回も敗訴の判断を突きつけられた大阪市は、きょうの判決を受け、「本市の主張が認められず遺憾であります。今後については、判決の詳細を精査したうえで対応を検討してまいります。」とコメントしている。(01/21 18:08)


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職員アンケート訴訟 大阪市などに賠償命令 (01/21 18:08)

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