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2015.1.21 WED
TEXT BY LIZ STINSON
TRANSLATION BY WIRED.jp_M
WIRED NEWS (US)
1/10In Direction by Richard DuPont:自分自身をスキャンしたデジタルデータを使ったニューヨークのアーティスト、リチャード・デュポンの作品は、これまでの彫刻には見られない不思議な形をしている。
2/10Twisted Dump Truck by Wim Delvoye:レーザーカッターを使うことで、鉄の塊をヴィクトリア調のレースのような華麗な作品に仕上げた。
3/10Brainwave Sofa by Lucas Maassen:自分のニューロン活動を3秒間計測して、それをソファに仕立てあげた。
4/10Liquid Glacial Smoke coffee table by Zaha Hadid:建築家ザハ・ハディッドがつくった、「水」のように見えるコーヒーテーブル。
5/10VOLUME.MGX by Dror Benshetrit:3Dプリンターでつくった照明。
6/10Oh Void by Ron Arad:アートになったロッキングチェア。
7/10Clone Chair by Julian Mayor:イギリス女王アンの椅子をデジタルファブリケーションで再現。
8/10Low Chair by ArandaLasch:すわり心地はあまり良さそうではない幾何学的なローチェア。
9/10Flatware Collection by Greg Lynn:スプーンやナイフも、デジタルファブリケーションでアートになる。
10/10Bone Armchair by Joris Laarman:骨をイメージした曲線のデザインが印象的。
「ポストデジタル」とは、不可解な言葉だ。それは何を意味しているのだろうか。デジタルは終わったとでも言いたいのか? そもそもいま、デジタルとは何を意味する言葉なのか?
その定義は不明瞭だが、キュレーター、ロン・ラバコによれば、ポストデジタルは定義というよりは「マインドセット」なのだという。ラバコは昨年、ニューヨークの「Museum of Arts and Design」で、大規模なデジタルファブリケーションの展覧会「Out of Hand:Materializing the Postdigital」を開催した。
ラバコによれば、この10年間のうちに、デジタルファブリケーションについて人々が語る手法は大きく変わったのだという。テクノロジーそのものへの関心から、それがどう使われるのか、どう作品に適用されるのかといった事柄へとシフトしている。
「それこそがポストデジタルの時代に突入したということ」だとラバコは語る。「デジタルファブリケーションのテクノロジーは、いまや道具ひとつとしてみなされるようになったのです。ノミやペイントブラシと同じような存在になったのです」。
アートやデザインの世界では、3Dプリンティングのようなテクノロジーは、アーティストやデザイナーの身体の延長のようなものになりつつあり、もはや「いま話題の新しい制作手法」ではない。作品の制作にデジタルファブリケーションを使用する例が増えてきているため、そろそろ「完全にアナログなアート」をテーマにした展覧会も成り立つくらいだという。
しかも、ここで紹介した作品はすでに時代遅れになっているとラバコは言う。「いま起きていることは、これらの作品を発想の土台にして、次に何をつくるかということです。まだこれが未来のように感じられるようであれば、いまのアーティストの頭の中は、遥かに想像を超えた世界が広がっているはずです」。
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