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 安倍晋三首相は21日、イスラム過激派組織「イスラム国」が日本人2人を拘束し、72時間以内に身代金を払わなければ殺害すると予告していることについて「厳しい時間との戦いだ。政府として総力を挙げて対応に全力を尽くす」と記者団に語った。安倍政権は関係閣僚会議を開き、人質の早期解放に向けて政権が一丸となって取り組む方針を確認。一方、国内のテロ警戒の強化も進めている。

 菅義偉官房長官は同日の会見で、拘束された2人が千葉市出身の会社経営者湯川遥菜(はるな)さん(42)と、仙台市出身のフリージャーナリスト後藤健二さん(47)と判断したと発表。一方、人質解放に向けた状況について「(『イスラム国』からの)接触はない。安否(情報)もない」と語り、手がかりがつかめていないことを明かした。

 首相は16日からの中東訪問を終え、21日夕に帰国した。直ちに関係閣僚会議に出席し、ヨルダンやエジプト、トルコなどの首脳に協力を要請したことに触れて「中東各国との信頼関係、あらゆるチャンネル、ルートを最大限生かしながら、政府を挙げて手段を尽くしていく」と強調。出席した閣僚らに「引き続き強いリーダーシップを発揮し、刻一刻と変化する状況に臨機応変かつ全力で当たっていただきたい」と指示した。