【イスラム国殺害脅迫】身代金は支払うのか 中谷氏は「毅然たる態度」、高村氏「払えない」
「イスラム国」側は、日本政府に対し2億ドルの身代金を求めている。
安倍晋三首相は21日、官邸で記者団に対し、2人の解放に向けて「手段を尽くす」と表明。同時に「決してテロに屈することはない」とも強調した。
中谷元(げん)防衛相は21日、ファロン英国防相とロンドンで会談した。中谷氏によると、ファロン氏は事実上、身代金の支払いに応じないよう要請した。中谷氏は「毅然(きぜん)たる態度」で対応すると述べた。
外相経験がある自民党の高村正彦副総裁は記者団に対し「日本政府が(イスラム国対策の)人道支援をやめるのは論外だ。身代金を払うこともできない」と述べた。身代金要求に応じれば、新たなテロの資金を提供したに等しく、日本は「テロに屈した国」として国際社会から厳しい批判にさらされかねないからだ。
これに対し、菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は21日の記者会見で、身代金の支払いについては明言を避け、「国際社会によるテロへの取り組みに貢献していく立場は変わらない」と述べるにとどめた。
閣僚経験者は「払うときもあれば払わないときもある」として、過去には身代金を支払った事例があることを明らかにした。(峯匡孝、ロンドン 内藤泰朗)