経済同友会は21日、財政再建に関する提言を発表した。歳入面では2017年4月に消費税を予定通り10%に引き上げるだけでなく、17%まで段階的に追加で増税すべきだと求めた。歳出も社会保障分野の大胆な改革と給付カットが必要だと訴え、年間5000億円のペースでの公費削減に取り組むよう促した。
30年までの今後15年間の財政状況も試算した。名目成長率が1%で推移すると想定したうえで、17年4月の10%から消費税の追加の引き上げを実施しない場合、20年の国・地方の基礎的財政収支は15兆円強の赤字となる。国内総生産(GDP)比でも3.0%のマイナスになると予測した。
17年4月に消費税率を10%に引き上げた後に毎年1%ずつ上げ、24年度に17%にするケースも試算した。社会保障費を年5千億円削減したうえで名目成長率が3%を維持する前提で、この場合は20年時点で基礎的財政収支が3兆円弱の黒字となり、GDP比でも0.4%のプラスになると見込んだ。
社会保障分野で公費の削減につながる政策としては、価格が安い後発医薬品の利用促進のほか、歴代政権が二の足を踏んできた高齢者の医療費の自己負担見直しなど8項目を列挙した。
現行の医療費の自己負担は現役世代では3割だ。提言は高齢者の自己負担の仕組みを大幅に見直し、段階的に1割から2割に引き上げている途上の70~74歳の世代だけでなく、現在1割の75歳以上もすべて「原則3割」にそろえるべきだと求めた。
病院や診療所での受診時に、毎回100円を個人で負担する制度の導入も提言した。8項目の早期実施で年5000億円の公費削減効果を見込む。「すべてをやり遂げたとしても必要十分とは言い切れないのが、日本の財政の現状だ」(岡本圀衛・日本生命保険会長)と危機感を強調した。
経済同友会、GDP、岡本圀衛
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