女優・橋本愛さん 演技への思い語る1月21日 10時59分
NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で一躍、脚光を浴びた女優の橋本愛さん(19)。
今回、岩手県の山村を舞台にしたオールロケの映画に挑みました。1年間にわたって山村に通い、地元の人と触れ合いながら役作りを進めてきた橋本さん、与えられた役柄への向き合いかたについて「骨の髄までしゃぶるほどの気持ちで臨んでいる」と、女優としての決意を語ります。
オール地方ロケに魅力感じて
映画「リトル・フォレスト」は、季節ごとの4部作で、去年の夏・秋編に続き、来月、冬・春編が公開されます。
橋本さん演じるヒロイン、いち子は、都会に居場所を見つけられず、ふるさとで1人、畑を耕して暮らします。
その心の成長を描いた物語です。四季の移ろいのなかで、まき割りや雪かきなど、田舎の暮らしを体当たりで演じています。
「ドラマを撮っているときにお話を頂いたんです。スタジオばかりの日々で疲れて、外へ出たいなと思っていたときに、オール地方ロケというすごく魅力的なお話を頂いて、ああ、地方へ行きたいと思って。すごくぜいたくなことをやらせていただき、1つのものを作ることがこんなにも充実するものかと改めて思いましたね」(橋本愛さん)。
ドキュメンタリーを思わせる演技を
ドラマ「あまちゃん」では、感情の起伏の激しい足立ユイ役で一躍人気を集めました。
13歳でデビューし、映画やドラマで存在感のあるさまざまな役を演じてきました。
今回、岩手の山村に1年間通い、撮影するなかで監督から求められたのは、「ドキュメンタリーを思わせる演技」でした。
役作りは、地元の人と触れ合い、暮らしを感じることから始めました。
映画には実際に地元の人も出演し、農村の人々のありのままの暮らしが描かれています。
「畑や田んぼを借りた家の方と、何かことばと言うよりも同じ時間を過ごすという、それだけですごくほんわかしました。(演技は)“ドキュメンタリー”と“虚構”のすり合わせというか。どれだけホテルで練習してせりふを覚えても、現場で全く変わることが多かったんです。そういう意味では“橋本愛”と“いち子”という人間の、どうしても破れない膜はあるとしても、ぎりぎりまですり合わせた感覚はありました。いつもお芝居するときはうそをついている感覚なんですが、この『リトルフォレスト』ではちょっと(自分と役が)混じってましたね」(橋本さん)。
与えられた役を骨の髄まで
映画のハイライトの1つ、伝統の神楽を舞うシーンでも、1か月以上練習し、地元の人と息が合うまでになりました。
女優として与えられた役柄と向き合う決意を、最後に語ってくれました。
「愛情、まあ、ぎりぎりのところまでつきあうということじゃないですか。どんな他人と会話するより、いちばん(役と)近いですからね。もう骨の髄までしゃぶる気持ち、お墓に持っていくぐらいの気持ちなんです。本当によい作品を、よい環境で残していけたらいいなと思います」(橋本さん)